1−17 上期試験
結局、11月末には3種類目の初級魔法の解説が終わっただけなので、
魔法試験の範囲はそこまでらしい。
その他の教科を含めて、3連燭台に蝋燭を付けて、
夜間に上期の復習をする。
蝋燭はあまり大量に使っては家の負担になるからと控えてきたけれど、
さすがに試験前に使わなければ何時使うのか、である。
外国語であるパルテナ語の綴と発音が難しい。
あの教師の発音は本当に本場のそれと同じなのだろうか。
疑問に思うけれど、とりあえず発音しながら綴ると覚えやすい気もするので
発音しながら綴っていく。
国語も口語では使わない文法をしっかり覚えられる様に繰り返し音読する。
まあ隣は空室だから誰の迷惑にもならないから良いだろう。
数学は授業で扱った公式に関する例題を進める。
こればかりは図書室でやらないと、
問題と答えを写して部屋でやったら当然解き方が分かってやる事になるから
解き方を覚えたことにならない。
魔法のテストは授業内容から逸脱した内容はなかった。
これなら大体分かる。
それ以外の試験も大体授業と図書館の書籍で学んで覚えた内容だった。
全体的に、そんなに悪い成績にはならないんじゃないか、とほっとした。
魔法の実技はウォーターボールとウォーターシールドで受ける事にした。
3種目の初級魔法は(ウォーター)キャリーで、
手桶一杯の水を7ft離れた手桶に移すのが要求される事なのだが、
私の場合、手桶も動かしてしまう。
例によって魔法の制御が甘いのだろう。
これも例により、回転させて水だけ上に動かし、
移動させようとするのだが、
移動中に回転によりぶちまけてしまう事があり、
若干自信がなかったのだ。
紙の試験が終わった後に実技の試験の日がある。
試験勉強で魔法実技の練習が少なくなった後の試験なので。
実力の差が出るのだろう。
ウォーターボールはボールでなく竜巻状にするのが作戦だった。
尖らせた先頭からぐるぐる回して溢れない様に繋げていく。
それでもまっすぐでなく山なりに飛んでいく。
ウォーターシールドはちゃんと考えた。
真ん中に多めに水を位置させて回転させるのだ。
これで下にたぷん、となるのは避けられたが、
これ盾になるのか?と思う。
まあ他の人のウォーターシールドも防御力はなさそうだけど。
試験官から「なんで尖らせるんだ?」と問われた。
「平らにするとすこし格好が悪かったので。」
と言い訳をする。たぷん、と下に垂れるよりマシでしょ!
乗馬の実技試験は何とか馬の機嫌を損なわなかった。
浮かれて、馬の首に抱きつく。
馬が嫌がって首を振る。
...まさか、あんたも私の事を男扱いしてんの!?
と睨むと馬が顔を背ける。
おい!
そんなエレノーラをデビット・マナーズ侯爵子息やコリン・カーライル伯爵子息達は
(女の子のフリすんなよ)
と思って見ていた。
一方、赤毛のポール・サマーズ公爵子息は、
(それでいいんだよ、お前が馬を警戒するから馬も警戒する。
そんな風に気兼ねなく相手してやれば、
馬も素直に触れ合ってくれるさ)
と思っていた。
前作の一番の反省は、
「もうちょっと文章が上手くなってからお客さんを呼ぶことを考えよう」
でした。
今は自分の書きたい事をしっかり書くという段階です。
なので、私が一番書きたい事をあと5回位書かせて下さいね。
リアルタイムのクリスマスにはイベントが始まって、
もう少し活発な話になりますので。