出会い
著者は高校生です。一応誤字脱字には気をつけておりますが、もしあった場合はご指摘をお願いします。ゆっくりまったり読んでもらえれば幸いです。
お日様が明るく照らしてくれていると思っていたのはいつ頃だっただろうか、今では薄暗く気味の悪い雲空がその光を遮っている。その陽光は自らの行き場を失い、もがき苦しんでいる。ある夕暮れの刹那、僕が夕飯の買い出しに行くと、ある少女に出会った。彼女の煌びやかな笑顔は、太陽のようで、美しい人だと思った。その笑顔に引き込まれるように、その彼女自体に引き込まれるように、僕は彼女に声をかけていた。
「どこに住んでいるんですか」
彼女はこう答えた。
「あなたの知らないところです。空をずーっとずーっと行った先にあるところに、家があるんですよ。
なんて、嘘です。この坂を上った先に住んでいるんですよ。」
僕は、彼女の返事に何か懐かしさを覚えた。その懐かしさはただの懐かしさではなく、この少女のことを知っていると、確信さえも持てるものだった。
そこで、思い切ってみようと思った。ここで聞かなければ言うチャンスを逃してしまうと思った。
「どこかで会いましたか?」
彼女は動揺しているようだった。
初対面の男に異様な質問をされているのだ、仕方がない。
しかし、彼女の表情はなぜか安堵の表情を浮かべていた。目に涙を浮かべ、言った。
「光っ私を知ってるの?」
僕は動揺を隠せなかった。
何故名前を知っているんだ?
なぜ泣きそうなんだ?
自分の付き合ってきた友達にこんな子はいなかったはずだ。だが、何か拭いきれない懐かしさを覚える。
「ごめんよく覚えてなくて、、名前を教えてくれない?」
すると彼女は少し悲しそうな顔をして、こう答えた。
「やっぱり覚えてないよね。ううん、なんでもないの気にしないで、、、あっ私の名前は陽っ 君野陽。太陽の陽でひかりって読むのっ!よろしくね!!」
なぜだろうか、彼女の笑顔は見慣れているもののような気がしたのだ。しかしここで深く食い下がってもしょうがないと思い、その日はアドレスを交換して帰路に着いた。
家に帰り、いつものように1人でご飯を食べ、いつものように1人で風呂に入り、いつものように1人で寝床についた。
いつもに染められた生活。そんな生活が僕は好きだった。母が死に、非日常の苦痛に気づき、
また、日常のありがたみに気づいた。
そんなことを思っていると、新しい非日常が、僕の元へとやってきた。 メールの着信音だ。誰からだろう?
差出人の欄を見た。
from hikari
文「届いたかなー?よろしくねー!
届いてたら返信よろしく笑」
何気なく返信を打ってみる。
文「よろしく。」
書くことがない。まあしょうがないかと送信した。2分程度経つと、また携帯の着信音が鳴る。
文「業務連絡みたい笑、光は今どこに住んでるの?」
文「光ヶ丘」
文「光ヶ丘!!??私も光ヶ丘!すぐ会えるね!」
文「すぐ会えるって今日会ったばっかだろ」
文「そっか…そうだね、でもまた会いたいな、明日空いてる?」
突然の誘いに躊躇する。
しかし、彼女には聞きたいことがたくさんある、断る理由はなかった。
文「ごめん、返信遅れた。明日は空いてるよ、どこに行くんだ?」
文「私が楽しいところにつれてってあげる!!!」
こういうのは男がするんじゃ。まあまだ俺は陽が何なのかもいまいちわからないしいいのか。
翌日、てきとうな服を着て行き、待ち合わせにしていた公園へ行った。日本晴れだ。 公園に着くと
陽が僕を待っていた。
その姿に少し動揺し、またどこか懐かしく思った。
待ったか?と聞くとううん今着いたところと返された。「じゃあ行こうか!ついてきて♪」
そう元気に言われ、言われるままについていく。
「なあ君野はなんで今日誘ってくれたんだ?」
「ん?ああ、光とはねよく遊んでたんだけどねー覚えてないかなあ十歳ぐらいの時、一緒によく遊びに行ったの。」
なぜか小学生の時や中学生の時の記憶の一部分は消えていた。穴が開いたように、スッポリと。
「私ね、中学校の終わりの時に転校しちゃったんだよ。でもね、その時光が暖かく「大丈夫、また会えるよ」って、
「そうしたら、光にまた会えちゃった。なんでだろこんなに嬉しいのになんで?なんで光は記憶がないの?」
「ちょっと前にも会ったんだよ?その時も忘れてた。それも覚えてないの?」
「ごめん…」
少し申し訳ない気持ちになった
「そうか…ううん、今から仲良くなればいいよっよろしくねっ」
「ああ…よろしく」
そんなことを話しているうちに目的地についたみたいだ。
そこは子供の頃によく行った遊園地だった。
楽しかったのを覚えている。
「君野、ここは、、、?」
「光は覚えてないよね。一緒にここに来たのもここでどんなことがあったのかも」
もちろんそんな記憶はない。
「なにか、、あったのか?」
「ううん、気にしないで、さっ行くよっ」
「お、おう、、、」
彼女に連れられるまま遊園地の中に入っていった。
その遊園地は来たことがあるはずなのにまるで初めて入ったかのような気がした。
「頭おかしくなったか、、俺、、、」
「ん?どしたの?」
「なんでもない」
、、、変なの
陽に連れられるままに歩いて行くと、しばらくして、陽の足が止まった。そこはメリーゴーランドが大きな音を立てて動いていた。
陽「ここ、覚えてないかな?初めて光と来た所
。何回も来た場所。」
何故だかとても懐かしかった。
こんな風に隣で微笑む人がいた。
「なんか、、、う、いや、なんでもない」
「そう。じゃあ乗ろっか」
「ああ」
係員「ではそこの方~入ってください~!」
係員に言われるままに君野と俺はメリーゴーランドに乗った。
乗ったその時、メリーゴーランドが急速に回り出すように感じた。頭がまわっている。少しだが記憶が蘇ってくる。
回想
?「……ひ…る!!…ひか…る!光!!!」
聞きなれた声がする。