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第161話:とにかく頑張る宗司

【自国の代表を集めての会議まであと4日】


昨日のうちに実母からはL○NEで、お母さんと母さんからはミナとリア経由で母の日のプレゼントのお礼を言われた。あとなんか後者に関しては後日改めてお礼をだか何だか言っていた気がするけど眠くてあんまり覚えていないのは内緒である。


ということで今日も朝からユリーのところに行きメイクで寝不足の顔を誤魔化してもらった後


「本当は昨日のうちにミヤコ様にお渡ししようと思っていたのですが、ロゼさんが『今日は無理そう』と仰っていましたので。一日遅れですがこれをどうぞ」


そう言いながらユリーが小さめの紙袋を渡してきたのに続き


「私はお姉ちゃんと一緒に買った」


「もちろんミヤコちゃんに向けて選んだやつだからね♪」


なんでお前らまで都のことについて知ってんだよ。


そんな疑問を頭の中で抱きながら俺は他の人達が近付いてくる気配が無いことを確認したのち、その都になってから二つの紙袋を受け取り


「三人ともありがとう。早速開けてみてもいい?」


「ええ、どうぞ」


「ミヤコ、早く開ける」


「こんなに凄い魔法を仕事をサボるためだけに使うとか、魔法の無駄遣いにも程があるでしょ」


まあ姿はもちろん立ち振る舞いや言葉遣いも全て魔法で変えてるどころか、この状態でウチの騎士団員と本気で摸擬戦をしても一切を崩さずにやり通せる自信がある。というかそれだけ強力にしていたりする。


なんてことを考えながら一つずつ丁寧に開けてみると、ユリーからのプレゼントは水色の小さい石を細い金色の金属でぐるっと一周覆っているシンプルなネックレスが、リゼとロゼからのプレゼントは薄ピンク色で上品さを感じるデザインの長財布が入っていた。


そのため少々手こずりながらも自分の首にネックレスを着けた後、お嬢様っぽく財布を持ち


「どう、似合う?」


「……想像以上にお似合いになってはおりますけど」


「女の子感が一気に増した。これはミナ達にバレたら怒られるかもしれない」


「それよりも私としては一人で外を歩かせることの方が心配でしょうがないんだけど」


ヤバい、このままだと今後面倒なことになりかねないと俺の感が言っている。よし、最後の目的を果たして帰ろ。


そう考えた俺は三人にバレないよう細心の注意を払いながらポーカーフェイス魔法を使い


「それじゃあそろそろ私は帰るけど、その前に。……ちょっと強引にお願いしたにも関わらずこんなに素敵なプレゼントをくれてありがとう。こんな私じゃ頼りないかもしれないけど、これからもよろしくね」


「やはりこれはもうミナさん達に報告しておいた方がいいのではないでしょうか?」


「女の子感が増したどうこうじゃなくこれはもう完全に女の子」


「というかここまで自然に私達のお姉ちゃん感を出されると実はソウジちゃんと都ちゃんは別人なんじゃないかって思えてきたんだけど。……もしかして本当に別人?」


駄目だこれ。多分都の姿だと一生話が進まねえぞ。


ということで元の姿に戻し


「お前ら三人は昨日から白崎宗司とミヤコ・ヴァイスシュタインの妹であり、白崎宗司とミヤコ・ヴァイスシュタインの娘。オッケー?」


「「「ええーーー」」」


「『ええーーー』じゃねえ! そもそも俺が昨日のうちにコッソリお前らの戸籍を弄っておいた時点で拒否権なんかねんだよ! 分かったか‼」


「あれ、なんか今玄関の方から陛下の声がしたような。今やろうとしてることがことだけに無理してないか心配なんだよね」


やばいっ、リサがこっちに向かってきてる。


「(妹達よ早速仕事だ。なんとかして俺がここにきたことを誤魔化せ。ということで兄は帰る、それじゃまた明日)」


そう言い俺は城に逃げ帰ったが、特に連絡がくることもなかったので多分上手いことやってくれたのだろう。






………あー、やっぱり明日の発表で使うレジメとパワポのデータ提出が今日の16時から17時までの間ってことだけあってみんな研究室にいるな。となると実家から行くか。


そう結論を出した俺は仕事部屋からリビングへと行き、食後のお茶を飲んでるみんなに向かって学校に行ってくることを伝えるといつも通り見送りの言葉を掛けてくれたり、四人順番にいってらっしゃいのキスをしてきたりと続きそれらがすべて終わると同時に実家の自分の部屋へと転移した。


「さて、ここから学校に向かうのに一番安全な方法はこのまま普通に家を出るだけど……一階のリビングに母さんがいるんだよなぁ。………まあ堂々と行けばいっか」


ということで堂々と家の階段を降り、そのままリビングへと向かうと


「あら、いつの間に帰ってきてたの?」


「さっき。まあ荷物を取りにきただけだからもう行くけど」


「なるほどね。あっ、昨日はケーキありがとう。美味しかった」


「そりゃー、銀座に売ってた高かいやつなんだから当たり前だろ。まあこんな珍しいことあと数年はないかもね」


「じゃあその数年後に期待してます」


そんないつも通りの会話をした後俺が玄関へと向かうとこの間と同じように後ろをついてきたので家を出る前に


「んじゃね~」


「はい、気を付けてね」






【自国の代表を集めての会議まであと2日】


「なるほどねぇ。……特別文句があるわけじゃないんだけど、ちょっといくつか質問させてもらってもいいかい?」


国が娼館を運営しようとするうえで絶対に必要になってくるのが病院の協力である。そのため一昨日は中間発表の準備、昨日は自分の発表が終わったと同時に教室を抜け出したどころか授業もサボって病院に向けての資料作りを開始。


そしてそれを読み直しては修正してを繰り返していたら朝になっていたどころか実はさっき完成したばっかりなのは内緒である、を一通り読み終わったらしい婆ちゃんがそう言ってきたので一度だけ頷くと


「まず、ここに書いてある娼館で働いてる子達が病気や怪我をした際にウチで治療を受けた場合の治療費等は全て国が持つってところなんだけど、そんなことして本当に大丈夫なのかい?」


「それに関しては二代目と相談して従業員の給料から毎月一定金額を差し引かせてもらって何か問題があった際にはそこから出すっていう決まりにしてあるから問題ない。それともし従業員が途中で仕事を辞めた時には使わなかった分だけにはなるが全額返金する予定だ」


「じゃあ次に、娼館関係での受診料・治療費等ははこっちで決めてしまっていいのかい?」


「それに関してはあとでセレスさんとかと相談しなきゃいけないからハッキリとしたことは言えないけど、こっちが提示した金額以下ならいくらに設定しても問題ないぞ」






「おい、婆ちゃんの病院と契約を結んできたぞ。感謝しろ二代目」


「別に感謝するのはいいけど、よくそんな酷い顔して病院に行けたな。つかこんなヤバそうな奴を医者が放っておいていいのか?」


「ああ? なんで今は化粧で誤魔かしてんのにそんなこと分か……そういえば病院を出た後眠すぎて一回顔を洗った。……ってことは朝ユリーにしてもらったメイクが全部落ちたってことか」


あー、これはもう寝た方がいいかもしれないな。……んー、でもこのまま帰って誰かに見つかったら多分今日一日は外出禁止にされかねない+学校をサボってることがバレるし。


なんてことを考えているとこの部屋の扉を誰かがノックしたらしく、それに反応した二代目が


「どうぞ」


「失礼します。あの、先ほど陛下がこちらにお見えになったとお聞きしまして……えーと、今お時間よろしいでしょうか?」


「んっ、全然大丈夫だけど……確か君は違う仕事がしてみたいって言ってた子だよね? なにかやりたいことでも見つかった?」


「その、私お料理が好きなのでできれば飲食店で働いてみたいなって思ってここ数日色んなお店に行ってはみたんですけど、どこのお店なら人を募集してるのかとか、どこがいいのかとかがイマイチ分からなくて」


「あー、それは完全に俺のミスだわ。ちなみに他の五人はどんな仕事をしたいとかはある程度決まってるのか?」


「あっ、はい。ですがやっぱりみんな私と同じようなことを言っていて……」


「じゃあちょっとみんなのことを呼んできてもらっていい? 丁度昨日上がってきた報告書によればどこもまだ人手不足みたいだったから順番に一緒に回って、自分が一番働きたいと思える場所を探そう?」


どうせ今日は仕事をしないで寝ようと思っていたのでそう提案すると本当に嬉しそうな顔をしながらお礼を言い、一旦部屋を出て行った。


そのため俺は急いでユリーに電話を掛けて事情を説明したのち、警備室の転移システムを使って二代目の部屋に直接きてもらい


「はい、できましたわよ」


「おー、サンキュー。あとで女子寮の食堂ににケーキでも送るから仕事中に呼び出したことはそれでチャラにしてくれ」


「もともと私はソウジ様専属騎士ですのでそれについては問題ないのですが、どうしてもチャラにしてほしいというのであれば今日はちゃんと寝てくださいな」


「ん」


ユリーに言われなくとも最初から寝るつもりだったのでそう返事をすると


「では今から奥様方全員に今日はソウジ様が一緒に寝たいと言っていたとお伝えしておきますわね」


「はいはいご自由にどうぞ」

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