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Episode:17

「ケラウノス・レイジっ!」


 瞳を焼く光芒が天からふりそそぎ、いかずちが大地に炸裂する。


――思惑どおり。


 得意の多重魔法――発動ポイントも少しづつずらしてある――に、かなりの数の敵が巻き込まれた。向こうのの兵器も、電撃にさらされてつぎつぎショートする。

 これでだいぶ、相手の数が減ったはずだ。


 通話石――こっそり秘匿通話も聞こえるように改造してある――から、次々と情報が入る。

 船団が海岸方面へ向かうらしいこと。教室が危険なこと。


――そういえばナティエス、大丈夫だろうか?


 彼女、低学年担当のはずだ。何もないといいのだけど。


 さらに情報が入る。

 裏庭が多数の敵に襲われていること。そして被害が大きそうなこと。前庭から戦力を回して欲しいこと……。


「十四班から二十班……十三班も裏庭へ行って!」

 戦闘の合間を縫って、ここの指揮を取っているエレニア先輩が命令を出す。


「ロア、この子たち連れて、裏庭へお願い」

「あ、ちょっと待って。ルーフェイア、あなたも来なさい」


 いきなりロア先輩からお呼びがかかった。


「ちょ、ちょっと! 彼女大事な戦力なのよ」

「物理攻撃の四級を三人置いてくから、それで調整してよ。それにこの子の能力じゃ、ここは狭すぎるって」

「もう……!」


 結局あたしは、裏庭へ回ることになった。もっともロア先輩には日頃いろいろ面倒を見てもらってるし、あたしのことを良く知ってるから、このほうが気楽といえば気楽だ。

 けどそれ以前に、そもそもあたしは……。


「さあ、急ぐよ! 裏庭まで駆け足!!」

 ロア先輩の号令が飛び、あたしは他の生徒と一緒に慌てて駆け出した。



>Nattiess


「お姉ちゃん!」


 あたしのそばに、低学年の子が集まってくる。

 見ているのは五年生。九歳の子達なの。


 いちおう学院ってば傭兵学校だから、イザってときの対応は決まってるのよね。当然どの上級生がどのクラスを見るのかも、ちゃんと割り振られてたりして。

 ただあたしとしてはラッキーだったかな? ちっちゃい――今回はちょっとトウが立ってるけど――子達といるの、嫌いじゃないから。


「大丈夫。ただみんな、言うことはちゃんと聞いてよ?」

「うん」


 まぁこの期に及んで、言うこと聞かない子もいないだろうな。

 このクラスを見てる上級生は、あたしを含めて三人。十八人いるから、ひとり六人づづの割り振りってとこ。


「先輩、奥に行きます?」

「やめとこう。どうしてもになってからでもいいだろうし」

「ですね」


 そのとき悲鳴が上がったのよね。裏庭の方で。


「あたし、見てくる」

 同じクラスのアイミィが窓の方へ駆け寄ってみて。


「どぉ?」

「大変! 裏庭がもう襲われてるっ!」

「えっ――!」





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