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エイプリールフールに嘘はつかない

作者: 欠伸

 嘘の日エイプリールフール。今日はそこら中で嘘が渦巻き、それに笑う者やそれをネタにする者が増殖する。

 それに今日は嘘をついても怒られないし、何を言っても嘘だと思われる日。


「最高だ」


 今日という日のために昨日から準備していたとっておきの嘘。

 SNSを開き、それをつぶやく。


「彼女ができましたっと」


 とりあえず言ってみる。その呟きに友達や他人が反応し、おめでとうの言葉や罵倒やダウトといった呟きが返ってくる。

 そんないつも通りの呟きをしてスマホを閉じる。

 家のベッドから飛び上がって準備をし終えて玄関を出る。


「ご機嫌ようそうさま」


 誰と言わざるを得ない状況に困惑を隠せない。一目見た時に女性とはわかるがそれ以外の情報は取り入れることはない。

 自分から始めた自己紹介によってその情報は完結する。


「私はあなたの恋人カレンです」


 嘘が嘘ではなくなり、自分の呟きが効果をなさない。


「いやお前だれ?」

「だからカレンですって」

「名前は知ってるよ。いや俺君のこと知らないんだけど……」


 それもそのはず、カレンカレンとは言うが実際にはこいつは恋人とか以前の赤の他人。

 知り合い以下の本当の初対面。


「いやいや何回もあってますよここで」

「え?」


 意味がわからない。なぜこんなにも平然としているのかまじでわからない。

 初対面なのにも関わらず、それをいう精神に恐怖を覚える。


「すみません。ちょっと、忘れ物してしまって」


 玄関の扉を閉じる瞬間に……


「また会いましょう。ここで」


 ニコッと笑うその笑顔に少しの可愛さと深みが心に突き刺さる。

 嘘が現実になったとしても知らん奴には……


「なんか見覚えがあるきもしてきた……あっ」


 そうか……そうか。あいつは初対面でもなんでもない。

 そう何回も何回も呟きをした瞬間にあいつはいて。

 その場に倒れた。

 またベッドから目覚める。寝っ転がりながらもスマホをつけて日にちを確認。

 今日は

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