第183話:自国の代表を集めての会議まであと0日……0日⁉
【自国の代表を集めての会議まであと0日】
つまりは今日が当日、本番、that dayということ……らしい。どころか
「それでは定刻の10時となりましたため『ソウジ・ヴァイスシュタイン陛下による
自国民参加型の公開討論会』を始めさせていただきます。また今回の議題としましては『この国、ヴァイスシュタイン王国に娼館及び男娼・それに類する成人向け店舗の運営を正式に認めるとともにそれらを国側が主導となって行っていきたい』というソウジ陛下が考案されましたものとなっておりますため本日は彼と皆様との間での質疑応答をメインに進めていきたいと思います。ということで司会進行は私、ミナ・ヴァイスシュタインが務めさせていただきますため…何卒よろしくお願いいたします。では早速ですが改めて本日の議題に関しまして説明させて頂きますと―――」
そう先日建国宣言を行う時にも使用した王族席からマイクを通していかにも王族らしい挨拶をしてみせたミナ・ヴァイスシュタイン様とは違い
いきなりティアに首根っこを掴まれて訓練場に連れてこられたか思えばそこのど真ん中にポツンと1つだけ設置されていた講演台の前に1人立たされるは、観客席へと目を向ければ自国民+マリノ王国の城で働いているメイド全員がいるは
今度はこの施設に設置してある各モニターへと目を向ければ誰が用意したんだか知らないけど、国内の至る所でこの場の生放送を流しているモニターを真剣な眼差しで見ている人達のそれが流れていたりと完全に意味不明な状況である。
ちなみに王族席には
自国の代表ことミナ・リア・セリア・マイカ・ティア・アベル・セレスさんといった城内メンバーに加え
ヴァイスシュタイン王国のギルドからセリーヌギルド長とクロエの二人や
それぞれ我が国の四天王が一人、フローレンス医院の医院長こと婆ちゃんと二代目組長のレオンが。
身内用のVIP席には明らかに二日酔いであろうブノワの親父とレオンの親父。そしてその二人を無理やり連れてきたであろうお母さんと母さん+うちの残りの城内メンバーが全員。
その隣にある貴族用VIP席にはいかにもわくわくが抑えられないといった感じで目を輝かせているアラン・スロベリアとそれを窘めている執事さんとメイドさんが一人ずつ。
そして最後に観客席はというと先ほども言った通り自国民とマリノ王国の城で働いているメイドが全員。つまりは俺の姉ちゃん達がいるのだが……
未だに自分の置かれている立場が分かっていない俺が言うのもなんだけど、最前列で俺の名前が書かれたうちわだったりメッセージが書かれた応援ボードだったりを掲げながら声援を送ってくるのだけは絶対に違うと思うぞ。
なんて一人考え事をしていたのと同時に実はどこぞの吸血姫が魔法で俺の頭の中にある最後の記憶こと、一昨日の夜ミナ達と寝た後の情報を送り込んできたため簡単にまとめると
①お前がみんなに黙って一人で勝手に無理するから丸一日寝てた。
→いや、じゃあ誰か起こせよ。次の日に大事な会議があることは分かってただろ! 起こせよ、マジで‼
②お前があらかじめ作っておいた資料(完成済み)は昨日、ミナが自国の代表を集め全員で確認。特に問題はなかったものの、上の人間だけで勝手に結論を出してしまうと後々面倒くさそうだし自国民を対象にした公開討論会・質疑応答の場を設けてはどうかという話になった。
→じゃあ、尚更起こせよ‼ 普通に今日が前日だと思い込んでたせいで、『あとは最終確認と明日の練習をするだけだし、久しぶりにゆっくり食後のコーヒーでも飲んでから動こう』とか考えながらのんびりしてたら突然お前に首根っこ掴まれて…今に至るんですけど⁉
③ということで講演台の上にお主のパソコンと資料を用意しておいてやったから、あとは頑張るのじゃぞ☆
→ふ・ざ・け・ん・な‼
三つ目に関しては直接念話で送られてきたためこちらも念話でそう返したものの、ティアにしか聞こえていない以上他の人達からしてみればそんなこと知ったことじゃないということで
司会進行ことミナ・ヴァイスシュタイン様による説明が一通り終わったらしく、『お待たせいたしましたソウジ様』と言わんばかりの声色で
「以上で私からの説明は終了とさせていただきます。ということでここから先は事前にご案内させていただいておりました通り、質疑応答の方へと移りたいと思います」