表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Big Sky High  作者: kanoon
24/100

刹那に散る


僕らは、数えきれない冬を送りました。

僕らは、馬鹿に思うほど傍にいました。

僕らは、勘違いをする程春を見ました。

僕らは、すれ違う度に笑い合いました。



それは、許されざる恋。


それは、叶わぬ恋。


それは、屈折した恋。



ほわりと浮かんだ蜃気楼のように、愛を誇張した世界でした。



僕は、それでも幸せでした。

僕は、切なさも抱えました。



嗚呼、

恋はあの瞬間に燃えて、やはり刹那に散りゆくのでしょうか。

心を埋めた君の温もりを手にせぬまま、刹那に散りゆくのでしょうか。



空が、泣いています。

僕が、泣いています。



つまらぬ理想論を洗い流すように、優しく降り注ぐのです。

そんなことをしても、君の匂いも、君の笑顔も、君の声も消えないけれど。


イルミネーションが酷く目に悪く、僕は思わず涙を浮かべました。

痛いくらいに、涙するくらいに目映いのだと言い聞かせて。

そしてこっそり、一筋だけ涙を落とすのです。

君が僕の誘いに乗って、この公園にやって来る頃には、

その痕は既に消えているように

静かに静かに、軽い涙を落とすのです。



それは、許されざる恋。



だから僕は、笑ったのです。

君のために。

だから僕は、笑ったのです。

君の幸せを望むから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ