第十五話 霞さんとアレ
数ある作品の中から興味を持っていただき、本当にありがとうございます!
今回は、若干下ネタが多めです! 苦手な方はご注意下さい!
俺が羽山家に来てから数日が経過し……今日は日曜日。
最初こそいろいろハプニングもあったが、今ではおおむね全員と良好な関係を築けている。(約一名を除き)
羽山家のみんなのおかげで、毎日とても楽しい日常を送れているのだが………
たったひとつだけ、ものすごく『困ったこと』があるのだ。
◆◆
「・・・じゃぁ、私と静ちゃんはスーパーでお買い物してくるから……
奈緒くんはいい子でお留守番しててねぇ〜♡」
「ふふっ……!!
おみやげにたくさんお菓子買ってくるから、楽しみにしててねっ…!」
「はい!
二人とも、気を付けて行って下さいね!!」
玄関に元気よく響く、華さんと静さんの『いってきます』の声。
その声を発した二人が大型の乗用車に乗り込み、豪快なエンジン音を轟かせて羽山家から離れるのを…
耳を澄まして確認する。
(・・・よし、やるなら『今』しかないっ……!!!)
とある『作戦』を決行する覚悟を固めた俺は、決死の表情で階段を駆け上がり……
俺がいつも寝ている、華さんと霞さんの部屋へとめがけて全力疾走した。
◆◆
そもそも……10人の若い女性と暮らすということは、思春期の男子にとってはものすごく大変だ。
それも、はちゃめちゃな美少女しか居ない羽山家のみんなとなら尚更だ。
この家に来る前からほぼほぼ女子と交流がなかった俺にとって、この環境は……かなり辛かった。
毎日寝るときに俺の腕に絡みついてくる、華さんと霞さんの大きすぎる胸の感触。
いつも無邪気に俺に抱きついてくる、距離感がゼロどころかマイナスの日向。
ひよりさんとその友達のギャル二人組の、超超超ミニスカートからのぞくおみ足と…たまに見えてしまう下着やスパッツ。
霞さんがかがんだときに見えてしまう、ヨッレヨレのTシャツから覗く大きい下着と深い谷間などなど……
目のやり場に困るどころか、もはやどこを見ていてもそういう状況に遭遇してしまうのだ。
そんなフラストレーションが溜まったままでは、流石に俺も耐えられない。
やはり、思春期の男子には適度な息抜きも大事なのだ。
華さんと静さんはスーパーへ買い出し。 輝良さんとひよりさんと花蓮はバイト。
日向と鈴音ちゃんはショッピングモールに映画を観に行っており、
琴葉さんと綾香はアニメグッズを買いに行っている。
・・・今、この家には俺以外に誰にも居ない。
しかも……今日は俺がゴミ出し当番と来ている。
これは、千載一遇のチャンスだ!!
俺は、胸の奥で高鳴る鼓動をおさえつつ……豪快に、華さんと霞さんの部屋の扉を開けた。
◆◆
「ど、どわぁぁぁぁあっ!?!?!?
な、奈緒ぉ!?!? なんでここに!?!? 華姉ぇたちと買い物行ったはずじゃ…!?!?」
俺が勢いよく扉を開けると……
部屋の中にいた霞さんが、ひどく驚き焦った様子で飛び上がって叫んだ。
「……あ、すみません…ノックもせずに…
中に誰もいないと思って油断してました……」
いきなりびっくりさせてしまった件について、霞さんに頭を下げて精一杯の謝罪をする。
俺があわてて霞さんの方を見ると……なんだか、彼女の様子がおかしい。
体は汗だくで息があがっており、目が泳ぎまくっていて……なにやら、左腕に持っているなにかを自身の背中で隠している。
「……? 霞さん、その左手で持ってるものって……」
「なななななななななんでもねえよっ!!!! い、いまちょっと運動してたんだっ!!!
汗臭えと思うから、しばらくこの部屋には入んねぇでくれよぉ…… なっ!?!? 頼むっ……!!!」
「は、はい……。 すみません、失礼しました……。」
いまだかつてないほどに動揺している霞さんの迫力に気圧され、訝しむヒマもなく部屋を後にする俺。
今は、虫の居所でも悪いのだろうか……?
ともかく、一人でも家族がいる空間では息抜きをするのは難しい。
俺は潔く諦め、なにか他の方法で欲求を発散させるべく……リビングへと戻っていった。
◆◆
「うおーーーー!!! いっけー!!!!」
「……ふふ…………あははっ…………!!!」
あの騒動から、およそ20分後。
リビングへと戻ってゲームで欲求を解消していた俺は……
映画から帰ってきた日向と鈴音ちゃんに誘われ、某少年バトル漫画ごっこに付き合わされていた。
「いっけー!!! 炎の呼吸っ!! 九のかたっ!!!! れんごく!!!!」
「お前も、鬼になれ杏寿郎!!!!」
「……くすくす…………ふふっ………えへへ………!!!!」
12歳と13歳と15歳がごっこ遊びをしている件については大分アレだが、体を動かせるのはいい欲求の発散になるし……なにより、子供の頃にあまり遊んでこなかったから新鮮だ。
日向が某火を操る剣士になりきって傘を振り回し、俺が鍋のふたでその攻撃を受け流す。
そして、そのシュールな光景を鈴音ちゃんがくすくすと笑っている。
まちがいなく華さんに見つかったら怒られるだろうが、今は俺達の他に誰もいないのである程度は自由にできる。
「くっ……この鬼、強い……!!
こうなったら、さっき華ねーちゃんと霞ねーちゃんの部屋から持ってきた柱の日輪刀を使うしかない!!!!」
「ぐぁはは!! お前も鬼になれ杏寿郎!!!」
・・・どうやら、日向が武器を持ち換えるようだ。
日向がダッシュで傘を玄関のところにしまいに行き、変わりになにかよくわからないピンクの物体を持ってとてとてと走ってきた。
「よーーし!!! 覚悟しろ悪鬼めーっ!!!
この霞ねーちゃんがよく使ってるやつで、お前を消し炭にしてやるーーーーっ!!!」
・・・・・・ん?
日向が持っている、ピンク色の筒のような謎の物体。
マイクのような形をしたそれの先端には、シリコン製のブルブルと震える突起がくっついている。
名前は確か、『電動マッサージャー』 通称:でんm…………
「そ……それはダメだーーーーーーっ!!!!!!」
その道具の正体に気づいた俺は、血相を変えて日向の方へと駆け出した。
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