表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/133

No.19『なんかほらいい感じのロボ第一話』


佐原「というわけで時代は巨大ロボット物じゃよ根岸くん!」


根岸「なんですか博士、早朝から騒々しい」


佐原「ふふふ、ついに来た、ついに来たのだよ巨大ロボットの時代が!」


根岸「今朝の占いコーナーで忙しいんで後にしてもらっていいですか?」


佐原「よくないよ! 地球の危機で敵が攻めてきて巨大ロボット発進なのじゃよ根岸くん!」


根岸「……?」


佐原「そこ、不思議そうな顔しない!」


根岸「なんですかそのアニメだとか漫画みたいな話は」


佐原「だーかーらー、まさにそれなのそれ、まさにアニメだとか漫画みたいな現実カムヒアなの!」


根岸「マジですか?」


佐原「マジマジ」


根岸「へぇ、大変ですね」


佐原「信じてないのか他人事なのか!」


根岸「いや、万が一億が一本当だとしても、僕らに何ができるっていうんですかそんなの」


佐原「巨大ロボットで戦うのじゃよ」


根岸「誰が」


佐原「根岸くんに決まってるじゃないか、他に誰がいる」


根岸「博士が行けばいいじゃないですか」


佐原「ワシはアレだろ、基地で狙われる博士ポジションだもん。ちゃんと基地にパリンと割れるバリアーも張ったんだよ」


根岸「長屋なのに……」


佐原「そんなこんなで、いくのだ根岸くん!」


根岸「はいはい、はなまるカフェ見終わったら行きますよ」


佐原「お昼前になっちゃうじゃん! っていうかほら、テレビの上にも緊急ニュース速報出てるじゃん!」


根岸「あ、ほんとだ。宇宙人襲来で国際会議がどうのこうの。 博士の言ってたことはホントだったんですね」


佐原「信じてー、ワシを信じてー」


根岸「え、で、ホントに僕が戦いに行くんですか?」


佐原「だから他に誰がいるんだっつーの」


根岸「軍とか」


佐原「そんなの巨大ロボット物にならないでしょ!馬鹿なの?」


根岸「えー、そういうものなの?」


佐原「そういうものなの! キミが主人公なの! 運命なの宿命なの!」


根岸「なんてこったい」


佐原「ヒロインの名前はオリーブじゃないぞ」


根岸「そうですか」


佐原「まあ根岸くんがショボーンとするのもわかる、大変そうだものな、死んじゃうかもしれないものな」


根岸「ええ、まあ」


佐原「だが大丈夫だ! 安心していいぞ、何しろ安心安全絶対大丈夫なロボットだからな!」


根岸「そうなんですか?」


佐原「うむ、なんかほら、巨大ロボット物ってさ、シリアスじゃん?」


根岸「じゃん?とか言われても」


佐原「戦争とか大人の都合とか軍とか裏切りとか人が死んだりとか」


根岸「まあ、戦争ですしね、実際」


佐原「ヒロインが死んだり主人公死んだり、病んだり精神崩壊したりこう、いろいろ大変!」


根岸「戦時中ですしね、世界的にも」


佐原「だけど大丈夫! うちのロボットは安心で安全で大丈夫!」


根岸「なんかあれですか、特殊な技術が使われてたりとか」


佐原「エアバッグついてる!」


根岸「ふつう!! いや普通なのか?」


佐原「あとほら、ギャグだから、死なない」


根岸「何ですかそれ」


佐原「ギャグ漫画の主要登場人物は殺しても死なないのだよ。キタキタおやじとか」


根岸「だからなんですかその理論」


佐原「あとはシリアスな話でも、ギャグパートじゃ死なない。冴羽のりょーちゃんとかがそうじゃな」


根岸「シティハンター……」


佐原「とまあ、そんなこんなで、コレそんな重たい話じゃないから大丈夫じゃよ、根岸くんは死なないようにできてる」


根岸「なんというメタ発言。死なないようにできてるとか言われた」


佐原「敵もほら、戦争で地球侵略には来てるけどさ、目的は観光だから」


根岸「観光なのに宇宙戦争しかけてきてるんですか!?」


佐原「あれじゃなー、文化の違いじゃなー。でかるちゃー」


根岸「なんとぉ……」


佐原「テンションの低いなんとぉー!じゃな、そんなんじゃエースパイロットになれんぞ」


根岸「……エースパイロットとか言うってことは、仲間がどこかに?」


佐原「犬と猿とキジを用意した。好きに使うがいい」


根岸「……ほんとにただの犬と猿とキジじゃないですか。キジはなんかぐったりしてるし」


佐原「カモノハシ三匹つれてきたほうがよかった?漫才してくれるらしいよ?」


根岸「動物は、別にいいです……。 じゃあ、肝心のロボットは?」


佐原「ああ、ワシがキーワードを言うと皇居の下から発信するようにできておる」


根岸「……なんで皇居」


佐原「なんかすごそうじゃろ? まあ、上に乗ってる建物とかはアレじゃけど」


根岸「なんかもっと被害なさそうな所を選びましょうよ……」


ぴぴぴぴっぴぴぴぴっ


佐原「むっ、ワシのパーマンバッジが鳴っている!」


根岸「めちゃくちゃだ。何がなにやら」


佐原「どうやら敵がやってきたようじゃな、それいけ根岸くん、悪い宇宙人をやっつけろー!」


根岸「え、あ、はい」


佐原「特にうらみとかも戦う理由もないけど、攻めてくるからやっつけろー!」


根岸「なんで僕が行かなきゃいけないのかがいまいちまだ釈然としてないけど……行ってきます」


佐原「ロボット、発進!と言うと皇居の下から出てくるぞ!」


根岸「博士!」


佐原「おう! どうした根岸くん! まだ靴も履かずに!」


根岸「皇居まではどうやって行けば!」


佐原「電車!」


根岸「近くに出せや!」


佐原「次から、うちの地下にしよう」


根岸「大家さんに怒られるでしょ!」


佐原「うむ」


根岸「……ところで博士、さっきから緊急ニュース速報が」


佐原「ん? 宇宙人襲来じゃろ、わかっておる」


根岸「いえ、出現したことで皇居を破壊した謎のロボットについてです」


佐原「あれ、ワシキーワード言った? ロボット発進!って」


根岸「ずいぶん最初の頃に」


佐原「……あのロボットはちょっと知らん振りをしよう」


根岸「極悪人だ!」


佐原「だってほら、今あれワシらのせいでーす、なんて出てったら袋叩きだよ、地球人に」


根岸「いきなり板ばさみですね」


佐原「とりあえず、次回までにまたロボット作っておくから、今回は生身で行ってきて」


根岸「生身!」


佐原「大丈夫、素手でロボット破壊する人とかもどっかの世界にゃいるらしいから」


根岸「んな無茶な」


佐原「じゃあはい、コレ、コレで敵と戦って」


根岸「なんですかこのスイッチ」


佐原「敵の自爆スイッチ」


根岸「なんでそんなモノを博士が持ってるんですか!」


佐原「天才だから!」


根岸「いや、っていうかこれで戦えって、できるのは交渉だけのような気が……」


佐原「はやくいけ! 皇居がピンチじゃ!」


根岸「それはあんたのせいだ」





閉幕

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ