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Deep Night
辛い、と聞こえた
痛い、と聞こえた
だから私は走ってきた
怖い、と聞こえた
寒い、と聞こえた
会いに来て、と聞こえた
だから私は探し回る
手掛かり一つない場所で
ただ懐かしい声だけを頼りに
貴方の姿を探し続ける
不憫な私、だけど気持ちは本当
いいの、貴方だから
私の時間も体力も
全て貴方にあげるって決めたから
年上なのに幼い人
だから見た目と違って繊細だってこと
私は知ってるわ
寂しがりなことも知ってる
今まで貴方が寂しくないようにそばにいたの
気づいていたでしょ?
哀しげな伏し目を見たくなくて
「そんな顔しないで」と
普段しない私からの大人なキスで
貴方の溜め息を塞いだ
そんな私だからこそ
貴方を見つけられると思うの
闇に飲まれたなら光を見つけて
手を伸ばしてくれれば必ず掴む
私も会いたいの、気づいてよ
もっと全身で私の名を叫んでよ
すぐに貴方の光になる