立ちはだかる強敵
「移動されたら元も子もない。みんな、急ぐぞ!」
竹中先輩の号令で、私たちは一斉に走って目的地に向かう。
あらゆる障害物はゴーレム含め、基本的には無視。あくまでも、発生源である指宿魂子を捕らえることが最優先だ。
それでも、竹中先輩、夢想先輩、剣崎さんの3人はゴーレムを瞬殺できるので、移動しながら何体か討伐している。これには流石と言わざるを得ない。
私たちは順調に目的地までの距離を詰めていった。
しかし、4つの人影が行く手を阻む。
「学生警察諸君。これ以上先に進んでもらっちゃ困るな。先に進みたければ、僕らを倒してからにしろってね」
道の左端の塀の上に立っている男が軽いノリで宣戦布告した。
すると、塀の隣にいた別の男が手を前にかざした。
「うわ!?」
「ひっ!?」
後ろからした声の方に目を向けると、斉木君と糸川さんが宙に浮いていた。
「キミたち。あの時の言葉、忘れてないよね?」
「霊ヶ峰!」
霊ヶ峰の言葉に対抗心をむき出しにする斉木君。
「いい表情だね。キミたちはボクの手で倒したいからあっちでやろうか」
そう言って、霊ヶ峰は二人を連れてどこかに離れていった。
「ねぇ、剣崎。私のこと、覚えてる?」
道の真ん中に立っていた半身サイボーグの女が剣崎さんに話かける。
すると、剣崎さんは驚愕していた。
「お前、武田か? あの時、死んだはずだろ?」
「確かに死にかけた。剣崎の剣で。でも友達のおかげで一命をとりとめた。けど......」
そこで彼女は機械部分の装置で加速し、剣崎さんに斬りかかった。
「お前に消し飛ばされた体は返って来ないんだよ!!!」
さっきまでの大人しい印象とは打って変わって殺意と狂気に満ち溢れた体から放たれた一撃は剣崎さんを目視できなくなるまで吹き飛ばした。
「私は《剣技王》の弟子の中でも最弱だった。でも今は違う。新しく手に入れたこの力で、私が受けた以上の苦痛を与えてやる!」
そう言って武田と呼ばれていた女は、剣崎さんの後を追った。
「彼女は戒が知っている頃とは違うということか。なら援護に......」
「まあ、待ちなよ」
「ぐっ」
竹中先輩が剣崎さんの援護に行こうとした瞬間、竹中先輩の目の前に塀の上に立っていた男が地面から姿を現し、竹中先輩の顔面を蹴り飛ばした。
能力を見て思い出した。元《シャドウ》の幹部、壁山透だ。
「君たちの相手はこの僕だ」
「てめえ、真に何してんのよ!!」
「落ち着け、魔子。俺達でやつと戦おう。代わりに遊夜とサヴァに戒の援護に行って貰う」
「了解」
「仕方ないな。手を貸そう」
「さて、ここはやつに有利な地形だ。逃げる風を装って場所を変えるぞ。魔子。」
「分かった」
竹中先輩がこちらだけに聞こえる声で指示を済ませた後、みんないなくなってしまった。
残ったのは私と風間君だけだ。
「誰もいなくなったね。岸田君。それじゃあ、一年生同士でタイマンと行くかい? 君が元仲間と戦うことが出来るならの話だけど。《旋風刃》」
そう言って風間君は私に攻撃してきた。少し前までの私ならこのままやられていたかもしれない。
「何!? 避けただと!?」
「確かに私は共に正義を志した者が敵の組織に現れて困惑していた。だがそれは過去の話だ。例え以前の友であっても、人々に仇為す組織の一員であるならば、私は戦う。正義の名の下に」




