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第七話 みんなでお風呂

数ある作品の中から興味を持っていただき、本当にありがとうございます!

「それじゃあ、もうおフロ沸いてるけど………

 誰か、一番最初に入りたい〜ってコはいないかしらぁ〜?」



「はーーーい!!! はい!! はーーーーい!!!

 今日はひなたが一番風呂はいるーーーっ!!!!!」


「えー………あたしも最初がいい………

 明日早ぇし、汗でベッタベタしててきもちわりぃ………」


「ふっ…………!!! ここは全員平等に、ジャンケンで勝負をつけようじゃないか。

 奈緒クンも……それで構わんだろう?」


「あ、はい。 俺はそれでいいっすよ。」



 俺の歓迎パーティー兼みんなの自己紹介が終了してから、およそ数分後。

美味しいご馳走に舌鼓を打ったみんなが、風呂の順番で賑やかにワイワイと話し合いを始めている。

俺も明日からの新生活に備えて、早く風呂に入って寝ようと思っていたのだが…


「ちょっと待ちなさいよ。 

 なんであんたもナチュラルにじゃんけん参加してるワケ!? 花蓮、男子が入った後におフロ入るなんて絶・対・!! ムリなんだけど!!!」


 ・・・どうやら、早速新たな問題が生じてしまったようだ。

確かに花蓮の言うことももっともだ。 汚らしい野郎のエキスを吸った風呂になんか、誰も入りたくはないだろう。


「まあ、それもそうだよな。

 俺は一番最後でいいから、皆さんで入る順番決めてください。」


「うわ。 あんた女子の残り湯堪能しようとしてんの? きも。 引くわー。」


「・・・俺にどうしろと!?」


 俺が譲歩してもなお、綾香がゴミを見るような目で俺のことを蔑んでいる。

一部の男子ならご褒美だろうが、俺にそんな趣味はない。普通に傷つく。


「あー!! もうなんでもいいから早く決めよーぜー!!!

 早くフロ入りてぇし………明日4時起きなんだよー!!!!」


「そうだね…………私も明日生徒会だし、早く寝たい……」


「うーーーーん………どうしたものかしらねぇ………」


 姉妹たちの各々の主張を受けて、華さんが困り顔でうーんと考え込んでいる。

やはりこういう問題はデリケートな分…なかなか話がまとまりづらい。

俺も華さんたちと同じように、どうしたものかと頭を悩ませていた。




◆◆




「・・・・・ふぅー…………」

 全身に伝わる人肌より少し熱い温度と圧力に少し体を緊張させつつ、そのなんとも言えない心地よさに大きく息を吐きだして空を仰ぐ。

やはり、風呂・・・・・・・一人になれる時間は良いものだ。


 風呂の順番をめぐって突如巻き起こった激しい話し合いの末……今日は俺が主役だからってことで、『体をメチャクチャ綺麗に洗い、一本の毛も垢も残さない』という条件で、最初に風呂に入ることになったのだ。


(・・・・・今日は………本当にいろいろな事があったなぁ。)


 いつの間にか日付は変わり、今の時刻は0時6分。 1人で考え事をするには丁度いい時間だ。

ここに来て数時間。 最初はどうなることかと思ったが・・・・

なんだかんだ、皆さんと楽しく、平穏な生活が送れている。


 その事に俺は………凄く嬉しかった。

人生で初めて、 “ 家族 ” の温かみを知ることが出来たのだ。


(………っし! 明日から高校だ! 

 この調子で、明日も頑張るぞ…………!!!!)


 俺が心のなかで小さくガッツポーズをし、明日からの新生活に思いを馳せる。

・・・・すると、何やら風呂場の外に数人の人影と、コソコソした話し声が聞こえてきた。


「(おい…………! 華姉ぇ! マジで()()やんのか!?)」


「(そうよぉ……! だってみんな、ここに来るときやったじゃない!)」


「(そりゃみんな女だからだろ…………! 流石に奈緒の前でやんのは恥じぃよ……!!)」


「(まあまあ! 霞どの! 家族になるのだから、肌を見せるくらい恥ずかしくないではありませんか!)」


「(ひなたもー!! ひなたもいっしょに入るーーーっ!!!)」


「(おまっ……!? 声でけぇよ!? 

 日向はマジで色々と危ないから、今回はやめてくれ……)」


「(えーーーー!? なんでーーーー!?)」



 うまく聞き取れないが、どうやら華さんと霞さん…琴葉さんと日向が、なにか話をしているようだ。

・・・・何か、困ったことでもあったのだろうか?

話の内容はわからないが、声のトーンが何やらとても焦っているように感じる。


(・・・・どうしたんだろう?)


 俺が湯船の中で訝しんでいると、外から聞こえる声がだんだんと大きくなっていく。

本当に、何かあったのだろうか?

俺は湯船から上がり、体を軽く拭いてタオルを腰に巻き付け………風呂場の扉の取っ手に手をかけた。



「・・・・みなさん、いったいどうしたんですk……………………!?!?!?!?!?!?!?!?」



「・・・あ。」


「あらぁ! 奈緒くん!! もうおフロ上がっちゃうのぉ?」



 風呂場の扉を、めいっぱい力を込めて開いた俺が最初に見た光景…………。

それは、スク水を着た日向と黒い競泳水着を着た霞さん……それと、バスタオルをぴっちりと巻いた華さんと琴葉さんだった。


「・・・・うわぁああああっ!?!?!?!? す、すみませぇんっ!?!?!?//////////」


 元気いっぱいで無邪気な性格とは裏腹な、成熟したむっちむちの身体を包みこんだスク水姿の日向と、破滅的な大人の色気を醸し出している霞さんの、胸の部分がはち切れそうな競泳水着………

そして、華さんと琴葉さんの、バスタオルからこぼれんばかりの大きな乳房(おっぱい)


 その4人のなんとも蠱惑的で官能的な姿を見てしまった俺は……

反射的に光の速さで扉を締め、俺は湯船へと飛び込んで頭を抱えた。



◆◆



「ごめんねぇ……! 驚かせちゃってぇー……!!

 うちは新しいコが家族になった時は、みんなでおフロに入ってハダカのお付き合いをするのが決まりなんだけど………… 奈緒くん、男の子だもんねぇ……」


「………い、いえ………… こちらこそ、ヘンに意識しちゃってすみませんっ………!!!!」


 数十分後。

 顔を真っ赤にしながら急いで風呂から上がった俺は、華さんに俺が寝る寝室へと案内してもらっていたのだが………


 先程の “ あの光景 ” がフラッシュバックして、まともに華さんの顔を見れないっ…!!!!


「さ! 今夜はこのお部屋で寝てねぇ〜! はい! これが奈緒くんのおふとん!

 私と霞ちゃんと同部屋だけど………いびき、うるさかったらごめんねぇ。」


「い、いえ……… よろしくお願いします…………」


(………うわぁああああ………!!!! よりにもよって華さんと霞さんと同部屋なのかぁっ……!!!

 くそっ……正気に戻るんだ、俺っ……!! こんなの、家族なんだから普通じゃないかっ…!!!)


 脳内でけたたましく警告音が鳴る中、顔から湯気が出そうなほど真っ赤になりながら華さんから寝具を受け取る。


「じゃあ、私は霞ちゃんたちとおフロ入ってくるから……奈緒くんは先に寝てて良いわよぉ!

 明日からの学校、がんばってね! おやすみなさーい!」


「は、はい…。 お休みなさい………。」


 前言撤回。 ここにいたら……平穏な生活なんて、ムリかもしれない………!!!

耳まで真っ赤になってバクバクと爆発しそうな心臓を押さえながら、俺は布団に潜り込んで…

この先俺に待ち受ける数々の苦難について、思いを馳せたのだった…………。





読んでいただきありがとうございました!!

少しでも「面白そう!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、下の【☆☆☆☆☆】の所から評価をして頂けるとものすごく嬉しいです!!!

感想やリアクションもして頂けると、凄く励みになります!!!!!

次回もよろしくお願いします!!

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