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学生警察の活動記録《バトルレコード》  作者: 大道寺司
真夏の悪夢《サマーナイトメア》編
49/199

帯電!! 雷神の裁き

 学園長から《伝心術》で撤退命令が出た。

 しかし、こちらには撤退するだけの余力もない。


 俺は、強烈な一撃をもらって動けない。

 万屋先輩は、刀のゴーレムに敗れてしまった。

 そして、緋ノ宮さんも万屋先輩を倒したゴーレムがやってきて二対一になったとたん、一方的にやられてしまい、満身創痍だ。というのも、刀のゴーレムが今まで相手にしていたムエタイのゴーレムに比べて段違いに強いのだ。


「まだまだぁ......」


 緋ノ宮さんは立ち上がろうとするも、傷だらけの体はいうことを聞かず、再び崩れ落ちる。

 そんな緋ノ宮さんに対して、刀のゴーレムはとどめを刺そうと刀を構え直す。


「《雷撃銃ライトニングバレット》!」


 俺は動けないながらも異能力でとどめが刺されるのを阻止する。


 すると、刀のゴーレムがムエタイのゴーレムに視線を向けた。

 ムエタイのゴーレムは首を横に振ったような仕草を見せたが、刀のゴーレムに刀を向けられると、少し怒ったようにこちらに向かってきた。


「あ。ちょtt......」


俺はムエタイのゴーレムに持ち上げられ、コンクリートの壁に叩きつけられた。


雷鳴かみなり!」


 俺を心配する緋ノ宮さんの背後に再び刀のゴーレムが襲い掛かる。


「クソッ。俺様がやられたら火憐やみんなが......」


 緋ノ宮さんが真紅の瞳に涙を浮かべてそう呟いた時、俺はもう一度壁に叩きつけられ、頭を打って気絶した。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 気が付くと無限に広がる草原のような場所にいた。


「どこだ? ここは」


 見覚えのない景色を見渡すと一人の男を見つけた。

 一見、俺と全く同じ容姿かのように見えたが、何かが違う気がする。

 男はこちらに気付いて話しかけてきた。


「よう」


「お前は誰だ?」


「そんなことより」


 俺のような男は、俺の質問を言葉で遮り、こう続けた。


「このままだとお前は死ぬ。俺がお前を助けてやること自体は可能だが、お前の体に大きな負荷がかかる。しばらくろくに動けなくなるが、それでもいいか?」


「待て」


 俺は待ったをかける。


「緋ノ宮さんと万屋先輩も助けてくれ」


「断る」


 俺のような男はきっぱりと断った。


「なんでだよ!」


「俺はお前にしか力を貸す気はない」


 俺のような男はそう言うと、姿が段々、薄くなっていった。


「まぁ、勝手に助かりはするかもな」


 そう言い残して、俺のような男は完全に目の前から消えてしまった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「さて、やるか」


 俺は全身に電気信号を流し、ボロボロの体を無理やり使役する。


「邪魔だ!」


 俺は俺の体を掴んでたゴーレムの拳を打ち砕いた。


「雷鳴?」


 金髪ツインテールの女が不思議そうにこっちを見る。

 こいつが緋ノ宮ってやつか。


「お前、まだ生きてたのか」


「ま、まあな」


 緋ノ宮は目をそらして答える。


「そんなことより、頭の怪我、見せてみろ」


 緋ノ宮は何かから注意を逸らすかのように話を変え、少し俺を見つめた後、目を見開いた。


「お前、その目......」


「下がってろ」


 緋ノ宮の言葉を遮り、俺は告げる。

 緋ノ宮が充分離れたことを確認して、俺は再び戦闘態勢に入る。今度は本気だ。


「《帯電》」


 突如、天から落ちた雷は俺に直撃し、膨大な電気エネルギーを与える。

 髪は逆立ち、体の周囲には電流が流れ、バチバチと火花を散らしている。


「行くぜ」


 言葉と共に刀を持っているゴーレムに向かって走り出す。

 だが、さっきのゴーレムが行く手を遮る。


「雑魚は引っ込んでな!」


 速度は落とさず、ゴーレムを頭から真っ二つにして走り抜ける。

 すぐに刀を持ったゴーレムまで辿り着いた。


「くらえ!」


 渾身の一撃を放つが防がれてしまう。

 その後も剣戟を続けるが、全く攻撃が通らない。


「ちっ。剣技じゃ歯が立たねえか。だが、これならどうだ?」


 俺はゴーレムの前から姿を消した。


「俺の速さについてこれるか? ほら、後ろ!」


 ゴーレムは俺を探そうと辺りを見渡しながら一方的に攻撃され続ける。


「ほら、目の前に......くっ」


 ボロボロの体を酷使し過ぎたせいか、痛みが走り、ゴーレムの目の前で動きが止まってしまった。


「おい、お前!」


 緋ノ宮が心配そうに大声をあげる。

 ゴーレムはとどめを刺そうと刀を振り下ろす。


「お前の負けだ」


 ゴーレムが刀を振り下ろし始めると同時にその体はどんどん崩れ落ち、攻撃は不発に終わった。


「やべ。これ、撤退できねえな」


 ゴーレムが完全に崩れ去った後、俺も意識を失った。

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