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臥亮転生  作者:
コボルト村編
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前世の記憶と摺り合わせ

 わたしの名前はリョウ。孤児である。そして前世の名前もリョウだった気がする。

 前世なのか別の記憶がインストールされたのか単なる妄想なのか。

 よくわからないけれど崖から落ちている時に知らない知識がインストールされた。

 だって崖から落ちる前は走馬灯もスローモーションも五点接地も知らなかったし。

 あの瞬間に記憶が黄泉帰ったのだろうと思われる。

 

 しかし神とか創造主とかが現れて詳しく説明してくれるわけでもない。

 考えてもムダなことは諦めよう。


 


 まずは現世の確認から。

 

  わたしの国では、…あっ、わたしの国といってもわたしは皇帝じゃないよ。

 そして皇帝や皇族の堕とし種でもない。あしからず。


 10歳になるとスキルを鑑定される。スキルというのは誰もが持ってる訳ではない。

 わたしは選ばれた者であった。しかもスキルは【鑑定】である。チートだ。


 【鑑定】はあらゆる物を見分けることが出来る非常に便利なスキルである。

 なので【鑑定】スキル持ちは国にも商人に冒険者にもさまざまなところで重宝される。

 帝国では孤児の【鑑定】持ちは全員官吏になることが決まっている。

 官吏とは公務員である。大出世だ。

 これで寒い思いも空腹じい(ひもじい)思いもしないで済む。

 皇族や高級貴族に仕え毒見をしたり変装した間者を見破ったり

 国宝がニセ物とスリ替えられてないか見回ったり特に危険な仕事も無いと思い喜んだ。

 

 しかし前世の記憶がインストールされたために混乱している。

 孤児の【鑑定】持ち官吏は隷属契約を施される。

 当たり前である。

 毒入りやスパイを見破っても【鑑定】結果をウソつかれたら意味がない。

 隷属契約を施されウソがつけないようにされる。


 嘘は人間関係の潤滑油である。


 前世の記憶から言われなくっても分かってはいた。隷属契約を施された孤児は

 あらゆるイジメを受けて精神的にあんなことやこんなことになると噂されてたし。

 でしょうねぇ。としか思わない。良い死に方は諦めていた。


 ただ 空腹じい(ひもじい)のに比べれば何万倍も何億倍もマシである。

 ホント前世の記憶ジャマ。


 もうこうなったら前世の記憶ガンバレ。仕事しろ。幸せにしてくれ。




 

 

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