表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Big Sky High  作者: kanoon
15/100

意思疎通


視線をぶつからせるだけで、いや、その存在が隣にあるだけで解る。

それが最高の関係だと思う。




ふっと笑って頷く。

声に出さなくても分かる関係。いつの間にかそんな関係になっていた。

長い間連れ添った…そんな感じ。

勿論人並みに喧嘩もした、決して必ず近くに居るわけでもない。寧ろ傍に居ないことの方が多いくらいだ。

僕らはそれぞれの親友のところにいる。でも、いざ一緒に居るときは何を言いたいか分かる。

「ね。」

ってそう言って顔を見合わせれば、同時に笑う。

つかず離れず、そんな距離が心地良くももどかしくも感じるのだけれど。



僕らも初めはこんなんじゃなくて、普通の友達だった。

特別仲が良かったわけでもない。だけど、よく似通っていたと思う。

いつの間にやら離れられない存在になっていた。

一時期の喧嘩だって、今からしてみれば些細なものだし、遠い過去のよう。

そしてある程度一緒にいれば、後は離れていくだけになるのだ。

物理的な距離は徐々に開いた。だけど精神的にはまだ傍に居た。

傍に居て笑ってる。そんな図が見えるんだ。

それは少しくらいは僕も嫉妬をした。離れ初めはそりゃもう嫉妬。僕たちの間に入ってくる者は嫌いだった。

でも今はどうだろう。

今ならきっとどうもならないけど、あの頃は初々しかった。

今では心が繋がっていると実感したから大丈夫なんだ。



どこまでも一緒に行ける気がした。僕らなら、と思えた。

一緒に居なさそうと思われているが、そんなことはない。今までが居すぎただけだのだ。

だから僕はいつでも言えると思う。

「僕は君とならずっと一緒に居られる」と。

こっぱずかしいけど、いつか言える機会があれば、笑顔で。僕らが出会ったときのような幼さと若さと行動力を兼ね備えて。



視線をぶつける。

全身で存在を感じる。

それだけで言いたいことが伝わる関係って、素敵だと思うだろう?

僕たちはそんな最高の関係。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ