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第九話 初めての高校②

数ある作品の中から興味を持っていただき、本当にありがとうございます!


 俺、花蓮、ひよりさん、静さんの4人+ギャル2人で学校に登校をしてから、およそ数分後。

静さんを生徒会室まで送り届けたあと、そのまま皆さんで俺の教室まで着いてきてくれることになったのだが……


「・・・・げ、アンタ、花蓮と同じクラスなの? 最悪ー…」


 ・・・案の定というかなんというか……花蓮とクラスメイトだった。

俺が前日に知らされていた教室へと向かうと、花蓮が露骨に嫌そうな表情を俺に向けて毒を吐いてくる。


「悪かったな、同じクラスで。 

 ・・・・まあ、一年間………なんとか仲良く頼むよ。」


「ふんっ。 花蓮の高校生活の邪魔だけは、くれぐれもしないでよねっ!!」


 俺が気を遣って花蓮に頭を下げたのにもかかわらず、奴は心底不機嫌そうに頬を膨らませてぷいっとそっぽを向いた。

知り合いと一緒のクラスになれて心強くはあるのだが………その知り合いがよりにもよってコイツなのは少々厄介そうだ。



「えー!! 奈緒っちと花蓮ちゃん、同クラなのー!? いいなーー!!!!」


「ぜんぜんよくないわよっ!!! なんで、こんな冴えないネガティブ男と一緒に授業受けなきゃならないわけ!?」


「ん? かれちゃ、いつもより声が若干高くなーーーーい? ホントはうれしーんじゃないのーー?」


「いやがちうける笑笑

 血がつながってない家族でクラス一緒とか……もはや夫婦やん!!」


「だ、誰が夫婦よっ!!!!

 ・・・・ほら、他の人のメーワクになるから……早く教室入るわよっ!!!」



「わっ………ちょ、おい!!!」


 ひよりさんとギャル二人組の発言を受けて顔が梅干しのように真っ赤になった花蓮が、照れ隠しにぷりぷりと怒りながら……強引に俺の腕を掴んで教室に引っ張り込んだ。

・・・・本当に、俺の高校生活はこれからどうなってしまうのだろうか。



◆◆




(・・・・・まずい………………!!!!)


 花蓮に強引に教室の中へと連れてこられたこの俺、小鳥遊…改め、羽山奈緒は……

2日連続で、またもや窮地に立たされることとなったのだ。


(・・・喋れる相手が、いない…………!!!!!!)



 心のなかで叫び続けている、切実かつ重大な悩み。

俺は今日が初めての登校なのだが……… 他のクラスメイトたちは、おおよそ一週間ほど前にこの高校に入学している。

 まだぎこちない感じではあるが、みんな徐々に2〜3人くらいのグループができて…徐々に打ち解け始めているようだ。

 かくいう花蓮も、2人のクラスメイトの明るそうな女子と楽しそうに談笑をしている。

俺が少し羨ましそうに花蓮を遠巻きに見つめていると、視線に気づいた奴が俺の方を向いて勝ち誇ったようにドヤ顔をしてきやがった。


(くそ………なんなんだアイツは………!!

 このままじゃまずい! 高校でもボッチになる訳には………っ!!)


 花蓮のドヤ顔にムカつきながら、最悪の未来を想像してビビり散らかしていると………

俺の前に、一人の男がやってきて話しかけてきた。


「よお。ジブン、見ぃひん顔やなぁ。 

 あんたが、羽川さんの家族っちゅー奈緒って男やんな?」


「そう…………だけど。 ・・・・あなたは、誰ですか……?」


 俺にいきなり話しかけてきた……かなり細めな体型で、灰色の短髪の男。

目は開いているのかわからないほど細く、泣きぼくろと薄ら笑みを浮かべた表情と、こってこての関西弁…そして飄々とのらりくらりしている態度がなんとも怪しい。


「・・ワイの名前は『浦霧(うらぎり) 爽也(そうや)』。 このクラスの委員長をやっとんねん。

 ま、仲良ぅしよや。」


「・・・・は、はぁ………よろしく………」


 そういって、爽也と名乗った男が俺の前に手を出し、握手を求めてきた。

・・・なんとも、重要な場面で裏切りそうな……すごくうさんくさいオーラがぷんぷんとする男だ。


「おいおい、そんなに警戒しぃひんといてや!

 いつものことやから慣れとるけど、意外と傷つくんやぞ!」


 俺の態度を見た爽也が、笑顔ながらも少し寂しそうな表情でそう言ってきた。

意外に悪いやつじゃないのか………? いや、コイツに限ってそれはないな。 精一杯、警戒しておこう。


 俺がおずおずと訝しみながら握手に応じていると………

教室の前の扉が勢いよく音を立てて開き、先生と思われる二人組が入室してきた。




◆◆




「みんな!! お早う!!!!

 春の風が心地よい、いい朝だな!!!!!!」


「・・・・・・おはようございまぁーーーーーーす…………。

 みなさん、さっさと席についてくださいねぇーーーーーーー…………。」


 突如として教室に入ってきた、このクラスの担任の先生と思われる男女2人の大人の人。

教卓から響く大きな声を耳にした生徒がいそいそと自分の席に戻ると、出席簿を手に持った若い女の先生が

朝の挨拶を始めた。


「・・・改めて…みんな、お早う!!! 今日は初めてクラス全員揃ったな!!!! 

 私はとても嬉しいぞ!!!!!」


「おぉーーーーーー。 ほんとだぁ。

 これで、30人すべてそろいましたねぇーーーーーーーー。」


 女の先生が爆音で元気よく発言しているなか、隣の男の先生はローテンションでなんとも気だるそうだ。

この手のコンビは男がアッパー系で女がダウナー系だと相場が決まっているのだが… 2人はその逆だ。

俺が少し物珍しそうに2人を見ていると、女の先生が元気よく俺達に向かって発言し始めた。


「せっかくなので、軽く自己紹介をしよう!!!!!

 私の名前は『上杉(うえすぎ) (てん)』!!!! このクラスの担任だ!!!!

 27歳独身で、担当教科は保健体育!!!

 保健体育のことなら、私に何でも聞いてくれ!!! 実技でもいいぞ!!!!」


「上杉先生ぇーーーー……。 それ、セクハラですよぉーーー……?」


 男の先生にツッコミを入れられながらも、上杉先生が大声で自己紹介を終えた。

黒髪のショートヘアと健康的に日焼けした肌が特徴的な…なんとも体育教師らしい元気な先生だ。

黒のタンクトップの胸部を大きく押し上げる2つの立派な双丘は、なんとも教師らしからぬ官能的なオーラを醸し出している。


「僕は、このクラスの副担任の『下田(しもだ) 海原(うなばら)』でーーす。

 トシは25でーー、物理とか化学とかの理科系の科目を担当してまーーーす。 」


 そういって、下田先生がひらひらと気だるそうに手を振りながら、にへらと笑って自己紹介を終えた。

男性にしてはちょっと長めの銀髪に、少し汚れた白衣を着ている……これまた、理科の先生らしい風貌だ。

ボサボサの髪に濃い目の下のクマ。 そして、そこそこ高い身長が台無しになるほどの猫背。

健康的な上杉先生とは対象的に……なんとも、不摂生で不健康そうだ。



(・・・・・・なんか、みんなキャラが濃くない……?)


 学級委員長の爽也に、担任の上杉先生と副担任の下田先生………そして、花蓮。

めちゃくちゃキャラが濃い人たちに囲まれてしまった俺は、これからの学校生活がどうなるのか検討もつかず………必死に頭を抱えるしかできなかった。

読んでいただきありがとうございました!!

少しでも「面白そう!」「続きが気になる!」などと思っていただけたら、下の【☆☆☆☆☆】の所から評価をして頂けるとものすごく嬉しいです!!!

感想やリアクションもして頂けると、ものすごく励みになり、モチベがめちゃくちゃ上がります!!!!!

次回もよろしくお願いします!!

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