剣戟の頂点
金属同士のぶつかり合う音が絶え間なく鳴り響く、住宅街。
周囲には数多のゴーレムと前方には《剣技王》。
「いい加減、鬱陶しいし、ここで決着を付けさせてもらうわ」
「望むところです」
「《花澤流剣術 山茶花 二閃》」
「《神剣 守の型 蜃気楼の復讐劇》」
自慢の二刀流抜刀術は、《剣技王》の体をすり抜けた。
「残像か?」
あたりを見渡しても《剣技王》の姿はない。
突如、背中に線形の痛みが走る。
「ぐっ......」
《剣技王》が背後に現れて語りだした。
「いかがですか? 《守の型》は、脚捌きや体捌きが難しいというか少々特殊で、あまり高威力の斬撃は放てませんが、無傷で一方的に攻撃することが可能です」
「それが出し惜しみしていた3つ目の剣技という訳ね」
「そういうことです。さぁ、《剣姫》、勝負はまだまだこれからですよ」
そういって《剣技王》は再び姿を消した。
私は、今までに比べると格段に威力に劣る斬撃を受けながら対策を考える。
姿だけでなく、音や気配すらも完璧に隠されている。相手を探して攻撃するのはとても難しそうね。
取り敢えず、広範囲攻撃で、姿を消して纏わりつくストーカー野郎を引き剥がそうかしら。
「《花澤流剣術 向日葵》」
二本の刃は、周囲の空間を切り裂いた。
思惑通り、消えていたストーカーがあぶり出された。
「このまま勝てるほど甘くありませんか。しかし、そこまで傷を負ってはいつも通りには動けないはずだ。これで終わらせる。《神剣 攻の型 大陸砕き》!」
私は、素早く近くにいたゴーレムの後ろに身を隠す。
ゴーレムは一瞬で砂塵と化した。
「まだそこまで動けましたか。ですが、これならどうですか? 《神剣 速の型 光速の双刃》!」
「《花澤流剣術 水仙 二閃》」
私は、とてつもない速度の斬撃を近くのゴーレムへ受け流した。
「人の攻撃でゴーレムを倒さないでいただけますか」
「仕事なのよ。嫌なら、こうしない? 今からこの町のゴーレムがいなくなるまで、より多くのゴーレムを倒した方が勝ちっていう勝負にするの」
「もし、私が勝ったら?」
「あなたは私より強いことが証明されるわ」
「ふむ。しかし、イマイチ決め手に欠けますね」
「なら、私の剣を教えてあげるわ。元々、それが目的で私に近づいてきたんでしょ」
「開始の合図はお任せします」
「あっそう。じゃあ、開始」
呆れつつも合図を出すと、《剣技王》はすぐにあたりのゴーレムを一掃してしまい、更なる標的を探すべく、どこかへ行ってしまった。
「計画通り」
あまりにも、うまく行き過ぎて顔が緩んでしまう。
さて、徹の様子でも見に行こうかしら。
「花澤先生~」
空から学園長が降ってきた。
「ゴーレムの出所が分かった。確かな筋からの情報だ。一度、学園に帰って作戦を立て直す」
「でも、今から徹を見に行くの。後にしていただけるかしら」
「各臨時小隊に撤退命令を出している。彼も戻ってくるはずだ」
「そう。仕方ないわね」
私は、学園長と共に、《転移術》とやらで学園に帰還した。
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