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仕事探し

 「お金を稼ぎたい?」

俺の今一番の問題はお金がないってことだから、仕事がないとまずいってことを伝える。


 「ああ、実は俺金がないから宿代払えないんだ、だから仕事があれば働かせて欲しいんだ」


 「う~ん、仕事ねぇ~。私は冒険者だから仕事って言われても困っちゃうわね。でも、生活費ぐらい面倒を見るって言ったんだから私が用意するわよ」

うれしい提案だけど、それはさすがにダメだ。ここまで情けない姿しか見せてないからね、こっから先は男としての名誉挽回をしないと。


 「養われるのはさすがに情けないからな、一人で生きれるぐらいは自分で稼ぎたいんだ、もちろん最初から自立して生活できるなんて思ってないから、色々と支えてほしいなぁとはおもっているけどさ」

 

 「生活費ぐらい気にしなくていいのに」


 「気にするんだよ男心も繊細なんだ」


 「どうみても女の子にしか見えないわ」

そう言われてふと部屋の横にかけられた小さな鏡を見る。

当然写っているのは少女だ。思わずため息がでる。


 「気にするんだよ、乙女心も繊細なんだ」


 「修正入ったわね」


 「(´・ω・`)」


 「そんな顔しないでよ、鏡見てそんなに哀愁漂わせるなんてギルマスじゃないんだから」


 「ギルマスってギルドマスターってやつだよな? なんで鏡見て哀愁が出るんだ?」


 「男で壮年って言えばもう察してもらえるとは思うけど」

そう言って自分の髪を指でつついている。

マジか、ギルドマスターってかっこいいイメージなんだが、髪で悩んでいるのか。


 「ギルマスが剥げてても別に構わないけど、仕事だよ仕事。金稼がないと生きていけないんだってば。そういや冒険者ならいけるんじゃないか?厳しい面接とかなさそうだし簡単になれると思うんだけど」

冒険者には憧れに近い感情を抱いているから提案してみるけど…


 「あのね冒険者はとても危険な職業なの。クリューみたいな女の子じゃゴブリンにひどいことされちゃうんだよ。だからなんとなくで目指していい職業じゃないの」

若干怒気を含む口調でバッサリと俺の提案は切り捨てられた。

確かに普通の少女ならやらない方がいいだろう、それは俺も同感だ。

だけど生身は成人している大人なんだから、当然危険だとわかっている。

それに試されてもいないのにバッサリと否定されたらさすがに思うところはあるからな。


 「冒険者ってモンスターを倒したり、素材になる植物や鉱石を集めて換金したりして生きていく職業なんだろう?俺はそれぐらいで怯えるような子供じゃねぇぞ」


 「どこからどう見ても子供にしか見えないけど………でも大体は冒険者の仕事については正解ね。魔物の素材とかの収集ももちろんだけど、簡単な護衛やお使いみたいなのもあるわね」

 子供にしか見えない、か。

そうだよな、こんな体で冒険者になろうとしたら、そりゃ止めるよな。俺でも止める。


 ん??? 待てよ。

そういえばこの体…なんだよな。

なら俺の体を奪ってくれやがったあいつと同じように、すんごい魔法使えるんじゃねえか? 少なくとも体を入れ替える&地球から俺を召喚?っぽいことをできるだけの魔法使いだったからな。

もし俺も魔法が使えるようなら、これを武器にして冒険者になることも可能なのではないだろうか?


 「なぁ、俺が魔法を使えるなら話は別だろ?」


 「クリューちゃんは魔法使えるの?」

(いぶか)しげにフレアが聞いてくる。


 「多分使えると思うんだけど、なんか試す方法はないのか?」

そう聞くと、例の翻訳ネックレスを取り出したバックから水晶を取り出した。


 「これに触れてもらっていいかしら?」

そう言われたので触ってみる。

 

 「……………………なにも起きないんだけど」


 「………おっかしいわね、壊れちゃったのかしら? この水晶は触れた人の魔力で光る量が変わるのだけど、光らないなんてありえないから、壊れちゃったのかもしれないわね。一応私も触って壊れてないか確認するわね」

そういってフレアが触ると普通に光った。


 「…どうやら壊れてないっぽいけど、なんでクリューちゃんのときは光らなかったのかしら?」

フレアにそう聞かれても当然理由なんてわからない。


 「魔法のことはひとまず置いておいて、もうすっかり夜になっちゃたし今日はもう寝ましょう」

夕飯を腹いっぱい食べたからか、確かにもう眠気が結構来ている。

今日は歩き回ったし、色々と驚くこともあったからか疲労も限界だ。


 「そうだね。そいじゃ俺は床で寝るか」

この部屋はベットが一つしかないため、当然のようにベットから離れる。


 「なんで床で寝ようとするの? 一緒にベットで寝ればいいじゃない♪」

そう言うとフレアは離れようとした俺の体を捕まえてベットにまた割れ物を扱うように優しく置いた。

 

 「狭いだろうからやっぱり俺は床で寝るよ」

このベットは冒険者のために結構大きく作られてるためか、2人で寝ても問題ないサイズだけど一緒に寝るなら身を寄せ合わないといけないだろう。フレアと同じベットで身を寄せ合う状況を想像する。うん精神衛生的に非常によろしくないね。

まず間違いなく間違いが起こる。

そう思ったから床に逃げようとしたんだが再度フレアに止められた。


 「ダメよ、床で寝たら疲れちゃうでしょ、明日は色々なことをしないといけないんだから」

正直に言うなら本気で疲れてるからありがたいんだよなぁ。

間違いを起こさなければいいだけだし。ここは素直に甘えさせてもらうか。


 「わかった、ありがとな色々と面倒を見てもらってさ」


 「いいのよ、でももし私が困ったらそのときに助けてくれればそれでいいわ」


 「わかった。あと最後に()()()付けで呼ぶのはやめてほしいんだが」


 「ん~? だ~め♪」


 「(´・ω・`)」

悲しいなぁ 

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