結成!101小隊
「おい、お前、さっさと行くぞ!」
俺は演習場の隅に体育座りしていた。そこに緋ノ宮さんが来て、俺を寮まで連れていこうとしていたのだ。
「まったく、豆腐メンタルかよ」
彼女は、口は悪いが面倒見はいいらしい。俺がこうなったのには訳がある。遡ること数分。俺は自分の二つ名について抗議したのだが、却下どころかスルーされてしまった。二つ名は学生警察の活動においてコードネームの役割も兼ねているので、これからずっと非モテ呼ばわりされるのである。その後、一年生の小隊編成が発表され、同じ小隊のメンバーは寮で共同生活とのことで緋ノ宮さんが来て、今に至る。
あれ?女子と共同生活できるってことか!
「そうかそうか。さぁ、寮に行こう、緋ノ宮さん!」
そう言うと、彼女はあきれた様子で言った。
「意味わかんねーけど、元気になったなら良かったよ」
ちなみに、他のメンバーは先に行っていたらしく、元気になってすぐにまた傷ついた。
[寮]
「隊長の吹雪氷華です。よろしく」
「副隊長の緋ノ宮火憐だ。よろしくな」
「隊員の風間翔です。よろしくね」
「雑用係の雷鳴徹です」
みんな、自分の役割を決めた後、自己紹介をした。なんだかんだで、家事などのはほとんど押し付けられてしまった。それ故の雑用係である。掃除に関してだけは副隊長の能力でほこりなどを焼き払った方が速いとのこと。副隊長の能力制御は学園長も認める程である。
「みなさん、明日に備えて早く寝てください」
隊長が言うと、みんな個室に入り始める。この学園の寮は学年別に3つの寮があり、小隊ごとに1つの大きめの部屋が用意されており、その部屋がリビングとキッチン、隊員1人1人の個室に別れているというけっこう豪華な寮である。
明日は、学園長から仕事を貰うことになっている。俺達、101小隊の活動はこれからだ。
次回で1章は終わりの予定です。2章の予告みたいな感じになりそうです。9話まで読んでいただきありがとうございます。