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1−41 魔法院(7)

「魔導士試験では、魔法理論試験は魔法学院卒業程度の知識が必要になる。

 半分は一般魔法論、半分は水魔法専門だ。」

さらっと無理な事言ってるよ、この人。

「水魔法専門は初級魔法と中級魔法に関わる事なので、

 魔法が発動出来るなら後は補助的な学習で十分対応できる。

 一般魔法理論については今まで殆んど話をしているから、

 まとめと補足で間に合うだろう。」

そんなに先の話までしてたのか。

どうりで1年向け参考書を探しても載ってない事が多い筈だ。

「よって、毎月曜はまとめの講義と質疑応答を行う。」

と言われたが、そのまとめの講義の内容は確かに前に聞いた事が多かった。

但し、書き留めが出来ていなかった内容が結構あった。

ランディーも簡単な質疑応答で必要な範囲まで進めてくれるが、

今ひとつ理解が及ばない箇所がある。

私のかなり乱雑な書付けを見て、

「こことここは重要だから理解出来ない様なら学院で調べておいた方が良い。」

と珍しく要点のみの学習を勧めてくる。

きっと本当は全部覚えろ!って言いたいのだろうけど、

生徒の頭が悪くて申し訳ないです。

時間もないので要点のみ調べさせてもらいます。


水魔法専門のテスト対応は、

呪文の詳細解説だった。

発動の際の注意点は書き留めてあるから、

呪文の単語の意味を覚えれば良いらしい。

と思っていたら一度聞いた筈だがうろ覚えの様で、

半分近くは曖昧な理解レベルだったので新たな書き込みが必要だった。

寮に戻って以前の書付けと統合すれば一通り注意点が揃う筈だ。


実技については土曜の詠唱実験の前に初級魔法も確認する事になった。

その際には姿勢チェックが厳しくなった。

詠唱実験と同じポーズで呪文詠唱をする様に厳命されたのだ。

このポーズを取るとなんか魔法使いっぽい。

というか魔法使いそのものなんだけどね。


どう見ても一般魔法理論の理解が歯抜けだったのが痛い。

要点に絞って指導を受けているけれど、

その要点が試験から外れていたらどうしよう…

そこはランディーを信じるしかないか。

私が勝手に判断しても良い結果が出る筈がないんだから。


できれば火曜と木曜も試験対策指導を受けたいところなのだけれど、

両日共無慈悲に風魔法、土魔法の中級魔法の指導を続けていく。

今は水魔導士試験に合格するのが最優先じゃないんだろうか…


そういう事で、

水曜午後は図書館で水魔導士試験対策に集中し、

その後に3属性の中級魔法の練習を続ける事となった。

金曜夕方のタウンハウスでの礼儀作法の個人授業を休みにする事を

祖母が許してくれる訳もなく、

授業の予習復習は疎かになってしまう。

まあ魔導士試験が終わった後、下期試験まで1ヶ月あるから

何とかなるかなぁ…


と言う事で、実質突貫作業での魔導士試験対応となった。


水魔法の魔導士試験の当日、

魔法理論試験の課題は、

一般魔法論は記憶にない項目がいくつかあって頭が真っ白になったけれど、

それ以外は記憶にあったので気を取り直して回答を記入し、

水魔法専門関係は全部覚えている事だったので問題なく回答した。


魔法実技試験は問題なく20の魔法を発動した。

中級魔法は不安があったけれど、

やはり土曜の実験で連続して発動していたのが良かった様だ。

記憶とか制御とか言うより手癖で発動していた。

途中のアイスボールで標的を粉砕してしまい、

アイスランスは地面目がけて打つ様に指示された。

それでも固めた氷柱が大きかったので一度止められた。

ランディーがサイズを小さくする様に呪文を書き換えて、

それを詠唱する様に指示された。

今までも地面に大穴を開けていたけど誰も文句言わなかったのに。

試験当日に文句を付けられると凄くショックだよ。


実技試験中に理論試験の採点も終わり、

理論試験は一応ボーダーラインは上回った。

が、ランディーは満点でない事を不満そうにしていた。

突貫作業だったし私の試験結果なんだから無理言わないでよ。


因みに、学院1年での魔導士試験合格は普通なら嫉まれるところだが、

魔法院内でそういう流れは全く無かった。

あのランディー・アストレイが学院女生徒の指導を担当していきなり泣かせて、

その後も無理を押し付けているという噂は誰もが知っていたからだ。

可愛そうに、と皆思っていたが、

代わりの人身御供になりたい等と思う者は一人もいなかったのだ。


ブクマが増えた様ですね。

お目が高い!

もうちょっとで恋愛小説になるところですよ!



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