警告の言葉
一年前。
下校途中の聡の前には天使と名乗る見栄えのしない男が立っていた。
そして、告げる。
おまえはもうすぐ死ぬのだと。
もちろん聡にはそのような前兆などない。
普段の聡なら、その話を蹴り飛ばし、ついでにその戯言を口にする男も蹴り飛ばしていたところだ。
だが、この時に限ってそのような気が起きなかった聡は疑い深そうな目で男を見た。
「死ぬ?俺が」
男はその言葉に頷き、そして口を開くとこう言った。
「そうだ」
「いつ?」
「五日後だな」
「言っておくが、俺はすこぶる快調だ。もちろん五日後に死ぬ気もないし、その予定もない」
「まあ、皆そう言う。だが、これは事実だ」
「では、聞こう。俺はどうやって死ぬ?まあ、それが事実なら誰かに殺されるか、交通事故ということだろうが」
「いや。病死だな。いわゆる心臓麻痺という奴だ」
「あり得ん」
「まあ、そう言うだろうな」
男はそう言って薄く笑う。
「だが、私の話を最後まで聞いた。それについては褒めてやる。その褒美に……」
「その時が来たら、また会いに来てやる。その続きはその時話してやる」
「いらん」
「そう言うな。おまえにとって悪い話ではないのだ。それに……」
「その時、おまえは私に縋ることになる。あまりつっけんどんにしていると自分に返ってくるぞ」
「では、また五日後に会おう」
男はそう言うと消えた。
いや。
最初からいなかったのではないか。
そう思わせるくらいに何一つ痕跡がなかった。
「夢?」
「……立ったまま夢を見られるとは俺もなかなかなものだな」
そう呟くと、聡は目の前を歩く五人の仲間のもとに走っていった。




