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妖獣忍法伝INAZUMA  作者: 浦切三語
第二章 愛切斬
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第十五話 幻よ、消えることなかれ

 瓦礫と血痕が散らばる路地を舞台に、紅蓮を照り返して白刃が躍る。赤い円弧を描いて黒幻の忍達を切り崩し、一つ、また一つと障害を蹴散らす電七郎の刃。気が付けば、あれだけ猛威を振るっていたはずの敵の姿が跡形もなくなっている。


「中々やりおるな」


 全ての敵を倒し終えたところで、背後から怒り混じりの声がした。電七郎の振り返った先。壮絶な殺気を纏いし葵光闇の姿があった。


「如何なる術を使い対抗したか……それはこの際どうでもよい。重要なのは――」


 紡ぐ言葉に力が込められていた。電七郎を奈落へ叩き落とさんとする猛烈な力。それが今、確かに発現しようと産声を上げる。


「私の幻術は、まだ本気を見せていないという事だ」


 言い終えると同時、葵の姿が陽炎の最中にあるように、ぶれた。二重、三重と、その体が薄っすらと分裂し、電七郎を取り囲むように広がっていく。


 葵光闇自身の姿をした幻の分身群。それは数瞬の経過と共に実体化していった。印も結ばず、音も立てない静かな忍法。


「我が外道忍法〈千幻身(せんげんしん)〉。その力、とくと味わえ」


 圧倒的な包囲網の完成を告げる声だった。見れば、電七郎の視界に映る景色の全てに葵の姿があった。言葉に偽り無しの、千にも及ぶ分身体。見ただけではどれが本体でどれが偽物なのか、区別のつきようもない。


 窮地を脱し、再度の窮地に陥った電七郎。だが本人はそうは思っていなかった。その証拠に、これだけの数の敵に囲まれていながら、先手を仕掛けたのは他ならぬ電七郎自身であった。包囲陣を真正面から突破しようと、迅雷の如く翔け走る。


 ほんの少し遅れる形でこれを迎え撃つ葵。先に動きを制された形になっても、心に波紋が浮かぶことはなかった。個人が如何に優れた力を持っていようと、所詮数には勝てない。戦場を又にかけてきた彼女には、経験に裏打ちされた自信があった。


 しかし、たとえ多くの経験を積んできたとしても、それが何時でも役立つという訳では決してない。相手が未知の力を会得し、己の一部として十分に扱っている場合は特に。


 忍刀や奇異な見た目の忍具を手に、左右上方、あらゆる方角から襲い来る千の幻身。


 迎え撃つ。印契の早業。幻を断ち切る刃を手に、電七郎の全身から稲光が炸裂した。忍法〈雷熱波〉。無我の境地とも呼べる域に達した雷鳴轟く忍法を、防ぐ手立ては何処にも無い。


 掻き潰さんと怒涛の如く襲い掛かる葵の幻身たちが、蒼紫の熱光を浴び、蒸気の如く立ち消えていく。しかし、まだ闘いは続く。第二陣。四方八方より、隠れ潜んでいた幻身の群れが、刃を翻して迫る。


 際限なき重塊の攻め。数にものを言わせた物量攻撃。それが〈千幻身〉の特筆すべき攻撃方法であると同時、その一点のみに特化したことが弱点であるともいえた。


 身を潰さんと吹き荒れる破壊の嵐を〈雷熱波〉で凌ぎながら、電七郎の神経細胞を流れる加速電子は臨界点に達しようとしていた。


 幻術の檻から解き放たれた心が、電七郎自身が意識するのとは無関係に、知覚の全てを鋭敏化させていた。地を蹴る電七郎の足は止まることなく、残像を置き去りにして大気を焦がし、心と肉体は加速を続ける。


 その迫力と威力たるや凄まじく、大地を蹴り飛ばした時の衝撃で、大粒の粉塵や砂屑が巻き上がる程であった。それらの濃密な塵は電七郎自身の姿を敵から欺く形で働いたが、同時に、葵が戦渦から距離を取るための時間稼ぎにもなった。


 彼女としては、幻身の猛攻を浴びせ続けて電七郎の気力が限界を迎えたところで一気に仕留める算段でいた。そのためにも、本体が余計な労力を費やすのはできるだけ回避したいと思い、余計な戦いに巻き込まれぬよう十分な距離を取ろうとしたのだ。


 しかしながら、考えが甘かった。


 家々の屋根から屋根へ飛び移って退避しながら、剣戟鳴りやまぬ激戦地の方角をちらと見やる。すると、雨雲の内部で稲光が湧き、分厚い粉塵の塊が激しく紫と蒼に明滅した。そこから放たれた一条の雷撃が、逃げる葵光闇の背を叩いた。


「がはッ!?」


 あまりのことだった。衝撃で血を吐き、平衡感覚を崩して地面に落下。だが、すぐに持ち前の運動神経で態勢を整える。致命的な傷には至らないが、不気味な危機感に憑りつかれたのだけは事実だ。


 今の一撃は、偶然でも何でもない。葵光闇は推測から確信を得て、すぐに恐怖した。


 彼奴は――稲妻の忍法使いは、何もかもを見抜いている。何が幻で、何が真実であるかを。どの葵光闇が偽物で、本物であるかを。この幻世を埋め尽くす虐殺の蟻どもを率いている長が、何処にいるのかを。


 葵の視界の向こうで粉塵の幕が一時に爆発した。埃や屑が電熱で発火し、周囲に引火したのだ。その爆炎の中心を突き破り、何かが物凄い速度で迫ってくるのを見た。


 戦慄が背筋を駆け抜ける。屋根という屋根を跳んで翔け、幻惑の絶叫を振り切って怒りに震える澄んだ刃。その構え手たる電七郎の姿に、否が応にも視線が吸い込まれてしまう。


 どうするべきか。どう叩き潰すべきか。状況を改善しようと思考を巡らせる。そのせいで、応戦に僅かな遅れが生じた。


 屋根から飛び降りる電七郎が、容赦なく上段から刃の迅激を叩き込まんと、裂帛の叫びを上げた。ほとんど無意識から出た、魂の声だった。


 葵は咄嗟に左手を上げて、傲岸に嗤うしゃれこうべの手甲で、敵の一撃を受け止めようとした。それこそ、彼女の浅はかな思惑が呼び寄せた、ほとんど反射的な動作だった。


 こうなった以上、電七郎が取るべき攻撃の形は、ただ一つしかなかった。相手と己の位置を超速で心が悟り、次にどんな行動をとれば良いかの解を、無意識が導き出した後だった。


 電七郎が、己の闘争姿勢に柔軟さを纏わせた。迅速に右手の刃を握り直し、全身の筋肉を総動員させ、着地したと同時に左右の足を素早く入れ替え、重心をやや後ろへ移動させたのだ。その時点で既に、彼は軸足一本で姿勢を支え、次の挙動に入ろうとしている。


 閃光が一層のこと激しく煌いた。電七郎が腰を大きく左に捻り、大気に牙を穿つ勢いで半円状に回転し、勢いをつける。


 仮面の向こうで、葵の瞳が驚きと共に見開かれた。上段からの攻撃は、陽動。謀られた。本能的に、そう感覚した。足元に巨大な穴が出現し、真っ逆さまに落ちていくような恐怖に襲われた。攻撃を繰り出そうにも、脳内の処理が追いつかなかった。


 勝負は決したと言って良かった。


 蒼紫に輝く刃。雷電の波紋を纏い、鳴動。


 渾身の一撃を、躊躇なく敵へ。


 電七郎が振り向きざまに放った逆袈裟斬りの一撃は、目視も不可能なほどの早業であった。葵は万が一の為に、装束の下に超硬鎖帷子を着込んでいたが、それもほとんど意味を為さなかった。


 装束が裂かれ、網状に編まれた鋼ごと肉を斬られ、葵の胸から鮮血が飛び散った。斬撃の余波が衝撃となって、顔を覆い隠す仮面の一部に伝わり、亀裂が入り込む。


 そこへ、駄目押しの追撃を見舞う電七郎。中空を指していた仕込み刀の切先が、風を混ぜながら反転。電磁を漲らせた刃を袈裟懸けに振り下す。どうしようも無いほどの深手を葵に叩きつけた瞬間だった。


「幻惑の海に呑まれるのは、貴様の方だ、葵光闇」


 戦闘の終結を告げる科白に、葵は仮面越しに大量の血を吐くことで応えた。痙攣したかのように手足を震わせて、力なく仰向けに崩れ落ちる。その薄い胸が、弱々しく上下していた。


 電七郎は血を払い、刀を納めた。彼の心が無意識下での長い遊泳を終えて、再び意識上に立ち上がった。


 止めは、あえて刺さなかった。情けをかけようというのではない。聞き出せるだけの情報を吐かせる為だ。戦場で重要な捕虜を捕らえた場合に限り、それは有効な手続きであった。


 しかしいつでも、その選択が正しいとは限らない。


 その事を、電七郎は遅れて強く実感することになる。


 幻術の世界で、現実世界で跳梁跋扈する魔人の真なる目的について問い質そうと口を開きかけた時だった。戦いを経て大小の傷がつけられた葵の仮面が、ついにその役目を終えたかのように、木っ端微塵に吹き飛んだ。


「なに……」


 口元が真っ赤な血で汚れた葵の素顔が目に入った時、これまでに経験したこともない激しい困惑が、爆雷の如く電七郎の胸中で炸裂した。


 なぜ――どうして――しかし、轟々と撒き散らされた疑問と衝撃の渦は瞬く間に収束し、次いでどす黒い感情が溶岩のように噴出した。


 卑劣な手段をぶつけてきた、敵への怒りだった。こんなことをしてまで俺を追い込みたいのかという、悔しさにも似た感情だった。


 だって、そうではないか。


 亡くなった妻の顔そっくりに部下を整形させて、俺を襲わせたということは、つまり、そういうことではないか。


「う……」


 妻が――いや、違う。下種な変装をした葵光闇がうめき声と共に、ゆっくりと瞼を開いた。電七郎の脳裏に、唐突にかつての光景が蘇った。


 今まさに、あの遠くで崩れ落ちんとする城の中で行われていた、絶望と邪悪に満ちた一方的なやり取り。乱暴に放り投げられた、お千の生首。光を失った瞳。嗤う餓悶。その全てが息を吹き返し、電七郎の脳内を侵食していった。


 もはや、尋問などという悠長な手段を取ることは、彼の頭にはなかった。悪夢を振り払うように、半ば感情に任せて腰に差した仕込み杖を抜こうと右手を動かしたが、鼻腔をくすぐる芳香が、それを諫めた。


 柔らかな、日向の香り。血臭に混じりながら、それだけを電七郎の鼻は鮮明に嗅ぎ取っていた。記憶の水底に沈められた碑石だ。それだけ、彼にとっては忘れられない香りだった。


 初めての夜を迎えた日に、嗅いだ匂い。生涯で唯一愛した女の、体の匂いだった。もうそれだけで、十分過ぎた。


「お千……なのか……?」


 気づけば、震える声で呼びかけていた。堪えようのないものが、肚の底から急激にせり上がってきた。理性の枷を外れようと、感情が暴れたがっているのだと思った。


「電、七郎……様……」


 その懐かしい、ささくれ立った心に染み入るような声を耳にした時にはもう、彼の体は自然と動いていた。血の池に沈み、息も絶え絶えな葵光闇の傍に倒れ込むようにして寄り添うと、優しく、だがしっかりと、その細い腕をとった。生きているのが不思議なくらい、恐ろしく冷たい腕だった。


「電七郎……様……あぁ」


 初めて電七郎の前に姿を現した時に吐いた、あの傲岸不遜な調子の声ではなかった。いや、声だけではない。その身に纏う気配から姦悪の色は失せ、代わりに、草葉の陰で咲く一輪の花を思わせる、小さく可憐で、風が吹けば飛んでしまいそうな、消え入りそうな声になってしまっている。


 間違いなく、お千の声だった。


「やっぱり、電七郎様だ……」


 弱々しく、葵光闇――いや、お千が微笑んだ。


 電七郎は答えず、目尻に熱い滴を溜めながら強く下唇を噛んだ。堪らなかった。彼が持ちうる全ての感情と湧き上がるだけの疑問が、濁流のように胸を圧迫してきた。


「本当に、お千なのか……いや、だがお前は餓悶の手に……どういうことだ……なぜ生きて……葵光闇とはなんだ……いや、違う、そうじゃない……そうじゃなくて……」


 聞きたいことは山の様にあった。だが、それらを切り崩し、正しい形に整える術が見当たらなかった。


「私は、慚魔の手によって、甦らせられたのです」


 混乱の渦中に遭い、ひきつけを起こしたようにぶるぶると体を震わせる電七郎を宥めようと、血滴を吐きながらも、お千は静かに語り始めた。


「口惜しい……私は慚魔の手で殺された後、慚魔の手により紛いの命を与えられました……それで操られて……あなた様と戦うように……」


「誰が! 一体誰がそんなことをっ!?」


「竜羅河蓬莱……私を殺した黒嶺餓悶の、右腕でございます。屍から新たな生命を創り出し、己の意のままに操る……おぞましき術を持つ忍……」


「竜羅河……」


「私は……その者から紛いの命を与えられただけでなく、紛いの名を……葵光闇の名を与えられ、心を縛られていました……でも、あなた様の刃が、それを断ち切ってくれた……」


 おそらくは、あの電磁を纏った刃の二撃。あれが一種の電気的作用となってお千の体を駆け巡り、呪縛を解いたに違いなかった。人の思考が体内を流れる電流により生み出されているのなら、洗脳状態にあったお千を解放してやるには、稲妻を操る電七郎の一撃を以てするしかなかったのだ。


 半ば茫然とした様子で話を聞いていた電七郎だったが、ふと手元に違和感を覚えた。抱いていたお千の体が、急に軽くなったのだ。


「どうやら……お別れの時が……」


 力のない声。見ると、お千の足が砂のように崩れ、風に吹かれたかのように散っていく。


「そんなっ……!?」


 悲嘆の籠った声。だが、どうしようもできぬ。


「悲しまないで、くださいまし、電七郎様」


 つま先、ふくらはぎと続いて、もはや腰部も砂へ還り、消えかけている。そんな中でも、お千は気丈に笑顔を見せた。


「私は既に死んだ身でございます……幻が何時までもこの世に留まれぬのと同じように、死者も、生者に交じって生きることは、許されませぬ」


 それでも、それが正しい事だと頭で分かっていても、電七郎は全身全霊で願った。幻よ、どうか消えるなと。あれ程まで憎んでいたこの幻惑の世界が、今の電七郎にとっては唯一の希望になりかけていた。


 その希望が、確かにこの手の中から消えゆこうとしている。


 幻の現実が、手元から滑り落ちていく。


「お千……!」


 その後に続ける言葉が、どうしても出てこなかった。衝動的に、掴んでいたお千の手を己の口元に運び、電七郎は接吻を浴びせた。何度も何度も、押し付けるように。己の熱を、この鼓動を、命を、あらゆるものを分け与えようとするかのような儀式だった。哀しみに満ちた儀式だった。





 ――電七郎様は、私と一緒にいるのは、やっぱりお疲れになりますか?


 初めて顔を合わせた縁談の翌日、近くの川辺を一緒に歩いていた時、口数少ない電七郎の気を慮って、彼女は悲し気に言った。


 ――凄いです! 電七郎様には魚獲りの才もあるのですね!


 魚を素手で捕まえて見せた時、彼女は子供のようにはしゃいで、はにかんだ。


 ――ちょっと、塩加減を間違えてしまったかもしれませんが……


 それでも、彼女の手作りの佃煮は、口に合っていた。


 ――私、電七郎様とお会いできて、ほんに嬉しゅうございます。


 初めて共に夜を過ごした日、彼女は優し気に微笑んだ。


 ――忍の妻たる者、武芸の一つくらい身に着けておかねば、恥ずかしくて人前に出られませぬ。


 えいえいと、不器用ながらも懸命に、夫の為に薙刀術を習得しようと励んだ姿も、昨日のことのように思い出せる。


 ――電七郎様……


 恥ずかし気に、そして幸せそうに顔を赤らめ、次に彼女は口にした。稚児(ややこ)を身篭ったと。





 多くの景色を、多くの感情を、多くの幸せを共にした。人を愛することの素晴らしさを、彼女は教えてくれた。どれもが、黄金色に輝く毎日であった。


「愛している……今でもずっと……お主のことを心から愛している……っ!」


 それだけを伝えるのが、精一杯だった。


 もう、お千の肉体は、胸元まで消えていた。


 それでも最後の力を振り絞り、彼女も何かを伝えようとした。


 だが、時は無情である。


「あ…………」


 電七郎は、まじまじと己の手を見た。気が付いてみれば、後に残っているのは一握の砂だった。命を弄ばれたお千の残渣。彼女は、最後まで笑顔だった。こんな目に遭っても、なお。


 叫んだ。無限の叫びであった。慟哭極まる叫びであった。両膝を地面につけたまま、体を丸め、ただただ吼え続けた。もはや言葉にもならなかった。全身が灼けるように熱かった。夕焼け色の瞳から、滂沱の滴が流れるのを止められなかった。


 心に巣食う獣が牙を剥き出しにし、口を開けたことにさえ、彼は気が付かなかった。愛しき者を汚され、辱められた。覆したくとも覆せぬ非情な現実に対する、途方もない哀しみを獣は喰らい尽くし、そして吐き出した。恨みの念に変えて。


――許せぬ。


 電七郎の心に、お千の死を嘆き悲しむのとは違う、暗黒に染まった炎がゆらゆらと立ち昇った。


 怒りの炎。触れただけで全てを滅するような、行き場のない怒の灼熱。耳をつんざくような(いかづち)が、彼の全身を駆け巡った。今まで蒼と紫の色味が半々でいたのに対し、それがどうだ。もはや手遅れなくらいに、紫の、怨嗟の色味を強めている。


――決して、許せぬっ!


 脳裏に描かれるのは、残虐の二文字。自らも鬼にならなければならないという、ある種の強迫観念だった。深淵に立ち向かうには、自らも深淵に飛び込んでいかねばならないのだと強く思った。そうあるべきだと強く言い聞かせた。


 突然、咆哮が途切れた。代わりに、両の拳に力を込めた。


 爪が皮膚に食い込み、砂が血に染まるくらい、強く、強く。


 既に、幻術は解かれた後だった。


 周囲には、元の田園風景が広がっている。


 それでも、あの幻の世界で見たのと同じ、紅蓮の炎がいま、確かに電七郎の心で渦巻いていた。


 それを、同じく幻術の世界から帰還したばかりの彩姫と栗介は、愕然とした表情で見守る事しか、出来なかった。

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作者が天守閣で炎に包まれながら狂喜します。

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