ほんのり
「好きです!付き合って下さい!」
夕日が眩しい人気の無い校舎の屋上
2人の男女が向いあい、青春の1ページを飾る。
「ごめん、・・・私付き合ってる人いるから」
だが、その思いが届く事無く
「じゃあね・・・」
少年は一人取り残された。
・・・
「これで10連敗かー(笑)」
そんな少年【菅 晴一】を屋上の陰から覗く私
【南 沙知】は含み笑いを堪えて、項垂れる晴一の方へ足を進める。
「やほー晴一」
「沙知・・・」
「また振られたねー」
「うるさい」
晴一と私は幼い頃からの付き合いだ。
同じマンションの上と下
赤ん坊のころからお互いを知っていて
兄弟みたいに育った。
そして、晴一は私の初恋でもある。
晴一は私の事は妹みたいにしか思って無いけど・・・ね。
「元気だせー!取り敢えず帰るよ?」
「空元気も出ね〜」
「ほらほら行くよ〜」
項垂れる晴一の背中を押して屋上から離れる。
ごめんね晴一・・・
晴一の告白はこの先ずっと成功しないよ。
だって私が根回ししてるもん。
ゆーかもまなかも今日のみーちゃんもみーんな私の友だち(笑)
誰一人告白は成功しないよ?
だからね・・・。
「ねー晴一?」
「ん?」
「もうさ?私と・・・」
付き合ってみない?
私以外いないしさ(笑)
ヤンデレ未満が美味しいです。