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狼の水  作者: もぃもぃ
6/20

幕間





 遠き物語。は、記憶。旧き血。密やかにつづいたたっとき血筋。

 連綿と受け継がれた稀なる色、湖のほとりに安寧とたたずむ花。

 至尊の神に愛されし水の精霊、かの花は、その化身。



 神に求められし水は、神の怒りにふれた。ことわりがために。

 神の怒りの炎は水を焼き尽くしたかにみえた。されど、水の精は姿をかえた。

 花のたね。

 風よ、どうか、わたしを運んで。

 草木が枯れ、水は消え、空が嘆きに割れようとも。いつしか地に、安寧の雨がそそぐそのときまで。

 わたしは眠ろう。そして、今一度、よみがえろう。

 返り咲くのだ。花として、水として、ふたたび。




 やがて花は生まれ、いつしか滅びた。

 いにしえの花。

 いにしえの花の色をもつ民。

 口から口へ。それは連綿と語り継がれた物語。

 水をもたらす民。天のもとの、無辜むこの臣民。



 理を侵したいにしえの神は、その咎のため、地に堕ちた。

 その身に赤き呪いを受け、ゆくえは、ひとりとして知るものはない。



 されど、理を侵すもっとも悪しき蛮族、それは。

 無辜の臣民を踏みにじるもの。凌辱し、駆り尽すもの。




  “みつかっては、いけません”




 地に堕ちしいにしえの神は、狼。赤きひとみの狼。

 滅びたいにしえの花の名は、エンツィア。



 

 さて、不幸とは、いったいだれの身に降りかかることか。

 水か花か、かつての至尊()か。それとも――――――…… 




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