第四話 歓迎パーティーと自己紹介①
数ある作品の中から興味を持っていただき、本当にありがとうございます!
「……えー、では!!!
奈緒ちゃん改め………奈緒くんの歓迎パーティーを始めますっ!!!! かんぱーい!!!!」
「「「「「「「「「「・・・かんぱーい!!!!」」」」」」」」」」
二階建て4LDKの一軒家に、華さんの元気で可憐な声が響き渡る。
あれから少しした後…ようやく気分が落ち着いた僕たちは、羽山家の皆さんと一緒に自宅まで帰ってきたのだ。
帰宅してすぐ、華さんたちが作ってくれていたご馳走や出前の寿司やピザなどが所狭しと並んでいるテーブルに座らせられ…………
その流れで、俺の歓迎パーティーが開催されたのだ。
「うええええい!!!! 今夜は呑もうぜぇ〜〜♪♪♪」
「霞姉さんっ……… お、お酒はダメだよっ………!!」
「うっせー!! 今日は祝いの席だー!!! 静も飲めー!!!!」
「私、まだ17歳だよぉ……っ!!!!」
「いやー、しかし…… 奈緒どのと無事家族になることができてよかったですなぁ!
しょーせー、嬉しいですぞっ!!!!」
「は、はい。 これから、よろしくお願いします。」
「ねーねーにーちゃん!!! にーちゃんってどんな女の子がタイプなのー!?」
「……!?!? え、いや、そのー………」
さっきまでのシリアスさが嘘のように、皆でワイワイと団欒を楽しんでいる………
かに、思えたが。
「皆して、何なのよもうっ………!!!!
みんなっ………花蓮ばっかり悪者にしてっ……………!!!」
「みんなして、ぽっと出の男にキャーキャー言っちゃってさ。
うちはまだ、あんたの事兄貴だって認めてないから。」
「……っ……………うぅ……………/////////」
どうやら……すぐ信用してもらうのは難しいようだ。
いまだ半数近くの人たちから、いろいろな負の感情の籠もった態度を取られてしまっている……。
「とか言っちゃってー!!!
花蓮ちゃん、みんなのなかで一番奈緒っちが来るの楽しみにしてたんだからねー!!!!」
「……っ!?!? そ、それは…………
仕方ないじゃない!!! 15歳で名前も『奈緒』って聞いてたから、普通同学年の女の子ってカン違いするでしょ!?!?
別にアンタの事を楽しみにしてたわけじゃないから!!!!! 勘違いしないで!!!!!」
「ほぉー!!! 花蓮どののナチュラルツンデレ!!!
これは萌え!!! 萌えですぞー!!!!」
「琴葉ねぇもひよりんも、花蓮のことバカにしてっ………!!!
もうやだ!!! みんなきらいっ!!!」
・・・一部、マジで本心がどうなのか分からないやつもいるが………
おおむね、皆さんからみた俺の印象は初見と変わっていないように思える。
これは………なかなか、前途多難だな。
俺は心のなかで、頭を抱えて項垂れた。
◆◆
「はーい! みんなちゅうもーく!!
それじゃあ、場もあったまってきた頃だし………そろそろ自己紹介しましょうか♡
じゃあ、まずはわたしからねー!!!」
数分後、華さんがいきなり勢いよく手を上げてそう言い放った。
・・・ここでしっかり皆さんのことを覚えて、もっと仲良くならないと!!
俺はやる気に満ちた眼差しで、華さんの方へと向き直って前のめりになった。
「わたしのお名前は『一ノ瀬 華』っていいます。 24歳です!
お仕事は、今年から保育士さんをしています! この中で一番お姉さんだから、奈緒くんも気軽に『ママ』って呼んでねぇ♡」
そういって、華さんが俺に向かってぺこりとお辞儀をした。
さすがに『ママ』と呼ぶのは恥ずかしいが… ものすごく優しくて笑顔が素敵で、本当のお母さんみたいなのは既にはっきりと理解している。
腰のところまで届く白い長髪に、花のようないい香り……そして、母性を象徴する大きな胸が特徴的の、とても綺麗なお姉さんだ。
「では、ボクの番だね!!
ボクは『二階堂 輝良』。 22歳のしがない女優の卵さ。
美しいと書いて輝良……輝良と書いて美しいと読むのさ!!!
さあ、奈緒クン!!! ボクと一緒に、美しさの頂点を目指そうではないか!!!!!!」
輝良さんが、胸に左手をあてて天を仰ぐような美しいポーズ(?)を決めながら声高らかに叫んだ。
別に美しさの頂点を目指したいわけではないが、輝良さんは確かに美しい。
丁寧に整えられた深緑色のウルフカットに、長身でスレンダーな身体と孔雀のような柄の派手な服。
かなり自信家でナルシストな性格のようだが、きっとかなりの努力を重ねているのだろう。
彼女の周りの空気が輝いて見えるほど、眩しくて美しいお姉さんだ。
「あー………あたしかー。
あたしは『三浦 霞』。 しがない社畜OLの21歳だよ。
好きなもんは酒と定時退社と家族と……あと酒。 嫌いなもんは労働と後片付けと二日酔い。
長所はねえ。 短所は酒癖が悪いトコとだらしないトコと大雑把なトコかな。
奈緒はこんな大人になっちゃダメだぞー。 ・・・ひっく。」
さっきまでテンションが鬼高かった霞さんが、ちょっとお酒が抜けてシラフになりながらそう答えた。
本人が自負しているように少しだらしないようで、綺麗で長い黒髪はぼさぼさで洗濯バサミで後ろで止めてあり、『社畜』と書かれたヨレヨレの白いTシャツからはブラジャーの痕がはっきり透け、肩からブラ紐がしっかり見えている。
だが…美人で目鼻立ちがくっきりしており……胸も皆さんの中で1、2を争うほどの巨乳だ。
長所はないと言っていたが、姉妹たちのまとめ役のような存在で…すごく面倒見が良さそうな、皆から慕われているであろう立派なお姉さんだ。
「では、次はしょーせーの番ですな!!!
小生の名前は『四ッ谷 琴葉』。 年は19、生まれは茨城!!
お琴の『こと』に葉っぱの『は』で琴葉ですぞ!!!
しょーせーは全方位ヲタクでして、趣味がめちゃくちゃ多いのですぞ!!
知識量なら誰にも負けませぬので、困った時はぜひ小生を頼ってくだされ!」
そういって、琴葉さんが大きな胸をぽんと叩いて自信満々に答えた。
ベージュ色の長めのボブヘアがかわいらしく、丸い瓶底眼鏡が知的なイメージを与えている。
メガネで分かりづらいがかなり美形で、胸も華さんと霞さんに次いで三番目くらいに大きい。
なんでも知っていて、自分の『好き』に一生懸命な琴葉さんは…みんなの憧れの的のようだ。
みんなの先生であり博士でもある……そんな、賢くて尊敬できるお姉さんだ。
(ちなみに、俺と初対面で鼻メガネをかけていたのも琴葉さんである)
「あっ………次は私ですね!!
私は、『五十嵐 静』と申します…。 今年で高校3年生になります。 17歳です。
学級委員長と生徒会長をやっていて、みんなからはよく真面目だって言われます…。
好きなものは読書で、苦手なものはピーマンとゴーヤです…。
奈緒くんの立派なお姉ちゃんになれるように精一杯がんばりますので、よろしくお願いしますっ…!」
静さんが、恥ずかしながらも…まっすぐ俺の方を向いて自己紹介をし、ぺこりと頭を下げた。
長い黒髪おさげの三つ編みで、グレーの制服をしっかり着こなしている……
いかにも、真面目そうなお姉さんという印象だ。
委員長と生徒会長を兼任しているということで、すごく生徒などのことを想っているとても優しい性格なのだということがよく伝わってくる。
規則を守れて、自分に厳しく他人に優しい。 そんな、真面目で尊敬できるしっかり者のお姉さんだ。
(…………みんな、いい人そうで良かった。)
前半戦が終了し、俺が心のなかでそう安堵したのも束の間。
(………………………………………っ……!!!!)
約2人の女子から、嫌悪感が存分に詰まった眼差しを向けられている。
後半戦の女の子たちのことを考え、ブルリと背筋が凍るのを感じていた…………。
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