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ひまわり愛歌~水面、琥珀に輝いて


手の中の 一輪のひまわりを見る

それは狂おしいほどに上を向いて

ただひたすらに太陽()を眺めて


ずっとずっと待ち続け

ずっとずっと焦がれていた


きっときっと帰ってくる あの人を





私の暮らすこの地では

送った相手の無事祈り


戻り(みち)を照らすよに

願ってひまわり ()って()


彼は都に旅立って

一旗(ひとはた)上げて帰郷して


その暁には 約束の

祝言(しゅうげん)あげる(はず)だった


疑うことなく信じてた


けれどもある日 ある噂



あの人はもう 戻って来ない?



都の姫君 恋落ちて

そこで婿入りしたという


村長(むらおさ)(さと)す 私に向けて


彼の出世は 地の(ほま)


中央(みやこ)権力(ちから)を持ったなら

村が豊かになるように

取り計らってくれる(はず)


村のために 忘れろ彼を



そんな

それじゃあ私の想い


私は気持ちはどこ行くの?


いつか花嫁なるために

二親(ふたおや)仕込んだ (かめ)の酒


娘が嫁ぐハレの日に

お客に振舞(ふるま)う祝い酒


黄金(きん)色揺れる

米の美酒


私が誕生した年に

村の(いずみ)の水(もら)

(かめ)におさめた ()(なら)


彼を待って ただ眠り

蓋が(ひら)く日 (こいねが)


希望が揺れた

米の美酒




彼以外には 開かない

私はそれしか 望まない



そうね 夕陽も山に落ち

花も下向き 種も涙と地に落ちた


私も疲れ 果てた今

向かう足取り 家よりも

水面(みなも)きらめく(みずうみ)

月を仰いだ その(うみ)


この身沈めて 夜だけを

(いだ)いて眠る 朝待たず



太陽なんて ()らないわ──……









ホタホタホタと水揺れる


ホタホタホタと波が立つ


誰かが水辺で泣いている?




浮き上がって目にしたら

かつて別れた 愛しい貴方(あなた)


どうしてそんなに泣いてるの

どうしてここに戻ったの


私の()いは 声ならず

彼の答えは 嗚咽(おえつ)だけ



仕方ない人 そんなにも

泣いたら細い目 腫れちゃうわ



私はそっと手をのばす

水辺漂う(きり)として



一言(ひとこと)ひとこと彼こぼす

結婚話を断って 姫君からは逃げてきた

なのに私がいなかった

待ってて欲しい きみだった



なんてことなの 大誤解

私の罪ね これは罰


もう私には身がないの


あなたを(いだ)く 手は(つゆ)

あなたを感じる息もない



どうかそんなに泣かないで


わかった それじゃあ風になる

あなたを包んであげるから


土を吹いて (いのち)芽吹(めぶ)かせ

この地いっぱい 私の気持ちを咲かせるわ


黄色い花を満開に



あなたと楽しむ未来みた 黄金(きん)のお酒が揺れるよに



だから


顔をあげてよ お願いよ







私を見ていた女神様

水底(みなそこ)住まう女神様


私を憐み こう言った



(すべ)ての水が 金色に

(あふ)れることがあったなら

お前を地上に戻そうと





花よ 咲け咲け 花よ 咲け


朝陽と花輪で ()を染めて


私の身体をつくっておくれ







かくして私は彼と会い

女神様から貰った金砂(きんさ)

姫君よりも(あで)やかに 花嫁衣装が(ひるが)




さあ 酔いしれて 黄金(きん)の美酒

水面 琥珀に輝いて


私も彼も そろって笑顔





 お読みいただき有難うございました!!

 昨日投稿しました『"ひまわり"をたどって、金色の美酒に涙を落とす、そんな創作裏話。』と対になる物語詩です。

 詩だとすごいですね? 書いても書いても1000文字に届かなくて、まだ書ける、ありがたや!(笑)という思いに駆られながら、力技でハッピーエンドに持ち込みました(*´艸`*)


 あえて国や土地、こまかなところはぼかしてあります。

 お好みの想像でお楽しみください!!

 挿絵(By みてみん)

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― 新着の感想 ―
[良い点] もしかして曲が付いているのかな、と思いました。 もちろん文字を追って読むだけでも美しいのだけれど、曲にのって口ずさみたくなる詩だと思いました。 [一言] 読ませていただきありがとうございま…
[一言] 悲恋になってしまうのでは、とドキドキしながら読み進めました。見事なハッピーエンド! 素晴らしいです。 音数など意識されて書いていらっしゃるのでしょうが、口に出して読みたくなるような作品でした…
[良い点] うわーん。美しい歌~! 哀歌から愛歌になったのは、ハッピー・エンドだから! よかった。本当によかった! 無事に一緒になれてよかったね! [気になる点] 二人の愛が女神様の心を動かした! …
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