表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Big Sky High  作者: kanoon
18/100

夢見桜


季節外れの夢見桜が、僕に儚い夢を届けてくれた。

それの訪れはいつも突然で。


今日も、僕の胸にツンと針が刺さった……気がした。




「夢見桜、か」


それが、夢で終わらない桜なら、甘い味でもするんだろう。

それはそれは虹玉みたいに甘く、コロンと鳴らして。

ああ貴方に会いたい、なんて無性に思うなんて。

その笑顔を見た瞬間に、ちくってさ?なんか只の乙女じゃん阿呆みたいな。

この夢幻想、夢物語をどうにかしてほしいくらいだ。自分では抜け出せないから。


「こんな冬近い季節に桜なんて咲くなよ」


雪じゃあるまいし、空をピンクに染めるだなんて。しかも散ってしまえば後は白く積もるだけなんて。


「なんであんなこと言うの?」


言葉が過去を呼び覚ます。思わせぶり、なんで僕の独りよがりだけどね。



いつもそうだ。

携帯も、過去も、桜の花びらも、全部あの川に捨てたいのに。またあの川の桜を付けて帰る。

今日もそうだ。

見上げた桜の木が他より大きくて、何故か単純に「これが夢見桜かあ」と納得。

それこそが夢だけど。夢なのだけれど。現実と思わされてしまう。




季節外れの桜が、普段通りの季節に咲きますように。


ふっと息を吹き掛け、知らず知らず持って帰ってきていた花びらを散らした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ