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1−5 剣の授業

魔法のある世界では、重装騎兵が猛威を振るうことは無かった。

それ故、教会が騎士道規範を定義することもなく、

信教の対価としての弱者救済は、聖人聖女の伝説が担った。

よって王立騎士団は王国の常備兵力である軽装騎兵の集団であり、

戦争がほぼない状態での通常業務は下馬戦闘による魔獣征伐、

警察の上部組織としての行動だった。

警察の上部組織としての行動とは、つまり貴族街や貴族領に対する警察行動だった。

この事から、騎士団入団者には貴族の子息が好まれた。

騎士爵などという半貴族の身分以上に、実家の影響力が望まれたのだ。

だから、王立「魔法」学院であるのにその生徒である貴族子息は、

乗馬と剣の授業が必須となった。

この2教科の教師は騎士団から派遣され、

魔法学院での2年時の評価が上位十人であれば騎士団への推薦がもらえた。

よって、これらの授業はいつも真剣勝負となっていた。


剣の授業については、初日から生徒同士の打ち合いが行われた。


エレノーラの最初の相手はギルバート・フレッチャー子爵子息、

第1王子の友人である。

茶色の髪と茶色の目の少年である。


小型の盾と片手の模擬剣で武装し、

軽装防護服を着て頭部に顔面を保護する金具付きの保護具を被り打ち合う。

12歳のギルバートは、

女子としては背の高い方であるエレノーラとは背丈が殆ど同じ。

それでも体重移動と剣速が速い。

彼の脚部に少し魔法を感じる。

無意識に強化魔法を使っているのだろう。

攻撃を受け流しながら反撃の時期を伺うが、

正しい型を気にするというより感性に従い剣を振るうタイプの彼は、

中々反撃しにくいタイプだった。

相手の攻撃の合間に滑り込ませた筈の剣をうまく流され、

態勢が崩れたところに寸止めの剣を首筋に当てられる。


負け判定となったが、教官から声を掛けられる。

「エレノーラ嬢は王国剣術以外の流派も習った経験があるのか?」

「はい。領地騎士団に帝国南部出身の者がおり、地元流派を一部教えられています。」

「打ち合いは可能か?」

「趣旨は理解しますが、勝負にはならないと考えます。」

要するに振り方を覚えている程度で、

エレノーラが覚えたのも、

他の騎士見習い達にそういう正統でない剣術への対処の練習をさせる為に

指導教官が覚えさせたのだ。

「そういう趣旨で覚えたのだろう?

 ここでも発揮して頂けると有り難いが?」

「…微力を尽くします。」

教官とは剣の授業中は上官である。

騎士見習いであるエレノーラからすれば上意下達の行動は当然であった。


「全員注目!

 エレノーラ嬢が異流派を嗜んでいる。

 異流派と立ち会った事が無い者も多いと思われるので、

 見ておく様に!」

再度ギルバートとの立会になる。


横振りに構えて大きく振る。

反動で大きな衝撃を受けるから、

感性で剣を振るギルバートにはこの見慣れない剣術に対する対応が難しかった。

剣を大きく弾かれた隙にエレノーラの小振りの剣が彼の胸を軽く打つ。

「それまで!」

生徒達からざわめきが起きるが、

一部は対応方法を話し合っているのだろう。


「ポール卿、相手ができるか?」

「お願いします。」

ポール・サマーズ公爵子息は男子生徒の中でも大柄の男で、

上位貴族としては珍しい、赤毛の男だ。



エレノーラの横への大振りの剣を最小限の反動で受け流す。

ポールは大柄であり、既に筋力も平均より鍛えているのだろう、

姿勢を崩すこと無くエレノーラの剣をあしらう。

タイミングを見て、エレノーラの肩に軽く剣を当てる。

(出来るわ、この人)

今後、体格・筋力に男女間で差が出ることから、

在学中は強敵であり続けるだろう。


エレノーラに男子生徒に対する色気のある心情はなかった。

それは領地騎士団での同年代の少年達が全く話の出来ない乱暴者揃いだった事による。



恋愛小説を書くために投稿を始めた筈なのに、

毎回剣を振る小説を書いているのは何故なのでしょうか。

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