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Big Sky High  作者: kanoon
89/100

隣に居る君へ


同じ舞台の上。

君は輝いていて、私はふっと笑った。

目配せだけで伝わる暗号。

口角を上げれば、君も柔らかく笑う。

同じ歌を刻んで、違うリズムを刻んで。

なんども冬も氷河期も乗り越えた。

だからいけると確信していた。


そんな無条件で信頼出来る関係を捨てられなくて。

私も君もこの場所、この立ち位置が大事になってしまって。

一歩踏み出すのってこんなに大変だっただろうか。

君の隣にいるのが当たり前。

ただ、それ以上でもそれ以下でもない。

もどかしい距離感は時々、私たちを苦しめた。


心なしか重く感じたマイクを下ろす。

キーンと鳴るのには、いくら時が経っても慣れないものだ。

大きな箱を運んで、自分の気持ちを拡張するのには慣れたのに。

大きな月日は、大事なものを慣らして、大事なことを初々しくした。


季節はずれの雪を思う。

白い雪の中で子供のようにはしゃいだ。

そんな些細な、記憶の端っこにこびり付いた染み程度すら、

私にとっては宝箱にしまうほど。

君がどうかは知らないけれど、綺麗なユニゾンはこれ以上ない。

あんな心地よい音楽は他じゃ生まれないって。

私はずっと思っている。

君の小さな反抗期も、優しい言葉も、突き放した冗談も。

下らない癖も、被った返事も、君との軌跡だと思えば愛しい。



色褪せた音を奏でた、隣にいる君へ。


ずっと大切なシンメトリー。



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