ライバル
見返したら誤字脱字酷かったです
申し訳ない
なるべく早く直していきます
センパイに一緒に帰るの断られたときはどうなることかと思ったけど、だったら勉強に付き合えばいいじゃん、って閃いた私はセンパイに一緒に勉強していいか聞くことにした。
そしたら無事オッケーがもらえて舞い上がってたんだけど……二人きりにはなれなかった。
勉強会にもう一人参加者がいたからだ。
その人物の名前は相川凜。たしかすっごい賢い人。あとめちゃ美人。いかにも清楚って感じ。センパイはこういうのが好きなのかな?
「幸島君、その子は?」
相川凜は私を見て不思議そうに言う。
「一年の神宮寺。勉強会に参加したいんだって。いいか?」
センパイに紹介されて私はどうもと頭を下げる。
「いいけど、幸島君、仲悪かったんじゃなかったの?」
「現在進行形で悪いよ。でも安心しろ。こいつも勉強やる気みたいだし喧嘩しないよ」
改めて仲が悪いと言われると胸がえぐられる。鏡花がセンパイは私を嫌ってるんじゃなくて嫌おうとしてるだけって言ってたけど本当にそうなのかな。自信なくなってきちゃった。
「頑張り屋さんね。どこかの誰かさんと違って」
「もしかしてそれ俺のこと言ってる? 最近は頑張ってんじゃん」
センパイは不機嫌そうに唇をとんがらせる。
「今はね、今は。一年の後期に、先生にこのままじゃ進級できないって言われて私に泣きついてきたのはどこの誰でしたっけ?」
「……その節はありがとうございました」
センパイと相川凜が親しげに話している。
でもなんだろう。なにか変だ。違和感がある。
「そういえば私の勇姿見てくれた?」
「ああ、体育祭の実行委員に立候補したやつな。相川大丈夫なのか? 実行委員結構忙しいらしいぞ」
「あら? 心配してくれてるの?」
「別に。お前は根詰めすぎるとこがあるからな、それで体調崩されたら勉強教えるやつがいなくなって俺が困るってだけ。勘違いすんな」
「はいはい。じゃあ、もし困ったことがあったら頼りにしようかしら」
ここまできてようやく違和感の正体に気づいた。
私が会話に入れてない!
なんで入れないのか。それは会話の内容が二人に関するもので、逆に言うと私には全く関係ないものだから。
そしてそんなつまらない話題を提供しているのは相川凛だ。
ん? てか、さっきまでずっとセンパイを見てたから気づかなかったけど、相川凛の表情が柔らかい。
この前廊下ですれ違ったときは氷みたいに冷たかったのに。
まさか…この女、センパイが好きなのか?
もしかしてセンパイってモテモテ? 他にもライバルいるのかな。
気になるところだけど、一旦置いといてこの状況をなんとかしないと。
相川凛の好きにはさせない。
なんかの本で恋は戦争だって読んだ。あのときはふーん、そうなんだ、ぐらいにしか思ってなかったけど、今になってその言葉を実感する。
これは戦争だ。相川凛はそれを心得ている。
だったら私だって。
「センパイ、この前はありがとうございました。ほら、ジンベイザメのぬいぐるみ」
そっちがそのときならこっちだって秘技、私たちに関する会話。パクリだけどね。
「気にすんな。前も言ったけど借りを返しただけだ」
「なに? ジンベイザメのぬいぐるみって」
ちっ。相川凛が会話に入ってきた。でもその表情は焦っているように見える。
よしよし。余裕がなくなってる。ここは水族館のことを話して追い討ちを__
「この前、貧血で倒れたとき神宮寺に助けられてな。その礼でぬいぐるみをあげたんだよ」
私が口を開く前にセンパイがそう説明する。
……なんで嘘つくんですか。
胸にドロドロしたなにかが流れ込んできて一気に苦しくなる。
なんかやだな。私たちのあの時間まで嘘になったみたいで。
わざわざ隠すってことは、センパイは相川凛に私と水族館に行ったこと知られたくないってこと?
もしかしてセンパイも相川凛のこと好きなのかなぁ……
それからは淡々と勉強会が行われた。
センパイと相川凛は相変わらず楽しそうに話していて、たまーにセンパイが私に話を振ってくれる。
相川凛は私を会話に入れる気はないくせに、勉強の方は丁寧に教えてくれた。
悔しいけど、めっちゃわかりやすかった。
そんな時間が過ぎ、勉強会が終わった。
私は二人にお礼だけ言うと逃げるようにその場を去った。
ここまでお読みいただきありがとうございます
記念とかにはならないかもしれませんが、今回で十話まできました
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