弟子集結
「剣崎。二秒間だけ姉弟子を止めろ。その間に武田を斬る。二対一なら姉弟子相手でも時間が稼ぎやすくなる」
「無茶言うぜ。けど、二秒ってのは随分頼もしいな。その位なら何とかしてやるよ」
そう言うと、剣崎は姉弟子に飛び掛かる。
「《神剣 攻の型 刃砕き》!」
よし。これで姉弟子は剣崎の攻撃を受ける間は攻撃が出来ない。その間に数を減らす!
「《神剣 速の型 光速の太刀》!」
私の刀はまっすぐ最短経路で武田の首へ伸びていった。
しかし、斬撃の手ごたえは首ではなく刀によるものだった。
「何!?」
「ふふふっ。私が追いつけないとでも思った?」
私は一旦、姉弟子から距離を取った。
「馬鹿な! 《神剣 速の型》の習熟度は弟子の中でも私が一番だったはず。私の斬撃に追いつけるはずがない!」
「そうかしら? 前回戦ったのも今となっては数年前。その間にお前よりも《神剣 速の型》に精通したのかも知れないし、そもそもその必要が無いくらい速い別の移動手段を持っているのかも知れないわね。例え前者だとすればお前に勝ち目は無いし、後者だとしてもお前に勝ち目は無い。」
「くっ。」
「そこで提案。今すぐにでも逢いに行きたい人がいるの。私と恭子は今回の戦いにこれ以上手を出さない代わりに見逃してくれないかしら」
「お、お姉さま?」
姉弟子の急な申し出に武田も困惑しているようだ。
ここで戦ったところで勝ち目は薄いだろう。願ってもない申し出だが......戦いを放り出してまで逢いたい相手って誰だ?
「分かりました。ちなみに、その逢いに行く相手とやらを聞いてもいいですか?」
「聞くところによると、今はKと名乗っているらしいわね」
「何!?」
姉弟子以外の皆が驚愕した。
Kは現在姿をくらましている、《ラグナロク》のリーダーだ。同時にSさんが探している男でもある。
「場所だけでも聞かせてもらえませんか?」
「はあ? そんなことしたらKに嫌われちゃうじゃない。それに行く当てがあるってだけでどこにいるかなんて知らないわ」
「分かりました。行ってください」
「ありがと。行くわよ、恭子」
「私もですか?」
「当然。あ、そうだ」
突然、姉弟子は刀に手を伸ばす。
「私たちがいない間に他のところに加勢されると困るからこれだけやっておこうかしら」
「何する気だ?」
「《神剣 速攻合わせの型 光速の刃砕き》」
私達の刀は一瞬で使い物にならなくされてしまった。




