希望の下へ
「どうやらここみたいだな」
俺様たちはサヴァの本から作った地図を頼りに町はずれの洞穴の入り口に来ていた。
「事前の情報通り、装置を守るための衛兵ロボがいるのね」
氷華の言うとおり、洞穴の入り口には二体の人型衛兵ロボが立っている。
俺様たちのデータは登録されていないから襲い掛かってくるらしい。雷鳴のデータは登録されているようだが、戦えないやつ単体で行かせても帰ってくるかどうかは分からない。
だから今回は、俺様と氷華、二年生のメンバーの計五人での任務だ。糸川は雷鳴達のお目付け役として留守番だ。あいつら安静にしてろって言われてるのに朝起きたらトレーニングしてやがったからな。
衛兵ロボはこちらに気付いたようで小うるさいサイレンを鳴らし始めた。
「不審者を発見。直ちに排除します」
衛兵ロボたちは、装備しているミニガンをこちらに向け、こちらに弾幕の嵐を浴びせる。
しかし、うちには優秀な壁役がいる。
「《氷の壁》」
瞬時に大量に生成された高密度の氷塊は、全ての銃弾を受けきった。
「リロードを開始します」
「今だ! 行くぞ、氷華!」
「ええ。《氷の滑路》」
さっきまで壁だった氷塊が今度は滑り台のように姿を変えた。
俺様と氷華は、衛兵ロボへ続くその道を滑って、素早く距離を詰めた。
そして、俺様は拳を、氷華はレイピアを衛兵ロボの胸部に叩きつけた。
「かったーーーい!!!」
「なかなか立派な装甲ね」
何やらかなり硬い素材で作られているらしく、こちらの攻撃は全く通らない。
「リロードが完了しました。攻撃を再開します」
「げっ。今から逃げるのは無理そうだなっ!!」
俺様は拳の先からありったけの熱を放ち、中の回路を溶かして滅茶苦茶にした。
すると、衛兵ロボは動きを止めた。
「ふぅ。あぶねー。完全断熱素材とかだったらヤバかったぜ」
「確かに少し迂闊だったわね」
「氷華! 無事だったか?」
「ええ。レイピアが折れてしまったけれど、中から全部氷漬けにしたら無力化できたわ」
「すごいな、お前たち」
竹中先輩がこちらにやってきた。
「今年の一年は成長が早いな。頼もしいよ」
「ありがとうございます」
二人揃って礼を言う。
しかし、竹中先輩は少し不安げな表情でこう付け加えた。
「ただ、三年生から悪い影響を受けないでくれよ」
「? それってどういう......」
発言の意図を聞こうとすると、洞穴の奥から足音が聞こえてきた。
「新手か?」
身構えると、洞穴の中からとてつもなく美人のメイドが姿を現した。
「学生警察の方々ですね。お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
「何者だ。初対面で信頼しろって方がおかしいだろ?」
「申し訳ございません。名乗ってませんでしたね。そうですねぇ......《時空転送装置》の開発者のメイドと申し上げれば、信用していただけますか?」




