Cブロックの強者達
「ぐっ。これは・・・リボン?」
「大当たり~」
声のする方を見ると、新体操の衣装を身に纏った女子生徒がいた。この学校は制服はあるにはあるが着なくても良いのだ。
「お嬢さん、ちょっと解放して貰えませんかね」
「お嬢さんじゃなくて、糸川結衣。ゆいゆいって呼んでね」
「イタい」
「イタいな」
「イテェな」
俺に続いて岸田君、切島君(さっき名乗っているのが聞こえた)が同じ感想を述べる。
「そんな揃いも揃って言わなくていいじゃん」
すると、糸川さんはリボンをさらに取り出し、仕返しとばかりに異能を発動した。
「《リボン操作》」
二本のリボンが双竜の如く二人に襲いかかる。しかし・・・
「縛られる前に斬れば良いだけのこと」
そう言って、岸田君はリボンを斬った。切島君にも効いていない。
「俺はこいつとサシでやりてぇんだ。邪魔すんならテメェから倒してやるぜ!」
「同感だ。彼女は恐らくこの四人の中で一番攻撃範囲が広い。先に倒すのが賢明だ」
切島君に岸田君が同調する。そして、二人は糸川さんに攻撃を仕掛けるが・・・
二度の鈍い音が攻撃の失敗を告げる。
「男二人で女の子いじめるとかカッコ悪いぜ」
「君は、全身縛られていたはずじゃなかったのか?」
岸田君の問いに俺は答える。
「糸川さんを守る条件で解放してもらったのさ」
「変なところで知恵を働かせるやつだな」
あきれる岸田君とは対照的に、切島君は戦慄していた。
「どうした?」
気づいた岸田君が尋ねる。
「こいつ、さっきまで首を締め付けられて酸欠のはずなのに見事な剣さばきで俺らの攻撃を受け止めやがった。こいつはかなり強いぜ」
それを言った切島君も聞いた岸田君も身構える。
戦いは始まったばかりだ。