《シャドウ・コール》
時は少し前に遡る。
「《ロスト・レガリア計画》開始!」
その合図と共に僕ら、《シンプル》とスパイ組織《シャドウ》が一斉に発明王の発明品の討伐を開始した。はずだった。
「オペレーション《シャドウ・コール》、始めろ」
この言葉の意味を僕、伊藤瞬は知っていた。すぐに逃げないと全員皆殺しだ。
《シャドウ・コール》とは《シャドウ》を恨む組織が《シャドウ》に害をなすと判断されたときに発動され、構成員たちがその組織を全滅させるオペレーション。今回、《シンプル》は《シャドウ》に嘘をついている。それが誰かに、いや、彼女にバレたのだろう。
「どうも、黄泉川さん」
「用件は分かってるわよね」
僕に拳銃を向けた黄泉川さんは答える。
彼女は黄泉川心。《シャドウ》の幹部だ。
「分かってます。死ねってことですよね」
言い終わるや否や僕は《瞬間移動》を発動。銃口から逃れるためだ。しかし、それは無駄に終わる。
銃声が鳴り響いた。
「ぐっ」
僕は左足を撃ち抜かれた。
「あなたの《瞬間移動》はそこまで上位じゃ無いでしょう。あなたは自分の視界内へしか移動出来ない。なら、私は移動先を撃てば良い」
これが噂に聞く《読心女》の最高位の《読心能力》。相手の次の手を読んで潰す。少し交戦すれば相手の情報は全て手に入れてしまう。厄介な相手だ。
ふと、見るとぶちギレた女性がいた。
「誰が独身女だ!」
あっ、察し。しかし、僕は一瞬の隙を見逃さず能力を発動。
「何!?」
あなたなら聞こえますよね。僕の《瞬間移動》はそこまで上位じゃなくてもそれなりに上位です。視界にさえ入ればどこにでも移動出来る。例えば、空とかね!ここなら拳銃は届かないし、これでもう逃げ放題だ!
「流石、今回は完敗ね」
こうして僕は唯一、生還することが出来た。




