『交わる記憶、覚醒の契り』2
放課後の授業が終わると、私はワクワクしながらそそくさと部室へ向かった。
足取りが軽くなって、思わず駆け出しちゃったんだ。
テニス部の練習が始まる前に、何人かの部員がすでに準備を始めていて、私も急いでドアを開けてロッカーの前に直行っ!
動きやすくてお気に入りの練習着ジャージを取り出して、更衣室へレッツゴー!
制服を脱いで、テキパキ着替えっ。髪をキュッとポニーテールにまとめて、リストバンドを手首に通すと、なんだかシャキーンってスイッチが入った気がする!
鏡の前で、身だしなみチェック……うん、いい感じ♪
「よし、準備完了っ!」
軽く拳をぎゅっと握って、ぴょんっとジャンプしちゃった。足元の感覚、ばっちり!
「今日こそ、先輩のスマッシュ受け止めてみせるぞーっ!」
って気合いを入れたら、近くにいた部員さんがくすっと笑ってた。
「犬神さん、今日も気合い入ってますわね。」
その声に、ハッと振り向くと――
そこには高橋玲奈先輩が! 優雅にウェアの袖を整えながら微笑んでいて、相変わらずの気品オーラ全開っ!
日向高校の生徒会長でありながら、なんとテニス部の部長でもあるスーパーウーマン先輩なのだ〜!
髪をきちんとまとめたその姿からは、隙のない美しさと凛とした雰囲気が漂っていて……うぅ〜っ、見惚れちゃう!
「もちろんですっ! コートを走り回るのが楽しすぎて!」
私はにっこり笑って、ポニーテールを結び直す手にも力が入っちゃう。
玲奈先輩はくすくすっと品よく笑いながら、「ふふっ、さすが犬神さんですわね。準備ができましたら、コートでお待ちしておりますわ」って、なんて優雅なセリフ!
着替えを終えた私は、部室を出てコートへ向かった。
軽く腕を回しながら、気合いを入れつつ、
(よーしっ! 今日も全力で頑張るぞっ!)
って、心の中で元気よく言ってみた。これからの練習が楽しみだ。
練習が始まって、みんなそれぞれストレッチやウォーミングアップを始める中、私もストレッチしながら、体をぐぐっとほぐしていく。
「よし、準備万端っ!」
ラケットを持って素振り開始っ! そのとき——
「せ、先輩! これってこうやって打てばいいんでしょうか…?」
美咲ちゃんだ! 真剣な顔でラケット握って、じーっとこっちを見てる。
高校1年生の美咲ちゃんは、テニスはまだ始めたばっかり。だけど、一生懸命で失敗してもへこたれない頑張り屋さん♪
小柄でお団子ヘアがトレードマークで、動きがぴょこぴょこしてて、まさに元気印って感じ!
「そうそう、美咲はちょっと力入りすぎだから、もうちょっとリラックスして〜」
って私がアドバイスしながらフォームを お手本にしてみせると——
「えいっ!」って、すっごくいい当たり!
「ナイスショット! その調子っ♪」
私が褒めたら、美咲ちゃん、ぱぁ〜って顔が明るくなって!
「ありがとうございます、犬神先輩! わたし、もっと上手くなりたいです!」
「うんうんっ! 一緒にどんどん上手になろうねっ!」
そんなやり取りを、フェンスの近くで静かに見ていたのは……ヒカリ!
腕を軽く前で組んで、まるで少し考え込んでいるみたいに、私たちをじっと見ていた。
「ヒカリ? どうしたの?」って声をかけたら、
「犬神さんが後輩に教えてる姿、なんか…すごくしっくりくるなって」って、
どこか懐かしそうな目で言ってくるから、なんかドキッとしちゃった。
私はちょっと照れながら美咲ちゃんの方を見ると、彼女はきらきら目を輝かせてこっちを見てる。
「えへへ、頼れる先輩になれてるかな〜?」
なんて笑いながら、美咲ちゃんの肩をぽんっ♪ 元気注入!
「もちろんですっ! 犬神先輩のおかげで、さっきよりうまく打てるようになりましたもんっ!」
美咲ちゃんはガッツポーズ! 可愛いっ!
ヒカリもその様子を見ながら、ふわっと微笑んでフェンスにもたれてて、
「…犬神さん、すごくいい先輩だと思うよ」なんて言ってくれて、
胸がじんわりあったかくなった。
「犬神さん、試合形式の練習に入りますわよ〜!」
玲奈先輩の涼やかな声がコートに響いて、
「次はペアを組んで試合形式でいきますわよ。あなたの活躍、期待しておりますわ」とお言葉!
「はいっ!」って元気に返事して、ヒカリに手を振りながらコートへ!
「じゃあ、また後でねっ!」
ヒカリは小さくうなずいて、フェンスにもたれたまま、静かに見送ってくれてた。
練習が終わって、私は汗をぬぐいながら部室へと戻る。
シャツが肌にぺたってして気持ち悪いから、急いでロッカーを開けて着替えの準備!
タオルでぽんぽんっと顔を拭いて、制服を取り出す。
鏡に映った自分の顔は、ほんのり赤く火照ってて——うん、今日もいい練習だったって証拠!
「ふぅ〜、今日もよく動いたなぁ〜」
ブラウスに袖を通しながら、ちょっと伸び〜ってして、髪もぱぱっと整えて準備完了!
部室にはもう静けさが漂ってて、みんな帰る準備しちゃったみたい。
制服の襟元を整えて、カバンを肩にかけて、よし、出発っ!
部室を出た瞬間、夕方の風がふわ〜っと火照った体に気持ちよくって、
思わず「はぁ〜」ってなっちゃった。
「お疲れさま!」
目の前に現れたのは、隆之! 肩にカバンかけて、私に手をひらひら〜。
「隆之? どうしたの?」
「いや、ちょうど帰るところだったし、一緒に帰ろうかと思って」
「わっ、それいいねっ! のんびりおしゃべりしながら帰るのも楽しいしっ♪」
ってルンルン気分で話してたら——
「おっ、犬神。今日も頑張ってたな」
ん? この声は……!
振り向くと、長谷川先輩が!
「長谷川先輩っ!」
私はつい声がはずんじゃった。
バスケ部の中心で、運動神経バツグンで、何より優しくて!
最近は先輩のこと、気がつけば目で追っちゃうことが多くて……って、あわわ!
「今日はテニス、すごくいい動きしてたね。見てて、すごく成長してるのが分かったよ」
「え、ほんとですか!? まだまだだけど、そう言ってもらえるとめっちゃ嬉しいですっ!」
「うん。犬神は一生懸命だから、努力がちゃんと伝わる。無理しすぎず、自分のペースでね」
そんなこと言われたら、にこにこしちゃうじゃないですか〜〜!
「ありがとうございますっ! もっともっと頑張りますっ!」
……で、その横の隆之を見ると……
(あれ? なんかちょっと表情、曇ってる?)
「……」
唇きゅっと結んで、目をそらしちゃってる。
「お前も、犬神と帰るところだったのか?」
って長谷川先輩が声をかけたら、
「……はい。そうです」って、すっごいクールな敬語! えっ、なんで!?
「そっか。気をつけて帰れよ」
先輩は柔らかく笑って、手をひらひら〜って振って去っていった。
「それじゃ、またな、犬神。頑張りすぎないようにな」
「はいっ! お疲れさまでしたーっ!」
元気いっぱい返事したけど、横の隆之くんは……うーん、やっぱり元気なさげ?
「……隆之?」
「……いや、別に」
って、短く言って早足になっちゃった!
(えっ、えっ? なになに? なんか私、気づかないうちに変なことした!?)
私は首を傾げながら、ぽかーんとしつつ、彼の後を小走りで追いかけたのだった。




