悪夢の幕開け
俺達は今、学年別卓球大会をやっている。合宿での騒動も一段落し、皆楽しく遊んでいる。ただ一人、この俺、雷鳴徹を除いて。
「寒い」
俺は今、決勝で緋ノ宮さんと戦っているのだが準決勝で負かした吹雪隊長が機嫌を損ねてしまい、温泉からあがったばかりの体に冷風を当て続けてくるのだ。風邪ひくっつーの。
しかし、それでも負けるわけにはいかない。負けたものは殆ど自主トレーニングに行ってしまった為、ギャラリーはほぼいないが優勝したと後で女子たちに言えばモテるに違いない。
「《リミッター解除》」
この技は自らの筋肉に電流を流して筋肉を刺激することで限界ををこえた超えた身体パフォーマンスを可能にする!
「《筋肉凍結》」
体が動かなくなった。しかも、最悪のタイミングで。
「お前、それはダサすぎだろ」
俺はこの一撃で決めると言わんばかりに飛び上がり、そのまま何もできずに床にたたきつけられた。それを見ていた緋ノ宮さんはあきれ果てていた。
その後、調子を崩した俺は緋ノ宮さんにボコボコにされた。
突然、となりの卓球台から大声が発せられた。
「ムカつくな、このクソ野郎!!!」
「あれ?おかしいな~。桐谷君がこんなに弱いとは思わなかったよ~」
桐谷先輩が御劔先輩に完全敗北させられていた。御劔先輩が決勝に進出した。
その相手は夢想先輩。この人は準決勝の相手である竹中先輩が大好きで、一緒に卓球が出来ると喜んでいたところ、竹中先輩に棄権されたらしく見るからに機嫌が悪い。
「一瞬で終わらす」
一瞬で終わった。未来を計算出来る御劔先輩に対して分かったところで対処できないような複雑な変化球を高速で打ち続け完勝した。
こうして何人か機嫌を損ねたけれども楽しく遊んでいた。
すぐそこで悲惨な出来事が起こっているとはつゆ知らず。




