パトロール《臨時小隊03》
私は、吹雪氷華。今日は、臨時小隊03のメンバーとしてパトロールに来ています。
丁度、件のゴーレムを1体、確認しました。
「中々、大きいですね。誰かが能力か何かで操っているのでしょうか」
私の言葉を他所に桐谷先輩と切島君は、完全な交戦ムード。私とは正反対の2人なので正直、やりづらいです。
「こういうのは取り敢えず、頭ぶっ壊せば何とかなるんだよ!《倍速行動 三倍速》!!」
最初に仕掛けたのは、桐谷先輩。元々の敏捷性の高さと加速能力でゴーレムの後ろに回り込み、速度を乗せた強烈な一撃を頭部に叩き込みました。
人通りの無い路地に響く鈍い音。それが意味するのは頭部の破壊ではありませんでした。
「あん?流石に頭は頑丈に作ってますってか?なら、脆いところを当てるまでやってやるぜ!」
桐谷先輩は凄まじい斬撃を浴びせますが暖簾に腕押し。先程と似たような音が鳴るばかりです。
「ちっ」
桐谷先輩は、少し苛立って戻ってきました。
「あれは多分、硬化とかそのあたりの能力だな。剣が刃こぼれして使い物にならなくなっちまった。なんで人間にしか使えないはずの異能をゴーレムが使えるのかは知らねえがな」
その言葉に切島君が焦り始めます。
「そんな......この小隊で一番攻撃力の高い桐谷先輩でも倒せないってどうすればいいんだよ?」
はぁ......
1年生と言えど、元は小隊を指揮する身。私がどうにかしなければならないみたいね。
「私に考えがあります。倒せないなら被害が出ない場所に誘導するのが良いと思います」
「あ? なんで1年に指図されなきゃいけねんだよ」
「......そうですか。ところで桐谷先輩、人間の血液って凍るとどうなるんでしょうね」
「お、お前、脅しのつもりか? なんでそんな笑顔なんだよ......」
「桐谷先輩、吹雪さんは怒るとやりかねないんで、ここは話を聞いた方が......」
「わかったよ。で?どこに連れてくってんだよ」
「《黒渦》のアジトです。あそこなら周りに何もありませんし、印矢さんに頼めばどうにかなるかもしれません」
「試してみる価値はありそうだな。ところで吹雪」
桐谷は、少し躊躇ってから口を開いた。
「お前、本当に吹雪か?」




