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1−22 冬休みの終わり

冬休みが終わろうとしている。

日差しが暖かい日も増えてきた。


ウォーターボールは改善しなかった。

ウォーターシールドも改善しなかった。


防御は中距離でウォーターフォール、

更に近距離ではウォーターウオールを決壊させて水で押し返す事にした。

でも、魔獣は最後に飛び上がって襲ってくる事がある。

これに対処するにはウォーターシールドを回転させて保たせる。


攻撃は短槍に水魔法を付与して射出する。実質片手剣の間合いだ。

補助攻撃として、実はアイスランスの呪文を使える様になった。

アイスランスが使える訳では無い。

凍る途中で崩壊する物を投射して役に立つ訳がないから。

水が増えるとたぷんと決壊する、つまり下に流れようとするのを利用して、

下方向に凍らせる事にしたんだ。

下に氷柱の様に伸びた物を前に投射出来る訳がない。

つまり、標的の上で凍らせて、下に加速して叩きつける事にしたんだ。

50ftは離れても使える様になった。

むしろ新しい魔法!と胸を張れれば良かったのだが。

創意工夫と言えば聞こえは良いが、

所詮は問題から逃げているのは理解していた。


まあ、そうそう下級以外の魔獣が現れる訳がない。

騎士団と学校がしっかり調べた後で演習するんだから。

これは保険なんだ。


図書室での勉強は、

復習が終わり、そろそろ予習に入っている。

下期は気合を入れ直して勉強しよう。


もう父親が王都にやって来る日になった。つまりもうすぐ下期が始まる。

久しぶりに会った父親に殆んどが3の成績表を見せて頭を下げる。

「ごめんなさい...」

「母上からお前なりに頑張ったとは聞いているから、謝らなくても良い。

 これからも頑張りなさい。」

「はい。」


祖母が話を変えてくれる。

「そう言えば、冬休み中に練習して、魔法は良くなったのかい?」

いや、そっちに振られると話が出来ないんだけど!泣くよ?

だから話をずらす。

「下級魔獣討伐演習で何かあった時に備えて槍への魔法付与の練習を続けたけど、

 土に向ければ幅7ft、深さ3ft位の穴が開く位になったよ。」

「は?魔法付与は中級魔法だろう?」

「え、地元では呪文なしでやっていたので、呪文を唱えれば当然より強い魔法になりますけど。」

祖母マチルダも父ジェイムスも驚いている。

特にジェイムスの胸中は複雑だった。

1年にして2年以上の魔法を扱える才能のある娘が

大人の都合で2組になっているのは不憫だった。

基礎の基礎に躓く劣等生なのは本人が言わない以上、気づかないのだ。

エレノーラが部屋に戻った後、マチルダとジェイムスで話をする。


「あんなによくやってる娘が大人の都合で報われないなんて酷い話だよねぇ...」

「やっぱり随分金が動いたんでしょうか?」

「そういう噂だね。

 只、ジョシュアの成績が酷かったから、って言われたら文句言えないよね。」

「1組なのに3をもらっていたジョシュアと、

 2組のエレノーラの3は別物ですからね。」

二人共、1組は成績が5か4、2組は成績が3か2、

3,4組は成績が2か1という噂を聞いていた。

次男ジョシュアは余りにやる気がない為、剣と乗馬の授業以外は3ばかり貰っていた。

もちろん、剣と乗馬は1である。

「只ねぇ、スタンリー家自体の財政が苦しいという噂も効いていると思うんだよねぇ。」

「噂じゃなくて真実なんですが。」

「...苦しいのは分かっているけど、改善する気ぐらい見せなさいよ。」

「その気はあるんですがね。」


もはや貧すれば鈍するの世界だった。

元々、スタンリー領は必要な場所に兵力を配置する為の領地でしかない。

自給自足する能力しかないのだ。

発展させる余力は無く、

一度ダメージを受けると回復力に劣る為、長年苦労する事になる。

中央の貴族からは流刑地にも見え、

蔑まれるのも仕方のない事だった。


どん底エレノーラの回でブクマもらったのは嬉しかったです。

やっぱり悩む少年少女の恋愛の方が心に残ると思うんです。


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