再戦
「さて、ここまでくれば邪魔も入らないだろう」
そう言うと霊ヶ峰は僕たちを地面に降ろした。
「丁度良かった。僕も回復してまた戦えるようになったしね。それに何より......」
僕は顔面蒼白で怯えている糸川さんに目を向けて、決意を固める。
「糸川さんの前でお前を倒すことが彼女のトラウマを払拭する足掛かりになるはずだ」
「糸川? 女の名か。キミこそ、ボクにボコボコにされてその女の精神が壊れて立ち直れなくなるんじゃないの?」
「いや、例え相打ちになったとしても僕はここで君を倒す!」
「そうか。じゃあ取り敢えずタイマンといこうか」
そう言いながら霊ヶ峰は拳銃を取り出し、こちらに放ってきた。
しかし、銃弾は僕の眉間の手前で動きを止めた。
「受け止めたか」
「はあぁ!!」
「何!?」
霊ヶ峰のもとを離れる拳銃。
僕は《念動力》で弾丸を止めるだけでなく、霊ヶ峰の隙をついて打ち返し、拳銃を弾き飛ばした。霊ヶ峰が丸腰になった今が攻撃のチャンスだ。
僕は霊ヶ峰に接近戦を仕掛けるべく、走り出した。
「前よりも速い......だが、ボクの能力を忘れてない? 《心霊現象》」
すると、何も無いところからの打撃が僕を襲い始める。霊ヶ峰の能力によって現れた生霊からの攻撃だ。
しかし、こちらもこの能力に対しての対策を考えている。休養で戦闘できなかった間、僕がこの能力を打ち破るにはどうすればいいのかずっと考えていた。
「そこだ!」
「ぐっ」
確かな手ごたえを感じる。
生霊はこちらに物理的に干渉してくる。恐らく、生霊がこちらに攻撃してくる前後であれば実体化しているから、こちらからも干渉出来ると考えていたが当たったようだ。ついでに、霊ヶ峰の生霊だからか本人にもある程度のダメージがあるらしい。
そのせいか、生霊からの攻撃が止んだ。
「くそっ! 《心霊現象》が破られるなんて......」
霊ヶ峰が狼狽えている。今だ。この一撃に今の全力をかける!!!
「何? 浮いてる?」
僕は《念動力》で霊ヶ峰を遥か上空に浮かし、身体の自由を奪う。
僕は霊ヶ峰より高い位置まで登り、重力と残りの念動力を全て込めたかかと落としを放つ。
「これで終わりだ! 《超念動落とし》!!」
「がはっ......」
霊ヶ峰は勢いよく地面に叩きつけられた。
地上に降りた僕は、霊ヶ峰に手錠をかける為に土煙が立ち込める、霊ヶ峰の墜落地点に近づいた。
「これで僕の勝ちだ」
その時、土煙から拳が飛び出した。
僕は、拳に顔面を殴られ、後ずさった。
「中々の一撃だったぞ。正直、死ぬかと思った」
土煙の中から霊ヶ峰が姿を現す。だけど、何か雰囲気がさっきまでとは別物だ。




