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1−15 剣の授業(3)

コリン・カーライル伯爵子息は剣の実力については微妙な少年だ。

但し、それ故、強化魔法を堂々と使用している。

剣の授業中に強化魔法は禁止されていなかった。

そういうスタイルで通すなら許可されるのである。


こいつと前回やった時は、

強化してガンガン攻められて負けちゃったんだよね。

こちらも強化して一瞬のスピードで攻めてやれば勝てるだろうけど...

剣の授業は剣の技術を磨く時間なんだから、

剣の技術だけで何とかしたい。

...よし、魔法検知だけ利用しよう。

エレノーラは水魔法師だから、

水魔法の一種である強化魔法は十分検知できる。

それを利用すれば良い。


打ち合いでコリン・カーライルと向き合う。

始め、の声と共に強化した踏み込みをするコリン。

魔法検知でタイミングと踏み込み方向を予測できたエレノーラは

一瞬の差で避け、剣を振り下ろしてコリンの剣を下に打ち付ける。

勢いを殺せないコリンがたたらを踏んだ間に首筋に剣を当てる。


ふふん、と上機嫌のエレノーラを、

涼しい顔で赤毛のポール・サマーズ公爵子息が眺める。

強化魔法を検知して動いたんだろうな、と彼は当たりを付けていた。

なら、強化しない動きは対処できるかな?


次はポール・サマーズとエレノーラの打ち合いだった。

早めのステップで踏み込んだ彼に対し、

エレノーラは避けて反撃をしようと動いたが、

ここでポールがこちらの動きを見て、

ワンテンポ間を開けて剣を振ってくる。

腕力で劣るエレノーラは当然受け流そうと思っていたが、

その「間」に戸惑い失敗して押されてしまう。

追撃を避けて横に移動しようと考えていたが、

じっとこちらの動きを見てからポールは踏み込むので、

スピードの乗った動きにならす、

まともに攻撃を受け続ける。

間を変えて実質フェイントとしてくる赤毛に、

エレノーラのリズムが崩される。

そういうのは力の劣る方がやる事で、

実力も筋力も体格も有利なあんたがやる事じゃないでしょ!!

体勢まで崩されて、

頭に軽く剣を当てられる。


くやしいっ!!


地団駄を踏む勢いで悔しさを隠さないエレノーラに、

赤毛は涼しく笑った。


次にポール・サマーズが打ち合いをするのを穴の開く程見つめて

隙を探すエレノーラ。

周囲は怖い女、と思ってみているが、

ポールは心の中で

(あんまり熱い視線で見つめるなよ?)

と笑っていた。



短めですいません。

後ろと繋げて1話にすると露骨だったので明日も短めです。

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