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私は変態です。

 部屋。

12畳ほどの部屋にはベッドと鏡があるだけだ。

縦170㎝横100㎝ほどの大きな鏡の前に立つ。

そこに映る自分の姿を見る。

黒く短い髪の毛、整った眉毛、二重の瞼、黒い瞳…

そこそこ顔は整っている。

唯一変な点があるとするのなら……

裸だということだ。

上から下までなにも身に付けていない。

いや、唯一靴下は履いている。


「変態は私の事です。」


 一人で鏡の中の自分に呟いて、ニヤリと笑った。

そう、本当にその姿は変態だった。


「お前はだれだ!」


「私はお前だ。」


「お前は俺か?」


「俺はお前だ。」


「俺は変態だ。」


「お前は変態だ。」


「俺もお前も変態か?」


 鏡の中の自分と語り合う。

ふとした瞬間にハッと我に帰る。


「なにをしてるんだ俺は……………」


 俺は自分の愚かさに、ふっ、と笑うとズボンを履き、服を着た。

もちろんパンツは履かない。

変態だから。

変態としてのプライドがパンツというものの存在を許さなかった。

なぜ、局部だけを守るのかがわからなかった。

どうせはくならズボンでいい。

寒いならタイツのようなものでいい。

なにより人前でパンツを履いていないという自分の中の羞恥心の心地よさを感じられないということが一番パンツを嫌いな理由だった。


「よし…今日も行くか。」


 いつものように仕事へ向かう。

変態であっても働かなければ生きていけない。

パンツを買う必要がないため人よりはお金はかからないが。

様々なアイテムを買う必要があるのだ。

ローター、バイブ、オナホ、縄、鞭、アイマスク…

日々新しいものが出る。

それらはいつも俺に新しい刺激を与えてくれる。

他人には決して使わない。

こそこそと他人にバレないように自分に使うのが変態だから。


 ドアを開け、駅へ向かう。

家から駅まではそれほど遠くない。

なんの変哲もない住宅街を10分ほど歩けばすぐにつく。

その間、スマートフォンで新たなアイテムを探す。

駅につき電車に乗るとき、この時が平日で一番の幸福の時間だ。

混雑する朝の通勤ラッシュは他人とぶつかり合って移動する。

その時他人の鞄や服などが自分の局部に当たったり触れたりする度にどんどん興奮した。

ここで一つ、注意事項がある。

決して俺は痴漢はしない。

露出もしない。

よくニュースで目にするがあれは最低の行為だ。

自分だけが快楽を得るために他人を巻き込んではいけない。

俺のように絶対に他人には迷惑をかけないことがプロの変態としてのマナーだ。


 5分ほど電車に乗って興奮している自分を表に出さないようにしていた時、ふと目に入ってきた。

サラリーマン風の中年男性、頭は薄く小太りの男性が女子高校生と思われる少女のお尻に手を添えていた。


(痴漢だ……最低だな。)


 か弱い女子高生をそんな風に弄んでいる姿を許せなかった。

男性を捕まえようと心に決めた。


「この人!痴漢です!」


 か弱そうな女子高生が勇気を出したのか叫んだ。

周りにいた人が男を抑えた。

そのまま5分ほど乗り次の駅につくと警察がホームにいた。

その男は警察に囲まれどこかへ連れていかれた。


「痴漢だって」

「最低ね」

「変態親父がキモいんだよ」


 ブツブツといろんな声が聞こえる。

しかし、許せない。

変態は俺だ。

あいつは痴漢をした時点で変態ではない。

ただの迷惑犯罪者だ。


 同じ駅で降りるとそのまま会社へ向かう。

降りる際に大勢の人が同時に降りるため多くの快感が得られることで怒りは抑えられた。

駅から会社まではビルが建ち並んでいる。

その中を多くのサラリーマンが歩く。

この中に何人の変態がいるのだろうか。

そんなことを考えながら歩いているとすぐに会社についた。


ウィーン


 自動ドアを抜けエレベーターの前に並ぶ。

このエレベーターも快楽の場所だった。


(ああ……今日もぞくぞくしたなぁ)


 心の中の声は絶対に漏らさない。

プロだから。

エレベーターで12階まで上がり、自分のフロアへと歩く。


「おはようございます。」


 いつものように仕事が始まった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「お疲れさまでした!」


 仕事が終わり会社を出て駅へ向かう。

時計を見ると23時を過ぎていた。

かなり残業をしてしまった。

向かっていると一人の男性に目がついた。

プロの変態としての勘が警告した。

こいつは変態として失格だと。

その男の後をこっそりとつけていく。

その男は前にいる女性を追いかけているようだった。

ビル郡を抜け路地裏に入る。

まったく人がいない。

車が何台かとまっているだけだった。

しかし、その中の1台、ハイエースと思われる車に目がついた。

中には数人の人影が見える。

これはヤバイと思った。

その時には男はもう走り出していた。

男は女性に襲いかかる。

ハイエースから数人の男が出てきた。

女性は必死に叫び抵抗しているが誰もいない。

男達は女性をハイエースへ連れ込もうとしている。


「…許せない」


 ポツリと呟いた。


「おぉい!お前らなにをやっている!」


 そう言って走り出した。


「なんだお前!」


 男達と揉み合いに…ならない。

俺はまず、始めに飛び蹴りをかまし、他の男どもはぶん殴った。

全員、一瞬でノックアウトした。

変態を侮辱されたことに対しての怒りが俺を変態の鬼へと変えた。


「あぁ……本当に…ありがとうございます。」


「いえいえ、大丈夫ですか?警察のところへ行きますか?」


「お願いします。」


 その女性と共に交番へ向かった。

更新は適当です。

週一以上はします。


読んでいただきありがとうございます。

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