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そう言うの『人間のクズ』って言うんですよ

作者: ブーメラン

あそこまでやる必要があったのか、ですか?

もちろんありましたよ。むしろ彼は裏で穏便に済ませようとしてました。

そうしていれば結果は変わらなくても騒ぎ自体はもっと小さかったでしょうね。

騒ぎを大きくするように彼に吹き込んだのは私です。

何故って?



貴方達がやってきたことの意味を思い知らせるためですよ

貴方達、全員に



彼女は確かに綺麗になりましたね。

彼に褒めてもらいたい。認めてもらいたい。本当に初めは純粋にそれが動機だったのでしょう。

その結果磨かれていった彼女を皆が認め始め、讃え始めた。そこまでは良いでしょう。

問題はその先です。


貴方達はその対象が彼であることが、自分達より明らかに劣っている存在であることが気に入らなかった。そもそもその優劣が貴方達の勝手な思い込みである事に気付かずに。

いえ、気付いていても気にしなかったのでしょうね。

だって気に入らないのだから。

そして貴方達は毒を吹き込み始めた。

彼女に、彼に、あるいは露骨な悪意で。あるいは善意のふりをして。時に聞えよがしに。時に直接正面切って。

彼の事を貶める言葉を囁き続けた。彼女に見合わないと、思い込ませようとした。

やがてそれは彼女の中では肥大した自尊心と彼への不満として、彼の中ではコンプレックスとして結実し始めた。

一度落ち始めたら最後、どんどん人として腐り始めるのにそう時間はかかりません。貶める理由が増えるから、余計に貶めやすくなりますからね。

人間ネガティブになっていたら十全なパフォーマンスなんか発揮できない、下手に足掻けばかえってマイナスに落ちていくっていうのは、パワハラが社会問題として認知されて以来、有名な話なんですけどね。

それでもどうにか前向きになろうと、関係を改善しようとして行おうとした事も、双方にネガティブなイメージを植え付けた。

サプライズ企画の是非は一般的に意見の分かれるところですが、二人が前向きに受け入れられる土壌を作れていれば、改善への一つの切っ掛けにはなったでしょうに。

素直に受け止められないように仕向けられた二人にとっては、関係破綻の最後の引き金にしかならなかった。

その果てのアレです。


妬ましかったんですよね?彼が。

憎らしかったんですよね?彼が。

だから善意のふりをして、相談を受けるふりをして、徹底的に彼を貶め、追い詰め、壊した。

そうすれば、彼女を奪えると思ったから。だけど自分では敵わないと思ってる相手が動いたからそれすら諦めた。

私がアレを見せつけたのは、それをお前達に自覚させたかったからです。

彼が二人の人生を狂わせた?明らかにやり過ぎ?ドン引き?どの口が言ってるんです?

二人の人生を彼が狂わせたんじゃありません。三人の人生をお前達が狂わせたんです。

そしてその責任を彼に押し付けた。


そう言うの『人間のクズ』って言うんですよ。


そして彼と、私も含めた彼の周囲に残る、事態を正しく認知してる人達はお前達から孤立しました。

お前達がやった結果だと認識出来なかったのか、したくなかったのか、全ての責任を彼に押し付けたためです。

私達はお前達みたいな虫けらからどう思われようとどうでも良かったんですが、残念ながら元から心をすり減らしていた彼はそうではなかった。

過大なストレスが心だけでなく身体にまで変調を及ぼし、事態は彼の御両親の知るところとなった。

元々彼の置かれた状況に気を揉んでた私たちは、お前達のしていた事を可能な限り記録していました。

ええ、もちろん御両親に提供しましたとも。


だから、御両親が学校やお前達を相手どって裁判を起こしたのも当然です。

ただまぁ、それに不満を持った輩がSNSで愚痴をこぼした結果、ネットイナゴに見つかって炎上したのは流石に偶然、と言うかただのお前達の自爆です。


つまり今のお前達の現状は、お前達の言葉を借りれば、お前達がやらかした結果みんながドン引きしただけの、ただの自業自得なんですよ。

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