第七話おまけ おっぱいからは逃げられない
数ある作品の中から興味を持っていただき、本当にありがとうございます!
今回は、7話と8話の間のおまけ回です!!
「・・・眠れねぇ………!!!!」
4人のあられもない姿を見てしまってから、数十分後。
精神的にも肉体的にも興奮しまくってた俺は、全く眠ることが出来ずに何十回と寝返りを繰り返していた。
そもそも……生まれてこの方ずっと勉強と習い事三昧だった俺にとって、女性と関わることすらほぼほぼ経験がなかったのだ。
もう日付が変わって今日が昨日になってしまったが、俺の人生では間違いなく、今日が最も刺激的な日だ。
(・・・だめだ…!! このままじゃいつまでたっても寝れない!!!
心を無!!! 無にするんだ!!!!!)
もういいかげん、寝ないと明日に響く。
俺は布団を被ってうずくまり、枕を顔に押し付けて夢の世界へと旅立とうとする。
・・・が、しかし。 睡眠の神はそんな俺を嘲笑うように、さらなる試練を俺に与えてきやがった。
「・・・・どーん!! お布団だーーーーーーいぶっ!!!!!!」
「…………ぐえっ……!?!?」
なんといきなり、日向が俺の布団にダイブしてきたのだ。
自分の体が押しつぶされる圧迫感と痛みと……コンマ数秒送れてやってくる、濡れた身体の感触と驚異的なやわらかさ。
・・・・これは………もしかしなくても…………っ!?!?!?
「あ、ごめん…にーちゃん…………。」
「おい日向ーっ! 濡れたまんまで走るとあぶねーぞー!!!
・・・って、お前また布団ダイブしてんのか…… 奈緒ー、無事かー?」
俺が痛みと興奮でドギマギしていると、霞さんと思しき低い女性の声が俺の頭上に響き渡り…
強引に、俺が被っていた布団がひっぺがされる。
一瞬強い光が入り目を細めるも、だんだんと瞳が光に慣れてくる。
おそるおそる起き上がり二人の方を見ると…… 髪がまだ水で濡れている、火照った顔の霞さんと日向が心配そうに俺を見つめていた。
「・・・いてて…………!! なにするんだよ……」
「ごめんにーちゃん……ケガない…?」
「意外と大丈夫そうだな。 コイツ胸から飛び込んでたし、おっぱいがクッションになって助かったなー。」
「・・・・・お、おっぱ……!?!?!?」
・・・やはり、さっきの背中辺りに感じた柔らかい弾力は日向の大きな胸だったか………。
ううぅ………くそ、せっかく寝る気になったのに……さらにドギマギする羽目になっちまった…
「今日はにーちゃん、霞ねぇと華ねぇの部屋で寝るんだねー!!!
にーちゃん、華ねぇと霞ねぇに気を付けてねー!!!!!」
「おいおい……華姉ぇはともかく、あたしもひでぇ言われようだな………
奈緒……あたしのイビキ、うるさかったらごめんなー……?」
「は、はい。 大丈夫ですけど………」
・・・ん? 『気を付けて』? 『華姉ぇはともかく』?
なにやら、不穏な言葉が聞こえてきたような………?
そういえば、華さんもさっき『いびきがうるさかったらごめん』って言ってたし……なんか、嫌な予感が…
「ふぅー!!! いいお湯だったわぁ…!!
あらぁ!! ひなたちゃん、私たちのお部屋にいたのねぇ♡ どう? ひなたちゃんも、今日は私たちと寝・・・・・」
「ひなたもう寝るねーーー!!! おやすみーーーーーー!!!!!!」
お風呂から上がってほかほかした華さんが部屋に入ってきてそう言い終わらないうちに、日向が逃げるように俺達の部屋から出ていった。
そんなに、俺と寝るのは嫌なのか……?
「あらぁ…………ざんねんねぇ……。
じゃあ、今日は三人川の字になって寝ましょうか♡ 奈緒くんがまんなかねー!!」
「ふあぁ……ねみい。 どーでもいーから早く寝ようぜー……」
俺が内心少しブルーになっていると、華さんがにこにこした笑顔で俺にそう提案してきた。
ふと部屋の時計を見ると……時刻はもう、夜中1時を周っている。 良い子はとっくに寝る時間だ。
「はい! ……そろそろ、寝ないとですね!」
「はーい! おやすみなさーい♡」
「おやすみー…………zzz………」
華さんの掛け声により、電気が消されてまたこの部屋に暗闇と静寂が訪れる。
俺も布団を被り直し、目を閉じて深い夢の世界へと堕ちていった。
◆◆
「・・・ちょっとっ………!!! 華さんっ………!! 霞さんっ…………!!!
離れて……離れてください……!!!!」
「うーん…………むにゃむにゃぁ……………」
「ぐごーーーーーー………すぴーーーーーーー……………」
まずいことになった。
俺の隣で、右腕をがっちりホールドして離さない霞さん。
・・・・そして、俺の左半分にぎゅううっと抱きついている華さん。
・・・・・・・・動けない。
しかも、2人の大きな胸が押しつぶされるほどに俺の両腕にこれでもかと押しつけられており……
断続的に、近距離の霞さんのいびきと2人の暴力的なまでのやわらかな感触が俺に襲いかかってくる。
とてもじゃないが、寝れたもんじゃない。
(日向ぁー!!! お前が逃げたのはそういうことだったのかー!!!!
誰か……だれか助けてくれーっ…!!!!!)
俺は激しい興奮に襲われて心のなかで助けを求めながら、今晩はもう眠れないことを悟ったのだった。
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