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Big Sky High  作者: kanoon
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ありがとうって。


真っ直ぐな目で君は言う。




無駄に過ごしてきたわけでも、愛のない間柄だったわけでもない。

ただひとつの「愛してる」って五文字を伝え損ねただけ。

でも君はその言葉は他から受けていた。嫉妬はしない。自分が言えない事実が苦しかったから。

そこで、「好き」の二文字だけでも口に出せていたら、少しはましだったかもしれない。

だのに、変なプライドが邪魔をして言えなかった。

愛を伝える言葉を最後に言ったのはいつだったろう。覚えていないくらい昔の話。

傍にいて、口に出せない分、目や行動で示した。勿論言葉も大事だけれど、言わずとも解ると思っていた。

君が言って欲しがっていたことも、甘えたかったことも、全部知っている。でも、いざ言おうとすれば声帯はこれっぽっちも震えてくれなかった。

大切だから「愛してる」をしまったんじゃない。愚かだから。



君はここ暫く泣いていたのだろう。ずっとずっと悩んできたのだろう。

「人生の半分を占めるこの期間は無駄じゃない。

やり直せたとしても、きっと同じ道を歩んで繰り返すと思う。

例え結果は変わらず苦しくても。」なんて言うくらいだから。

そしてあんな言葉を口にした。

止められないよ、そんな目で言われたら。


「愛してる。」「ずるい、今更。」

「言えなくてごめん。」「折角決心したのに揺らぐじゃん。」



真っ直ぐな声で君は言う。

ありがとうって。


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