さらば俺の体
「起きろ」
スヤスヤ
「だから、起きなさいってば!」
もう少しだけ眠らせ、、、スヤスヤ
「いい加減起きなさいって言ってるでしょう!!!」
「んぁ?」
急に大きな声を出されたから慌てて飛び起きる
そこには、金髪ツインテールで目が金色の瞳の16歳ぐらいの美少女がいた。
着ている服装は黒を基調にしたドレスみたいな衣装だ、胸は・・・まな板だな。魚とか3枚におろせそうな感じだ、っと悪寒がするからこれ以上はやめておこう。
「何が起こってるのか多分理解できてないでしょうけど、詳しく説明する気はないの」
…………?
明日も仕事が早いから家で眠った記憶はあるんだが、ここはどこだ?
周りは木々が生い茂っている森みたい、後ろを向くと神聖なオーラが漂う湖がある。
―――綺麗な景色だ…
って見とれている場合じゃないな。
「ええっと、君はいったい、そんでもってここは一体どこなんだ?」
「はぁ~、詳しく説明する気はないと言ったでしょう、まぁいいわ少しだけ説明してあげる。ここはあなたの世界で言う異世界ってやつよ、それで私があなたを召喚した、それでその体を私が貰ってあげる、理解できたかしら?」
今のを理解しろって、、、異世界?召喚? 寝起きドッキリにしては少しばかり質が悪いと思うけどなぁ。
「寝起きドッキリでここまでするか普通、ここ森だろ? 近所に森なんてないからさ、相当入念に準備したんだろうけど心臓に悪いから勘弁してくれって」
寝ている最中にこんな森まで運ぶとか最近のTVはすさまじいな。
おそらく看板を持った人がどこかに隠れて待機しているのだろう、少し周りを探したがそれっぽい人はいなかったけどさ。
「ドッキリって、はぁ、まあいいわ、誤解してくれた方がありがたいし」
そういうと少女は魔法? らしきものを唱え始めた
「うお、金髪美少女にドレス、おまけに魔法少女とかドッキリする相手次第じゃ大興奮ものだろうに、なんで俺なんだかなぁ」
めちゃくちゃかわいい女の子に寝起きドッキリされるとか役得なんだけどさ、いかんせん寝起きでかなり眠いから全然うれしくないんだよな。
…………これ本当にドッキリだよな、何か光り始めているんだけど、これも演出だよな。なに驚いてるんだ俺は、魔法なんてあるわけないのにさ、はは。
どうせ寝ぼけてるだけだろ。
…………いやいやまさかねぇ、魔法なんてあるはずないし、でも嫌な予感がビンビンなんだけど。
「なぁ、おい、これいたずらなんだろ、看板持った人出てくるんだろ? その光る演出怖いって、もう止めてくれよ」
それでも少女は笑ったまま詠唱を止める気配はない。
「この体だと自由に生きれないの、だからごめんね♪」
これ以上ないくらいの笑顔でそう言うと、俺は意識を失った。