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第12話:新役職発表 (上)

それから俺達はセレスさんに事情を聞いたところ……


・王族関係者は気に入った市民を奴隷扱いしたり、無理やり女を犯し続け

・秘書官や司法、宰相などは王と自分達に都合の良いように国を動かし

・騎士団の団長や副団長等の上位層は全員王族側に従うことで自分達も美味しい想いを


ということらしい。正直まともな奴が何人かは残ると思っていたのだが、どこの世界もやっぱり金と権力には勝てないらしい。


「大体分かりました。それで今この城には誰が残ってるんですか?」


「残ったのは右からメイド長が1人。それから騎士団の方達が60人。警備兵の方達が20人………」


俺はセレスさんの言葉に合わせて左から右に視線をズラしていくと、一番端っこに薄汚い服を着ている集団がおり


「そして最後に旦那様の指示を受けた者が無理やり連れて来られた方々が7人です」


「すいませんセレスさん。ちょっと待っててください」


そう言ったと同時に俺は返事も聞かずに日本へと転移し、7人分の服を買って戻って来たのでいきなり転移魔法を使ったことに関する騒ぎが起こっているのではないかと思ったのだが、俺の予想に反し実際は各々が雑談をしている程度で意外と静かだった。


「あっ、おかえりなさいソウジさん。多分あの子達の服を買いに行ったのだと思いまして他の人達には私から、『ソウジさんは今、転移魔法を使ってちょっと変わったお洋服が売っているお店に行きました』と説明しておきましたので安心してください」


「ああ、ちょっと服を買いに行ってた。ってことでこの袋はあの黒髪の子に、これは白髪ロリの子に………」


と順番に袋を渡すとお姫様が両手をいっぱいにしながら


「えっ? あの…ソウジさんが買ってきたのですから、そのままご自分でお渡しすればよろしいのでは?」


「俺が渡そうとすれば脅えさせる可能性があるだろ。それとどっかの部屋で全員を着替えさせてきてくれ。流石に風呂は後だ」


「ソウジさんなら大丈夫だと思いますが……そういうことなら」


そう言った後お姫様はそれぞれに袋を渡し、そのまま一緒に別の部屋へと移動していった。……さて、その間にもう少し話を聞かせてもらおうか。


「あの、メイド長さん。ちょっとお話を聞かせてもらってもいいですか?」


「はい、大丈夫ですよ。それから私の名前はエメです。以後お見知りおきを」


「ちょっと失礼になるかもしれないんですけど、なんでメイド長がいるのに他のメイドは1人もいないんですか?」


「ああ、そのことですか。それが、前のご主人様があまりにも酷かったもので…皆さん辞めていってしまいまして」


逆にこの国には何が残ってるの? まあ、城内に人が多いのも嫌だから丁度良いっちゃ良いけど。


とか考えているうちにお姫様達が戻ってきたようで、白髪ロリの子は俺の前まで走ってきたかと思えば


「なあソウジよ。わらわの服はお主の趣味かの?」


「なんでそう思った?」


「他の者達の服はみな大人しめじゃというのに、わらわのだけは…このようにフリフリなどが付いておるしのう」


「………………」


そう、実はこいつの服は襟の部分が白で、他は黒のゴスロリワンピースなのに対し、他の6人は普通のワンピースとか、シャツとロングスカートの組み合わせだったり、セーターとかなのだ。つまり完全に俺の趣味である。


だってリアルに白髪ロリで、しかもスーパーロングヘアの子がいたら着せてみたくなるじゃん? でものじゃロリだったのは予想外だったな。和服にすれば良かったかも。


「………似合ってるぞ!」


「つまりお主の趣味ということか。まあ可愛いから良いがの」


どうやら本人も気に入ってくれたようなのでこの話は一旦終わりにし


「え~、今から重要なお話をしま~す。さっきも言ったように私はこの国を乗っ取ります」


「いや坊主、もう乗っ取ってるじゃん」


「あっそか。んじゃ、これからは俺がこの国の王様なんで認めないっていう人や、お前の下では働きたくないっていう人は出て行ってください。勿論退職金もいくらかお渡ししますんでご安心を」


ふむ。相談してる奴は何人かいるが今のところは誰も出ていかないな。とか思っているとお姫様が


「そのご様子ですと皆さん、今の段階ではソウジさんの下で働くということでよろしいでしょうか。……それでしたら今から私達の方で面接を行わさせていただきます。最後になりますが、私が嘘を見抜く能力を持っているということをお忘れなく」


「「「「………………」」」」


最後のお姫様の顔とオーラ怖っ‼ さっきまで相談し合ってた奴らまでビビッて黙っちゃったじゃん。これが本当の王族か。


「ソウジさん。今からこの方達の面接を行いますが、ご一緒いたしますか?」


「いや、他にやりたいことがあるから任せても良いか?」


「はい、勿論大丈夫ですが…本当に良いのですか?」


「ああ、お姫様とリアーヌさんのことは信じてるからな。もし2人に何か別の狙いがあって俺と一緒に行動を共にしていたとして、その事実に俺が気付いた時は…またそん時考えるわ」


「あらあらお嬢様だけでなく、私もですか? 照れちゃいますねぇ」


「おい坊主、俺は? 俺のことは?」


「さあな。んじゃあとはよろしく。3時間後ぐらいに戻ってくるから」






それから俺は1人で城内を探索したり、牢獄にぶち込んだ奴らの家にあった金目のものを全て集め、日本で買い取って貰えそうなものは日本で。異世界限定らしき物はこっちの世界で現金に替えたりし、最後に建築関係の仕事をしてからパーティー会場に戻ると


「あっ、ソウジ様お帰りなさい」


「ん? あっ、ああ」


お姫様の奴、なんで「ソウジさん」から「ソウジ様」に呼び方を変えたんだ? まあ別に何でも良いけど。


「ソウジ様、丁度全員の面接が終わりましたので採用した方々の紹介をしてもいいでしょうか?」


「ああ、頼むお姫様」


「も~う、そろそろ私のことはミナって呼んでください!」


「別に良いけど。……早く紹介してくれ、ミナ」


「はい! それではまず執事ですが、こちらは引き続きセレスさんにお願いしました。主な仕事は執事というよりソウジ様の部下の管理やサポートですね」


「先程お嬢様からご紹介されました、執事のセレスです。これからよろしくお願い致します」


さっきも思ったがセレスさんって白髪と白い髭を生やしてて、イメージ通りの執事って感じだな。あと今ミナのことをお嬢様とか言わなかったか? ねえ?


「次にメイド教育係ですが、これは今までメイド長をしていたエメさんにお願いしました。主な仕事は役職の通り新人メイドの教育と補助です」


「ん? エメさんが教育係になったら誰がメイド長をやるんだ? ここには他のメイドなんていないぞ」


「それならご安心ください、ご主人様。この城内でのメイド長は私、リアーヌが務めさせて頂きますので」


「はあ⁉ リアーヌさんがメイド長? というか誰が誰のご主人様だって?」


「はい、これからは私がここのメイド長です。それと今日からはソウジ様が私のご主人様ですので名前を呼ぶ時に『さん』は不要ですよ」


「ちょっと意味が分からないだけど。つか、ミナのメイドはどうするんだよ」


「勿論お嬢様のメイドも引き続きやらせて頂きます。これからはミナ様とソウジ様、お二人が私のお嬢様とご主人様です」


「………………」


いやいやいや、メイドの仕事内容なんてろくに知らないけどそんな簡単なもんじゃないだろ。


「大丈夫ですよソウジ様。リアーヌだけでは流石に大変ですのでもう1人ソウジ様専属のメイドを選んであります」


「うむ! わらわが副メイド長にして、お主専属のメイドをやることになったティアじゃ。よろしく頼むぞ」


「………おいミナ。なんでこの白髪ロリが副メイド長なんだ? ど~う見ても10歳くらいにしか見えないんだが」


「それがですね、ティアさんは吸血鬼らしく実年齢は大体420歳ぐらいだそうです。あっ、吸血鬼は基本的に皆さん不老なので人間での年齢とかはありませんよ」


「マジ?」


「マジじゃ♪」


ティアは俺の反応を楽しんでるような顔でそう言ってきた。………というか、この見た目で420歳ってことは


「リアルロリババァじゃん‼ よし、採用!」


「誰がババァじゃ! わらわはまだピチピチの420歳じゃぞ! それにわらわはもう成長が止まっておるから今後も見た目はこのままじゃ!」


いやそう言われても……見た目だけじゃなく、JSっぽい声でその喋り方はもう完全にロリババァじゃん。

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