1−6 魔法練習
剣の授業のある日は魔法の実技の時間がない。
魔法の実技のある日に魔法の実技の自主練習をすることは認められない。
一定時間に連続して魔法を使うと、
人体内の魔法機関にオーバーヒートの様にダメージを与える事があり、
学院では1日に1時間以上の魔法実技の練習を認めていなかった。
そもそも、多くの魔法師は魔法を連続して使用すると、
1時間も保たずに異常な発熱、発汗を起こしてしまう。
自覚症状があればすぐに練習をやめることが求められていた。
魔法練習場の予約を前日に取っていたので、排水設備のある練習場にて練習を行う。
ウォーターボールの呪文を唱える。
覚えていた呪文と違う呪文だが、
同じ感覚で水を出そうとすると、
何だか出てきた水がふよふよしている。
そのまま前に打ち出そうとすると、
ばしゃん、と手元で弾けて水を撒いた様な形になった。
えぇっ?、呪文が違うとこんなに発動が違うの!?
カバンに入れた呪文のメモを確認する。
間違ってないよね?
再度ウォーターボールを唱える。
ばしゃんと手元で弾ける。
所謂魔法制御が甘いという事だろうか。
しょうがないので、水が集まった状態で少し整形しようとする。
ふよん、と水が震えている。
そのまま打ちだそうとすると、
今までより前には出せたがやっぱり水遣りの魔法にしか見えない。
(渦巻きにしてみようか)
エレノーラが父親に水魔法の才を認められたのは、
呪文も知らずに短槍の先に水魔法を付与し水を発射する、
中級魔法相当の攻撃を覚えたからである。
それが出来る様になるまで、
試行錯誤を続けたが、
槍の先で水を回転して発射するのが攻撃の威力を上げる方法だった。
そういう訳で集まった水を回転させて発射方向に尖らせようとしたが、
普通に遠心力で飛び散ってしまった。
色々やってみたが、
とりあえず明日の実技の授業に間に合いそうにないので、
普通に水を纏めて前に打ち出すやり方でなんとか最低距離の10ftを届かせる。
纏める工程がなんだかもたもたしている様で格好悪いがしょうがない。
次の初級魔法であるウォーターシールドも唱えてみる。
ふよん。
水が下に垂れ下がって見苦しい。
一生懸命、円の盾の様に整形しようとするけれど、
どうしても下に溜まる。
整形しようとすると途中で弾けてしまう。
(こんな時こそ渦巻き!)
円形の盾にするなら渦巻かせるのが良いと思われたが、
当然外に飛んでいってしまう。
一度の成功体験に拘り、失敗を続けるのは愚かな事である。
(これも要練習だね…)
1時間の練習を終えて、練習場の鍵を事務所に戻して寮へ帰る。
前途多難だった。
魔法学院を舞台にしているのに、
魔法が出てくる前に剣の授業を書いたのは、
月曜と金曜の授業スケジュールが
3時間目 魔法講義
4時間目 剣の授業
放課後
となっているからで、構成を考えてない訳ではきっとないと思うんですが...