所々
夏休み初日、なにもない当たり前の日々が怒涛に来ると呆れていたが、それは空回りかもしれない。
喜ばしいことなのか。悲しむべきか。
諏訪 護 読み方はすわ まもる
15歳男子、目立つ特徴もなく、みんなからは時々話しかけられ、自分でもよくやっているフレンドリーな奴だと自他ともに認める。
ここにおける『他』はせいぜい20人程度。
注意深く見れば彼の目は左右非対称になっていることぐらい、それが彼の特徴かもしれないが、これからの物語になんら関係がない。
さて、今までのものはすべて彼の中での『自分』であり、過去みんなから会話の中でさりげなく聞く『自分』の評価に基づいて自身で評価したものである。
本当の『自分』を知っているものは、親友であろうと、血縁関係者だろうと知らないし、知ろうともしない。それは彼の『普通』の演技が常人でないところから来ている。彼についてこの物語において知っておいて欲しいことはこれくらい。殆どは彼の異常さ、半端なさについてだが、これも彼の特徴とも言えるだろう―――
瞼を貫通して暖色が眼球を照らす。
朝だと気づきながら、脳内で好きな曲をかけ精一杯体を起こす。
自分が無意識に見ているものがスマホだと認識するのに1分弱。日付を見て夏休み初日だということを確認し、安堵する。
これから過ごす一日は、目的を探すことになりそうだと、確信し、用もない1階に向かう。
皿の上の無造作に置かれたサンドウィッチにラップがしてあり、貪る。無論、うがいの後だ。
これくらいの年齢ならスマホでも見て1日を潰すと思いがちだが、そういう誰もがしそうなことをするのが妙に癪に障る。
散歩。彼がたどり着いたのは夏休み初日に散歩をすることである。
15歳なる人がまず思いつくのが散歩とは、誰が勘づくだろうか。密かに楽しいと感じながらも、右に川、正面に木々、左に野原という世界中に何億とありそうなところを無心で歩く。
午前11時。こういう1日の昼前の感覚がなぜか悲しく感じる。散歩もいよいよ終盤に向かい、誰ひとりいない家に帰るのが少し嫌。
しかし、いつもの当たり前の日常とは少し違うものをこの間で覚え、正味楽しいと感じていた、それに対して
「――非日常」
木陰に寄りかかる一人の中性っぽい者。樹皮の色とは裏腹に、銀色のような。しかし目立ちはしない、少し長い髪が特徴。年齢は見た目的にさほどない。思考を読まれたかのように感じた。何か違った雰囲気に魅力を感じる。普通の人ならどう反応するかを瞬時に判断し、実行する。
「え?」
普通の人ならこれだけだろう。
「そういう所だ、そういうんじゃダメなんだ。自分からじゃないと。」
どうやらその者は、俺を理解しているらしい。完璧にかは分からないが、かなり。しかし面識はない。
少々興味を持った。
「初対面だよね?」
思わずタメ口
「私は親近感を感じているけどね、近しい者ってのが分かる。根拠は無い。しかし、興味を持ってくれて嬉しいよ、これから話したかったんだ。ね、あそこ行って話そうか?」
「ナンパだろうがなんだろうが暇だったから、まあいいよ」
このほんのすこしの会話だけで警戒をなくしたのは、あまりにも不自然すぎるところからだ。待ち伏せ、読心術、どちらも俺が気になっていたものである。俺と大差ないであろう年齢、ポケットにも凶器らしきものも見られない。
一日の目的が見つかった事に喜びを感じつつ、この者をリサーチする、一体どこまで俺を知っているのか、どこまで近しいものなのか。
この者が指したであろう木造のカフェに入る。
しばらく会話を交わしてわかった事だ。
性別不明で16歳、散歩道にいたとおり、ここ付近に住んでいるらしい。
昼過ぎ。昼飯は友達と食うと、親に連絡はしてある。
「本題だ。」
どうやら今までの会話は前置きだったようだ。
「私は君と会った時、『近しいもの』を感じるとか言ったり、『思考を読む』をした。」
思考を読まれたのは確かだったようだ。さらに興味が湧く。
「やっぱり思考を?」
「君が私を視認する前、会話をする前からね。いわゆる超能力、厨二病っぽいから変えさせてもらおう、そういう『機能』、だ。」
察した。俺にもこの者のように、『機能』があることを。しかし思考を読むことは出来ない。つまり『機能』が違うという事だ。知りたい。俺にはどういったものが扱えるのか。
「妥当、君には異常な探究心がある。しかし、自分で簡単に気づけるもんじゃない。君は特にだ。なんせ君は無意識に『機能』を使っている。それも常時だ。」
常時?上限がないのか?『機能』には。
思考を読まれたことをそっちのけで考察。
たしかに、俺が常時使っていればそう簡単に自覚することは難しかろう。人間が息をするように。瞬きをするように。これも第三者から指摘されねば気づくことはほぼない。
「私が思うに君のやつはかなり、厄介なものだ。他者にも自分にも。私でなけりゃ気づくこともなかった。私の『機能』でなければね。」
「君の機能は『思考を読む』ことだろ?俺の機能となんの関係が?それとも他に君の持つ『機能』が?」
「そうだね、他にもある。しかしそれは関係がない。『思考を読む』だけで分かる、君の厄介な『機能』は。だが、あえて君には教えないでおこうか。なんといってもこいつを扱うのは楽しいからね。」
納得。たしかに『機能』を持つ人間が他にもいれば、すぐに思いつく悪いことにだって使えるはず。
「だから使わない。」
理解不能。
「犯罪組織が主に凶器を使うように、そういうことをするのに、凶器を使うのは『当たり前』な事なんだ。嫌いだろ。」
裏から突かれたように、不思議な感覚がする。すこしのストレスを感じたような気がした。
「それで、仮に俺に『機能』があって、どうするんだ?こういうのを何に使えばいいんだって話だ。」
「実は先天性でこういうものは多い。しかし君のケースは至って稀。後天性で、しかも最近だ。その理由は詳しくは分からないが、君の生まれてからずっとフル稼働し続けている『機能』が最近になってオーバーヒートしたんだろーな。『当たり前の日常』に嫌味を覚えるだろう?」
「あー、なるほど。つまり、今はクールダウン中って訳だ?そんで、俺の『機能』が今は使われてない。」
「そこがミソ。使われてないからこそ、自分の『機能』に気づけるチャンスってわけだ。クールダウンが明けて、また自動的に稼働しちゃって訳わかんなくなったら元も子もない。」
待て。クールダウンが明けたら?いつ明けるんだ?再発したら、また当たり前の日常になるのか?
「なるさ、きっと。嫌かい?」
「『今は』ね。変化っていうのを求めてる。」
本心だ。
「なら見つけないとね、特別にヒントをやろう。君の機能は――」
本文以外何書けばいいか分からないし本文の書き方分からなかったです。書いてて楽しいとは思いました。
所々読み手の感性に任せます。
何か間違いとかがあれば、指摘していただけるとありがたいです。




