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アイデス  作者: MAI_★
3/14

1話−3 心霊探偵?

学校で行方不明者が出ちゃった!茜はそれについて何か知っているようだけど…。

「ねえねえ、知ってた?」

「知らなーい」


 茜が目をランランと輝かせて話し始める時は要注意。その8割はロクでもない話なんだから。中学の時からずっと一緒だから私はその性格をよーく知ってる。


「んもう、つれないなぁ。あのね、今日学校を調査するみたいよ」

「警察が? 今朝の朝礼で言ってたじゃん」

「違うのー。なんか、ココだけの話…」

わざとらしく周りをキョロキョロし、さも機密事項のように小声で私に耳打ちした。


「なんと、心霊探偵が調査をするみたいだよ」


 し、心霊探偵〜? 何そのいかにも宗教っぽい怪しそうなのは。


「それでね、その人たちに放課後話を聞かせてくれないかって頼まれちゃったの! だからオッケーしちゃった♪ もちろん美咲も一緒だよ。」

「は、はぁ? 何でなんで私まで一緒に行かなきゃいけないのよ。だいたい、その人たちが超危なそうじゃない。変な団体とかじゃないの?」

「それがね! さっきチラっと見たんだけど。もう……チョーーーイケメンぞろいだったの!」


 そ、そこか! 茜はイケメン大好きなんだよね……のわりには彼氏はつくらないくせに。


「もう、またまたぁ、また自分の都合のいいように改ざんしてんじゃないのー?」


 疑いのまなざしの私に、茜は机をドンっと叩いて言いきった。


「本当なの! だから一緒に行こうよ。運がよければお近づきになれるチャンスじゃない。女子高生の私たち、年上と知り合えるきっかけなんてなかなかないんだから!」

「上っつったって、職業についてるってことはもう範囲外なんじゃないの?」

「んー、確かに一人はちょっと上だったけど、あとの2人はそうでもないよ、学生っぽい感じもしないでもないし」

「ふ〜ん……」

 まぁ私がオッケーするまで茜ここを動かなそうだし。なんだかんだで私はいっつも折れる。「いいよ、つきそいってことなら。でも私は話すことはないからね」


 ってことで何か変な展開になってきたけど、私たちはその謎の心霊探偵とやらに会うことになった。




 そして放課後。

「あはー、教室教えといたから、もうすぐ来るはずよー」


 上機嫌な茜とは反対に、私は早くも後悔し始めていた。今から話をはじめて、暗くなる前に帰れればいいけど……。


「そいや、話すネタなんて持ってるの?」

「もー! 朝礼でも言ったじゃん! 神隠しの根拠があるんだって! 美咲って本当に幽霊ネタってだめだよねー。ま、そこがかわいいってうちの部活仲間で評判だよー。『俺が守ってあげたい』ってな感じー?」

「もう、からかわないでよ」


 時計が16時をさしたちょうどその時、教室のドアが開いて、3人の男の人が入ってきた。

「失礼……あ、さっき声をかけてくれた津田さん……ですよね」

最初に入ってきた、グレーの高そうなスーツを着た、細身の男の人が茜に声をかけた。縁のないメガネが知性をだして、落ち着いた雰囲気を与えてる。次いで後ろの2人も「協力ありがとー」とか「よろしく」と声をかけてくる。


 お。


 お。


 おおぉぉぉ!


 やばい、予想以上だった。

 スーツの人は艶のあるストレートの黒髪で、知的でカリスマがあるって感じ! 年はかなり離れてそうだけど、20代後半ぐらいかなぁ。眼鏡の奥にある優しそうな瞳が見つめられるとドキっとする。てゆーかすでにドキッときました。

 次に入ってきた人はとっても背が高い!180は超えてるよねこれ。そのせいか、足がとっても長くみえる(いや、きっと長いんだろう)。片耳だけついてる金色のピアスがワイルドなイメージを与えてる。髪も短髪だから余計にそう感じる。アクション映画とかにいそうだ。

 最後に入ってきた人は、あ、何か一番歳が近そう。格好もかっちり決めてる他の二人に比べてカジュアルだ。明るく染めた髪が無造作におろしていて、くるっと動く眼がとても優しそうな印象を与えてる。てか最初に目があってニコっと会釈されてしまったよ。


 うぅ、思わず超観察モードに入っちゃった。確かに茜が騒ぐのも納得。


 彼らは私たちの前に、手近にあった椅子を引き寄せて座る。ちょうど私たちと向かい合う感じだね。机の上に座って足をぶらぶらさせてた茜も、滑り込むように私の隣に座った。

 眼鏡の男性が、


「わざわざ時間をとってくれてありがとう。えっと、こちらは…?」


 私の方をみて、不思議そうに尋ねた。

「あ、この子は私の友達なんです。ま、怖い話は全然ダメなんで、あんまり怖がらせないでくださいね。って、話をするのは私なんですけどねー」

「よーけーいなことは言わなくていいの!」


 んもう、軽く笑われちゃってるじゃないの。


「ははっ仲がいいんだね。私は所長の箕輪多紀(みのわたき)です。彼らもうちの人間で、長身な方が柳沢智(やなぎさわとも)、もう一人が瀬戸悠也(せとゆうや)です。では、さっそくなんですが、今回の行方不明事件に不可解な事が関連しているとか。曖昧な話でもいいので教えて頂けますか?」


 なんか、警察の事情聴取みたいだなぁ。私は茜と彼らの話を黙って聞くことにした。


「えっと、今行方不明になってる美術部の先輩なんですけど、あの人、行方不明の当日に、赤い紙を持ってたんですよ」

「赤い……紙? それは何か書いてあったのかな?」

「いや、そこまではちょっと……、でも、うちの学校は15年前にその手のイジメが流行ってたんです。赤い紙を受け取った人はどっかいけ的ないじめで」

「何それ、そんなの私も初めて聞いた」

「美咲は部活とかやってないからー。合宿とかでその手の話って出てくるものなのよ」

「あぁ、なるほど、戦争時代の『赤紙』にかけてんだなそれ」

 頬杖をついてぶっきらぼうな口調で答えるのは……えと、背が高い方の人(柳沢さんだっけ?)なにやらパソコンに打ち込んでる。


「そう! まさにそれなんですよ。誰とかってのはわからないけれど、国のために戦地に行きなさいっていうのと、学校のために学校から出て行きなさいっていう意味合いでいじめが流行っちゃったらしいんです。そのうち赤紙で呼び出しとかして、鉄砲に真似たエアガンで打ったりして集団でいじめてたとかなんとか。どんだけひどかったのか知らないんですけど、10人ぐらいが学校辞めちゃったみたいなんです。何で突然その赤紙が出てきたかはわからないんですけど、赤紙なんて発想あんまりしないじゃないですか。だから、今回の件もそれに関係ありそうだなと思いまして」


 そこまで言った茜は、少し黙って


「って、私が知ってるのはそれぐらいなんですけど、お役に立てました?」

「ん、とっても興味深い話が聞けて助かったよ。やっぱり学校側はこういう話をしたがらないみたいで、初耳だったし」

「あ、あのー。私も質問しちゃったりしていいですかぁ?」


 急にころっと態度を変えた茜は、まだ「いいよ」とも言われてないのに質問をはじめてしまった。


「みなさんって、幽霊をやっつける人なんですかぁ?」


 ぶっ。なんて率直すぎる。


「茜…んなわけな――」

「えぇ、そうですよ」


 って、ええええぇぇぇ。

 茜の質問に箕輪さんとかいう人があっさり答えた。な、なに言ってんのこの人!?


「わぁ、それってよくテレビでやってる除霊とかですか! すっごい、一度見てみたいですー!」

「機会があればいつでもどうぞ」


 にっこりと受け答えをしている。

 や、やばい…。

 この人たちやっぱりめっちゃ怪しい!

 まさかこんな今風っぽい姿で神社でやってるような除霊をしてるとは思えないし。何かの詐欺集団じゃないの? てゆーか幽霊退治とか…あほらしいにもほどがある。


「じゃあじゃあ、やっぱりこの事件って普通じゃないってことですか?」


 イケメン&謎が多い&幽霊の3コンボで茜はすっかり夢中だ。


「まだ普通の事件って可能性の方が強いですけどね。でも、行方不明っていうのは結構この世とは異なった場所へ囚われてることがたまにあるんですよ。まれに場所も時代も飛び越えてって話も世界中で報告されてますしね」

「でも、人間にはその異なる世界にいるのは非常にリスクを背負うんだな。どんどん生気を奪われて最後は……」

「えーーー! それって本当にある話なんですか!?」


 あぁ、もう! これ以上聞いてられない!

 すっと立ち上がって後ろの席に置いてあったカバンを手にとる。目が合った茜に、なるべく平静を装って、


「あたし、そろそろ帰るわ」

 と言った。ちょっとぶっきらぼうすぎるかなと思ったけど、言葉に気を使う余裕がもうない。


「えー! ごめん、じゃあ私も一緒に帰るよー!」

「いいよいいよ。めったにない機会なんだしもっと話してきなよ。じゃあ、私はこれで失礼します」


 3人も突然の私の行動に黙って見てる。

 ドアに手をかけようとしたとき、すぐ後ろから声がした。


「一人で帰れます? おじょーちゃん」


 振り返ると、えと、誰だっけ? 染めてて目にかかるぐらい長い髪の男の子(子? ではないのかな?)がいた。開けかけたドアに手をかけて、丁度私の真上に顔がある。え? 全然こっちに来る気配しなかった。


「怖かったらそこまで俺が送ってやるよー」


 お、笑うとますますかっこいい。いや、どっちかというとカワイイ系なのかな? って、人間観察してる場合じゃなくて、


「結構です。一人で帰れますから」


 怖がってるのを見透かされて馬鹿にされたような気がして、軽く睨みつける。ったく、なんなのよ。


〜〜〜

「やー、俺嫌われたかなぁ」

「あ、ごめんなさい。あの子本当にこの手の話が苦手みたいで、気にしないでいいですよ、私もいっつもあんな感じにしちゃいますから。でも少しご機嫌とればコロっと変わっちゃいますからー」

「でも、何かトラウマレベルで感じだな。怖がってるというか心底嫌がってる風にも見てとれたが」

「あー……何か最初会った時にちらっと聞いたかなぁ。何かぽっかりあいた穴の中に入ったらそこには怖いお化けがいたんだって。すごい勢いで追いかけてきて、出口もなかなかみつからなくて怖かったって言ってたような……」

「ほう……それは……不思議な話ですね」


改行とか適当すぎてすみません。なるべく読みやすいように調整していけたらと思います。

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