因縁
俺はSという名のスナイパー。訳あって、秘密結社《エンデ・デア・ヴァルト》の幹部をやっている。
しかし、今日はそういった肩書きとは関係なく、知り合いの様子見とかそういった用で学生警察の校舎に来ている。
外からは、よく分からんが戦闘が行われており、時々、聞いたことのある声がした。
何故、様子見に来て、外の様子が分からないかは訊かないで欲しい。決して迷子などではない。
少し、ぶらぶらしていると思いがけない奴に出会った。絵に描いたような泥棒の格好だった。
「なんだ、泥棒やってんのか」
「あー、どうも。先輩」
先輩。そう、俺とこいつは少し前まで同じ学校の先輩と後輩だった。
「何盗ったんだ?」
「教えられませんね」
「そうか、じゃあ死ね」
そう言って、俺は後輩、Kに銃口を向けた。
「俺が、何故、あの時、お前に味方したか分かるか?生前に見たあの資料。本当なら、今、お前を逃がすべきじゃない」
すると、Kが俺の言葉に反応する。
「先輩、あれを見たんですか?国家機密ですよ」
「遺言はそれだけか?」
俺は引き金を引こうとしたが、その直前に銃は八つ裂きにされていた。
「何?」
俺は驚きこそしたが、すぐに冷静になり、思考を巡らす。
Kの能力じゃこんなことは出来ない。もう一人誰かいる。姿は見えなくても、微かな音、空気の流れの変化から考えられるのは、後ろ!
「そこだ」
俺は隠し持っていたナイフを突き付けるが反応はない。
「逃げられたか」
俺が漏らすとKが喋りだした。
「うちの高校ナンバー2の天才である先輩なら何が出来てもおかしくない。事前に対策はしてます」
「何故、俺を殺さない?」
「僕と先輩は手段は違えど目的は同じですから。生かす価値は充分にあります」
「そうか。お礼に一つ教えてやる。お前の幼馴染みがこの間、俺の部下のとこに来たらしいぞ」
「そうですか。なら、これで全員か」
「どう言うことだ?」
「先輩にだけ、教えましょう。僕の目的は先輩と同じ。そのために僕は新しい組織を作りました。それが、秘密結社《ラグナロク》」
そう言ってKは姿を消した。
秘密結社《ラグナロク》。恐らく、学生警察、秘密結社《エンデ・デア・ヴァルト》に並ぶ巨大勢力になるだろう。
厄介な相手が増えたもんだ。




